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フィギュアスケート

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リプレイ佐賀公演(初日)の覚え書き

リプレイ佐賀公演(初日)の覚え書き

千秋楽を明日に控えて、とても今さらなんだけど、リプレイ佐賀公演を現地で見た感想をまとめておこうと思う。

* * *

佐賀初日、直前の先着でなんとか手に入れたS席。「テレビやライビュで見るのと現地では、全然違うものだなぁ」と、そんな当たり前のことをしみじみ感じる。薄暗い照明の中で存在感を放つリンク、ひんやりとした空気、そして期待に満ちたざわめき。昔は「テレビ前アリーナで十分、満足」と思っていたけ

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リプレイを今すぐリプレイしたい

リプレイを今すぐリプレイしたい

羽生くんのRE-PRAY、ライビュで鑑賞してきたけどヤバかった…画面越しなのに魂抜けた…全ての記憶が飛んでしまう前に取り急ぎ初見の感想をメモしておく。

リプレイ前半・リプレイ後半・終演後のアンコールの3部構成という印象。

前半は初回プレイの闇堕ち編。椎名林檎さんの「鶏と蛇と豚」で流れる般若心経と共に現れた時の、魔王みたいな衣装が最高すぎた。周囲を犠牲にして得た自由や満たされる欲望、魔王結弦の誕

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「ひとり」という思い、GIFTで差し出された愛

「ひとり」という思い、GIFTで差し出された愛

羽生結弦くんのアイスショーと数々のモノローグを配信で改めて見ていたら、そしてそれに対する感想を目にしていたら。自分がここ数年抱え続けていた、孤独感のことを思い出した。といっても、家族も友達もおり、仕事も人と接するのがメインなので。実際にひとりぼっちだったわけではないし、その人達の誰かに冷たくされたわけでもない。

ただ20年来の仲良しを亡くしたことが、自分が頭で認識しているよりもずっと、しんどかっ

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羽生結弦からの特大の贈り物、GIFT

羽生結弦からの特大の贈り物、GIFT

2023年2月26日、その日人類は知ってしまった。"GIFT"という衝撃を…羽生結弦というエンターテイナーを…

いやいやもうね、思わずこんなことを書いてしまうくらい衝撃的なアイスショーだった。羽生結弦くんのGIFT、東京ドーム公演。ビフォアGIFT、アフターGIFTでは「羽生結弦は凄い」という意識に変化はなかったけれど、アイスショーという概念は大きく変えられたように思う。マジで、こんなショー見た

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羽生結弦、天と地に寄せての覚え書き

羽生結弦、天と地に寄せての覚え書き

「どんなに、どんなにいろんなことを積んできても、どんなに正しいことをやってきても、報われない時は報われないんだなって。でも、きっと僕が表現したかった『天と地と』っていう物語は、勝敗についてはよくないかもしれないけど、あのミスがあってこその『天と地と』だったのかも…」

“羽生結弦 演技後の発言まとめ 3回目の五輪終えた率直な思いは” より

 羽生結弦君の、上記の発言を踏まえて。

 夜の放送でフ

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夢の終わりは始まりで ~羽生結弦~

夢の終わりは始まりで ~羽生結弦~

この人は、想像の全てを超えていく。
羽生結弦のことだ。

今日おこなわれたスケートカナダのフリーで、彼は素晴らしい演技と世界最高得点で優勝を決めた。その時に思い浮かんだのが、冒頭の一文だった。彼はいつだって「終わりはまだここじゃない」ということを示してくれる。

「フィギュアスケートに恋して その3」で書いたように、2011年からずっと彼の演技を見続けてきた。同時代を生きていることが奇跡の

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カザフの英雄に赤い花を

カザフの英雄に赤い花を

若い、まだとても若い、才能ある人の命が失われた。
なんて言葉にしたらいいかわからない、辛い。

昨晩カザフスタンのフィギュアスケート選手、デニス・テンが強盗によって刺殺されたとのニュースが流れた。頭に浮かんだのは、は?とか、え?とか、そういう言葉で。読んだ文字が頭にしみこんでくるまで、しばらく呆然としていた。意味がわからない、わかりたくない、刺殺って、死亡って、なんなん…なんなん…

