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お酒関係の仕事をして感じる3つの悩み


こんばんは、クラフトビールブランド「BEERful」の立ち上げをしているゆるみな。です。

お酒関係の仕事をしはじめてから、酒事情の悩みが出てきたのでその根拠と主張をまとめたいと思います。男女限らず、お酒業界で働く方に当てはまることもあるとは思います。私が女である故、女性目線で書いていることもありますがその点はご了承ください。


その1.「ビール好きなんですね!今度飲みにいきましょ^^」という面識の全くない男性からのお誘い

職業上、様々な業種・業態の方とお会いする機会があるのですが、偶々足を運んだイベントや交流会などで初対面の名刺交換をする際に「クラフトビールプロデュース」という肩書きを見て「ビール好きなんですね!僕も(私も)好きなので今度一緒に飲みにいきません?」と誘われることが増えました。

「自分でプロデュースするくらい好きなら嬉しいことじゃん」と思われる方もいるかもしれませんが、好きだからこそ「好きな時に、好きなお店で、好きな人と飲みたい」が本音です

それに世に言う「ビール」は大半が「居酒屋の生ビール」である「ピルスナータイプのビール」なんですよね。

決してピルスナービールを否定しているのではなくて、私が好きなビールは果物を副原料として使ったフルーツビールや野生酵母で作られたランビックやサワーエールなどの酸っぱいビール、そして修道院ビールなどのハイアルコールで重ためのゆっくり飲めるタイプのビールだと言うだけなんですが...。

なかなかビジターの方に説明するのもハードルが高いので、「ご都合が合えばぜひ」みたいな感じで毎度濁してます。言われたことのある方、すみません。これを読んで察してくれたら嬉しいです。

それならばそのフルーツビールやランビックが飲めるお店なら誘われたら行くかと言うと答えは「NO」です。

理由は三つあって、一つ目はフルーツビールやランビックは「ビールが好きな人」に美味しいと感じてもらえるビールではないからです。(※ここでは一般的な居酒屋においてある大手さんの取り扱うピルスナータイプのビールのことを指します)

甘いし、酸っぱいし、ぐびぐび飲めないし(ゆっくり飲んでほしい)、価格だって居酒屋のビールの三倍くらいするのに量は少ない。私にとって一杯1000円のベルギービールは、居酒屋で飲むビール三杯よりも絶対的に満足度が高いですが決してそうではない人がマジョリティであることも理解しています。

だから連れて行ったところで、「こういうビールもあるんだね。(でも自分は居酒屋のビールで十分だな)」ってなるのがオチだったり。そうなるとなんだか連れて行った側としても申し訳なくなります。

二つ目は、面識があまりなく信頼関係の築けていない人に自分のお気に入りのお店を紹介することに抵抗があるからです。誰にだって人にはあまり教えたくないお気に入りのお店や空間、「場」があると思います。

本当に好きなお店は認知・集客のためにSNSに投稿することもあるけど本音で言えばあまり知られて欲しくないし自分と常連さん達の空間であって欲しい。全く知らない誰かをその場に連れて行くって言うのは、自分のパーソナルスペースに土足で上がってもらうということ。

初対面の人を連れて行くのはなかなかハードルが高いです...。

そして三つ目は、そもそも女性に対するファーストインプレッションで「飲みにいきましょう」は無礼すぎるのでは...?という理由です。

「女性として見られてると考えるって自意識過剰すぎ。」って思う方も一定数いらっしゃるとは思いますが、女である以上そのリスクは常に念頭に置いておくべきです。性的理由で近寄ってきた男性を逆手にとって上手に活用できるなら、初対面の2人で飲みに行ってもいいと思います。

けれど少なくとも私の経験上、信頼関係の築けていない男性と2人で飲みに行っても最後はホテルか自宅に誘われて気まずくなって距離を置いてしまうのがオチです。

名前を出して公開処刑をしたいとかそういうことは絶対にしたくないし他の人に言いふらしたりもしませんが、実際にSNSで有名なインフルエンサーさんや経営者の男性に誘って頂いて「事業の相談ができる!」と思ってお会いしたら、口説かれて断って気まずくなって距離を置く、みたいなことがありました。

あの時の虚無感...。女性の起業家さんやフリーランスの方なら理解してもらえるでしょうか。

その1.だけでも長くなりましたが、要するに「お酒が好きだからって誰とでも飲みたいわけじゃないんだよ。」ってことと、「お酒で酔わせてワンチャンなんて考えてるなら誘わないで欲しい。」ってことを伝えたかったんです。

その2.「飲み放題にしておいたよ!」とやたら酒豪だと勘違いされがち

これも人によると思うのですが、今回は完全に私の主観で悩みや課題をブラッシュアップしているので取り上げさせて頂きました。

秋田出身、ビールのプロデュース、バーの立ち上げやお酒のイベント企画運営までしているって話すと「お酒強そう」って思われます。でもね、【お酒好き=お酒強い】という方程式は成り立たないからねっ。好きだけど弱い人も世の中にはいるんだよ。

