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さよならは、突然に

一時期、ハンドメイドでアクセサリーなどを作ることにハマっていた。

思いつきを形にすることが楽しくて、色や素材の組合せを考えることが楽しくて、何年か夢中になってあれやこれやと作っていた。

それはいつでも自分にとって新しいチャレンジで。
やったことのないことをを試してみる、その連続で。

4~5年の間は、飽きもせずに様々な材料を買い集めては「こうしたい」を形にすることを続けていた。

販売戦略的に考えるなら。ウリを決めて同じ製品でバリエーションをつけて展開したり、ブランドとしての統一感を持たせたり。そういうことが必要だったのだろうけれど…

どうにも性分的に同じようなものを作り続けるということが出来ずに。


ドライフラワーの可憐な雰囲気に夢中になった時もあれば。

レザーに触れてみたい、アンティーク風の加工がしてみたい、ワイヤーワークがしたい、オリジナルのパーツを作ってみたい、サンキャッチャーを作りたい、14kgfで繊細なアクセサリーを作ってみたい…

その時その時の思いつきで。

それはもう、気の向くままに作ってきた。


しかし、そんなにも夢中になった趣味にも飽きる日は来る。
ここ1~2年程は風景写真を撮るのがまた面白くなってきて、ほぼ何も作っていなかった。

そして1週間程前、ふいに「もう、あれもこれも手放してしまおう」という閃きが降りてきて。制作した物で販売用にアップしていなかった在庫のうち70~80点を、友人知人に「欲しいものがあったら自由に持ち帰って!」と配りまくった。

これがめちゃくちゃ楽しかった。

持って行く前に会う人のことを思い浮かべて、「この人、こういうの好きそう」「彼女がつけたら似合いそう」「これを選んでくれそうな気がする」とセレクトした物は、大体その本人が持って行ってくれたし…
そうでなくとも、気に入った物をその場で身に着けてくれたりすると。「アクセサリーは単品で見るのもかわいいけど、人が着けるとなお良いね!!」とテンションが爆上がりした。

どれがいいかと選ぶ姿は楽しそうだったし、身に着けてにこにこしてくれるだけで明るい気分になった。

我が家の引き出しで眠らせておくよりも、この方が何倍も良かった。もっと早くこうすれば良かった、と思った程だった。(とはいえ、作った直後は注ぎ込んだ時間とお金を考えてしまうだろうから…こんな大盤振る舞いはできなかったかもしれないが。)


心境とはこんなにも突然、何の前触れもなく変化するのだということにびっくりした。ちょっとだけ「自分死なないよね…?」とも思った。(死期を無意識に悟った人が…的な、怖い話によくあるやつを思い出して)

でも、とにかく今はすがすがしい気持ちで一杯だ。
まるで会社を辞める日のように、満面の笑みでさよならが言えそうな気分。

"断捨離ハイ"とはこういう感覚を言うのかもしれない。


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今日はどうでもいい近況のお話。
ちなみに会社を辞める日に「いつになく良い笑顔なんじゃけど…?」と突っ込まれたことがあるのは事実。

 

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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!

ユルリラム
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