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A Little More About Me

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昔の話をする時に。
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疑似宇宙の思い出

疑似宇宙の思い出

今回の写真展は「持って帰れる写真展」ということで、「どれを持って帰ろうか?」と真剣に写真を眺めて下さる方々が沢山いらっしゃった。その中である方に選んでいただいた1枚が、これだ。

写真を選んでいる最中に「これは何を撮ったものなんですか?」と尋ねられた。パッと見では判断しづらい写真に意識して仕上げているものなので、その疑問が嬉しかった。

イメージとしては"宇宙"、地表に開いた穴の向こうに宇宙が見え

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満足させたいのは、だれ?

満足させたいのは、だれ?

そういえば「わたしとカメラ」シリーズを書いていて思いだした。何年も前に2週間程、多重露光にハマっていたことがある。懐かしくなったので、息抜きがてらに写真を載せてみる。

家のガレージに三脚を置き、セルフタイマーを設定して。1人でああでもないこうでもない…と怪しい動きをしていた。もちろん採光の必要があるから入り口は開けてある、つまり表から丸見え。

端から見たらかなりの挙動不審者だろう、ということは

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わたしとカメラ 6

わたしとカメラ 6

思い出話、「わたしとカメラ 5」の続きになります。

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仕事として人を撮り始めて数年経つと、カメラ付属の現像ソフトでは物足りなく感じるようになってきて。より高いクオリティの写真を納品したいとの思いから、有料の現像ソフトLightroomを購入することに決めた。

使い始めてから、もっと早く買えばよかったと後悔した。やりたいことは、ここにあった。おかげでグッと自分のイメージにより近いトー

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わたしとカメラ 5

わたしとカメラ 5

思い出話、「わたしとカメラ 4」の続きになります。

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そこから超広角レンズや持ち歩きやすい単焦点のパンケーキレンズ、いくつかのレンズを試してみた。レンズが変われば世界が変わった。でもその世界の全てがしっくりくる訳でも無かった。

これしかない、そう思うくらいに気に入って。このカメラを使っている間の主力となったのは、換算100mmの単焦点マクロレンズだった。

通称「神レンズ」と呼ばれ

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わたしとカメラ 4

わたしとカメラ 4

思い出話、「わたしとカメラ 3」の続きになります。

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何年かフィルムカメラでのんびり写真を撮り続けた。

けれど、だんだんと物足りなくなってきた。「こんな風に撮りたい」と思っても、今のカメラでは出来ることが限られていることに気づいたからだ。

色味の調節が自分ではできない、交換レンズを持っていないので常に同じ画角、マニュアルフォーカスではピント合わせが難しい場合がある…小さな

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わたしとカメラ 3

わたしとカメラ 3

思い出話、「わたしとカメラ 2」の続きになります。

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ただし使っていたPEN-FTは、なかなかのじゃじゃ馬でもあった。

露出計の付いたモデルだったけれど、自分が手にした時にはすでに故障していたので。使いこなすには、多少の苦労が必要だった。

絞りとシャッタースピードは周囲の明るさと露出のバランスを意識しながら、毎回環境に合わせて…壊れた露出計の代わりに自分の頭をひねりながら変える必

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わたしとカメラ 2

わたしとカメラ 2

思い出話、「わたしとカメラ 1」の続きになります。

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当時カメラのことはさっぱりだったので、そのカフェに全てを持ち込んで。趣味でやりこんでいるという男性に、どれを使うのが良いのか選んでもらったのだけれど。一通り手に取った後、彼が選び取ったのはオリンパスのPEN-FTだった。

「これは良いカメラだよ」
その瞬間から、祖父のカメラはわたしの愛機になった。
 

軽く説明を加える

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わたしとカメラ 1

わたしとカメラ 1

カメラとの出会いは遅い方だったと思う。22歳の時、大学生最後の1年でわたしとカメラは出会った。

それまでは写真を撮るということに対して、特に興味も無かったように思う。研修で生まれて始めていった海外でも、半月近くを過ごすというのにたった1台の写ルンですを持って行っただけで。記録に残すよりも、記憶に残せば良い…当時はそんな風に考えていた。

しかし21歳から22歳にかけて、色々なことが変わった。

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