私も、疲れている日は一杯で顔が真っ赤になってしまうくらい弱いです。でも、お酒は好きなんです。そこは理解して欲しい。

だから正直「飲み放題」って言葉にはあんまり惹かれなくて、沢山飲んで3000円よりも気に入ったお酒を値段をあまり気にせず一杯飲みたい。そのお酒が仮に飲み放題の価格より高くても私は後者を嗜みたいんです。

対価に値するだけの味や品質管理、ブランドコンセプト、背景にある歴史、生産者の想い、ストーリー。そういったものを全部含めての一杯に勝る飲み放題はないと思っています。

そして、「〜放題」という文化に否定的であることも関係しています。ホテルの朝食ビュッフェやケータリングパーティーの「好きなものを好きなだけ選ぶ」という取捨選択型の形態は楽しめるのですが、食べ放題・飲み放題にはあまり惹かれないです。

なぜ魅力を感じないのだろうと考えてみたのですが、払った分の元を取るために時間内に沢山食べなきゃ(飲まなきゃ)という義務感みたいなものが先行して料理やお酒に対してきちんと向き合えない、味わったり感じたりする過程が省略されてしまうからという結論に至りました。

農家の娘として生まれ育ったこともあって、食材に対しては人よりも近くで見て触れて感じてきたと思います。だからこそ、できるだけ自分の口に入れるものにも敬意を払って頂きたいんです。

お酒の仕事をしている人が必ずしも、お酒が強くて沢山飲みたいと思っているとは限らないのでありがた迷惑やお節介の押し売りにならないように気をつけましょうね。※自戒も込めて。

その3.お祝いのプレゼントや旅行のお土産でお酒を貰いすぎて冷蔵庫や部屋が酒まみれ

前もって誤解のないように補足すると「ゆるみな。といえばビール!」というイメージが根付いていることはとても有難いし、お酒も好きなのでうれしい悲鳴ではあります。

けれど前述したように「自分のお酒の好みには偏りがある」ということと「お酒強くない」ということもあってワイン一本や日本酒一升瓶、ビール1ケースといった類のお酒を頂くと毎度、どうしよう...1人じゃ消費しきれない...ってなって開けるタイミングを逃し気づいたら冷蔵庫がお酒でパンパンに...。

入らなくなったものは部屋の窓際にインテリアのように飾られている始末。ボトルがおしゃれなものは飾っておいても十分に幸せなんですが、生産者側からしたらベストなタイミングで美味しいうちに飲んで欲しいと思うんですよね。

そう思うとずっと冷蔵庫や窓際で眠らせて置くのも可哀想に思えてしまって...。頂きものだから安易に人に譲渡するのも違うし、かといって1人で開けて飲みきれなくて酸化して捨てちゃあうのも嫌だし...。

という負のルーティンに陥ってます。笑

美味しそうなお酒をもらえる嬉しさと、1人で飲みきれなくてどうしようという困惑が入り混じってお蔵入りさせているお酒が大量にあるんです...。ホームパーティーを定期的に開きたいけど人を呼べるような場所じゃないので、レンタルスペース借りて冷蔵庫に眠るお酒を嗜む会したい....。

というか、します!笑 冷蔵庫に眠っているお酒を持ち寄る会!

気になる方は別途ツイッターのDMにてご連絡くださいっ◎

まとめ お酒関係の仕事をしている人はお酒が好きな人は多いが、嗜好が千差万別なので誘う時やプレゼントには要注意。「飲みに行こう」を口実に下心ありきなお誘いをする時は慎重に。


お酒が好きでお酒の仕事についている人は少なくないと思いますが、必ずしもアルコールならなんでもオッケーな人ばかりではないということが伝わったならば嬉しいです。

肌感的にはお酒好きのマニアックな人ほど嗜好の良し悪しがはっきり分かれているなと。不味いものは高くても不味いと言うし、美味しいものは安くても美味しいと言う。そのくらいシビアに批評してくれる飲み手さんがいることは、プロデュースしている立場としてはすごく有難いことです。

そのお酒が誰のために造ったものなのか、誰に飲んで貰いたくて造ったのか。そこまで想像して生産されたお酒であれば尚更、飲む人がお酒を選ぶのではなくて、お酒が飲む人を選ぶということも往往にして有り得るのです。

お酒を贈る時は、相手の嗜好を理解した上で選ぶことが大切です。また、お酒の席に女性と2人きりで誘う時はくれぐれも軽い気持ちで発言しないようにお願いしたいです。あなたの軽率な発言で、不信感や警戒心を生んでしまうこともあります。

もし気になっている人がいるのであれば「デートしよう」とストレートに誘うか、それが恥ずかしいならまずは関係性を構築するために夜のお酒は控えて、モーニングかランチかお茶に誘ってみることがお勧めです。

なるべくお酒の席は1回目の素面での会話でいい雰囲気になった次の段階で誘うように。紳士としての最低限の気遣いは忘れて欲しくないと思いました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。それでは素敵な華金の夜を。

ゆるみな。






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