わたしとカメラ 3
思い出話、「わたしとカメラ 2」の続きになります。
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ただし使っていたPEN-FTは、なかなかのじゃじゃ馬でもあった。
露出計の付いたモデルだったけれど、自分が手にした時にはすでに故障していたので。使いこなすには、多少の苦労が必要だった。
絞りとシャッタースピードは周囲の明るさと露出のバランスを意識しながら、毎回環境に合わせて…壊れた露出計の代わりに自分の頭をひねりながら変える必要があった。背景をぼかしたければ、それも考慮した上でまたシャッタースピードを調整しなければいけない。
オートフォーカスがなくピントを合わせるのも手動だったので、動くものを撮るのは難しかった上に。付いていたのはズームではなく単焦点レンズだったから、撮りたいものに合わせて自分が忙しなく動き回る必要があった。
とにかく、手のかかるカメラだった。
だけど、そこには。
全てが道具任せとなる写ルンですにはない面白さがあった。自分でピントを合わせる場所を決め、どれくらいのぼかしにするか考えて、明るさも選択する。「何を撮るか」だけではなくて、「どう撮るか」を自分で選ぶことができる。
それが、自分の心にしっくりきた。
デジタルカメラが一般的にも使われ始め、ようやく携帯にもカメラ機能が搭載された時代でもあった。このすぐ後に、デジタルのコンパクトカメラも手にした。でも1966年に生まれたこのフィルムカメラとの付き合いは長く、その後7年に渡っての自分の相棒となった。
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