気がつい

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広島NHK杯の衝撃と哀しみ、決意

広島NHK杯の衝撃と哀しみ、決意

フィギュアスケートの新シーズンが始まる。
つい先日、グランプリシリーズのアサインも発表された。

今年はフィギュア過疎地の地元・広島でNHK杯ということで、随分と期待をしてこの日を待ち侘びていたのだけれど。アサインされた選手の一覧を見て、愕然とした。

推しが、誰ひとり来ない…。

ワールドメダリストのコリヤダ君は当然として、羽生君もビチェンコさんもジェイソンも来ないらしい。(ワールドの表彰台3人

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尊敬できる人は誰ですか?

尊敬できる人は誰ですか?

昔から、この質問に対する答がみつからなかった。

親兄弟、教師、過去の偉人…一般的に挙げられやすいのはこういった人物だろうか?だけれどもいずれも自分にとって「尊敬する相手」と言い切るには、しっくりこない相手だった。

しかし7年前から、胸を張って「わたしの尊敬する人です」と言える人が出来た。それが今回の平昌オリンピックで連覇を成し遂げた羽生結弦選手だ。

素晴らしい技術、高い表現力、彼が成した様々

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男子シングル、選手紹介 〜フィギュアスケート〜

男子シングル、選手紹介 〜フィギュアスケート〜

平昌五輪、ついに開幕しましたね。

フィギュアスケート団体戦・初日が終わっての感想は「オリンピックの魔物、こわっ!!!」でした。男子はまさかの大崩れをする有力選手達に震える中、宇野昌磨選手の強心臓が引き立ちました。ペアではロシアのタチアナ・モロゾフ組が圧巻の演技、競技に詳しくなくとも「これはすごい!」と思えるような素晴らしいパフォーマンスに大興奮。

そして、いよいよ男子の試合もあと1週間とな

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そうだ、この人は羽生結弦だった

そうだ、この人は羽生結弦だった

先月末あたりからちょこちょこと羽生くんの特集番組をやっている。それらを見ていたら…今シーズン、怪我以降からずっとひっそりとどこかに存在していたそこはかとない不安がいつのまにか消えていた。

羽生結弦くんのどこが良いかって。勝ちたい、1番強いのは自分でありたい…という気概が半端なさそうな所が良い。それをハッキリと口に出し、その為にひたすら頭を使い、努力をする。Twitterでもつぶやいたけれど、

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フィギュアスケートTV観戦案内(男子シングル)

フィギュアスケートTV観戦案内(男子シングル)

フィギュアスケートを見るのが好きだ。

それを知っている友人から時々、「テレビで見ていたけれど、なんでこの選手が勝ったのかわからなかったから教えて」と尋ねられることがある。

フィギュアスケートというのはスポーツであるだけでなく、その美しさから人気のある競技ではあるけれど。たしかに好きで見ている自分であっても、まだまだ細かい採点基準の把握は難しい…という競技でもある。

だけれども、テレビや新聞で

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フィギュアスケートに恋して ~その5~

フィギュアスケートに恋して ~その4~ の続きです。

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ここから先は皆さん知っての通り。紆余曲折を経て彼は五輪王者となり、歴代最高得点を何度も叩き出し、そして今また新たな挑戦に向かっている所だ。

来年2月のオリンピックに向けて彼を追う若いライバル達、これまでに無い熾烈なジャンプ争い。立ちはだかるのは若手ばかりではない、彼の1番の敵は過去の自分自身。

歴代最高を叩き出したプログラム

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フィギュアスケートに恋して ~その4~

フィギュアスケートに恋して ~その3~ の続きです。

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このシーズンの彼は、本当に魅力的だった。
一試合毎に成長が目に見えて、全く同じ失敗は繰り返さないようにしているのが見ている方にも伝わってきた。言葉にするのは簡単でも、結果をもって見せるのは簡単な事じゃない。

客観的な視点がもたらす細かな分析や、合理的な対処ができる頭の良さ。そして人を惹きつけるパッション。その2つを兼ね備えてい

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