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小鳥とバナナで写真を撮る

「板とバナナで写真を撮る」の続きになる。

地味と紙一重なシンプル写真が何だか物足りず、逆の方向性で撮りたくなったのでセッティングを変えてみた。

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ポイントにするのは、お気に入りの文鳥フィギュア。生きた鳥は怖いけれど、鳥モチーフは結構好きなのだ。それから鳥に合わせて自然を感じさせるような、ドライフラワーを周囲には配置して。異素材ミックスが好きなので、リネンタオルもそっと添えてみる。

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小鳥はバナナに気を惹かれてやってきたかのように、フォークの上に配置してみたけれど。時々足を滑らして器の中にダイブするおかげで、気が抜けない。

そして横構図だと、背景に机が写り込んでしまうので。それを隠すために、グレーのジョーゼット/バスケット/リネンタオルとレース…と色々置いて撮り比べてみる。

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興味の無い人間には些細な違いでも、興味のある人間にとっては大きな違いとなるのが趣味の世界。こうやっていちいち比較してみる作業が、とても楽しい。

ここでちょっと、小鳥の位置を変えてみようかと思い立つ。

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ドライフラワーの上はフォーク以上に足場が悪かった。何度も何度も何度も転げ落ちてくるけれど、めげずに何回だって置き直す。やりたい、という気持ちは粘りを生み出してくれる。

あと地味に大変だったのが、バナナと小鳥と両方にピントが合うような配置。ここに起きたい、と思っても足場が悪くて落ちてしまうし。じゃあ…とドライフラワーの位置を変えると、構図のバランスが悪くなる。あれもダメ、これもダメ、んもー!となりながらも試行錯誤を続けるしかない。

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ここまで撮ったところで、「レンズを変えてみよう!」と思い立った。これまで使っていたのは、EF24-70mm F2.8L II USM。良いお値段がするだけあって、仕事では心強い相棒レンズだ。しかし使い勝手は大変に良いのだけれど、実は描写が少し好みとは違う。

なので、写りが好きな EF135mm F2L USM にレンズを変更してみる。

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ちょっと戻って、この2枚を見比べてみて欲しい。
構図も近く、カメラ側の設定・絞り・シャッタースピードの全てが同じで。現像時の補正もほぼ同じなのだけれど。色の出方やコントラスト、シャープ感などが微妙に違う…というのがわかってもらえるだろうか?望遠寄りの135mmの方がボケ感もあり、色合いやコントラストも相まって全体的に柔らかな雰囲気に仕上がっている。

これが単焦点とズームの違いか、というとそうでもないように思う。前に使っていたタムロンの標準ズームと比べても、EF24-70mm F2.8L II USMはコントラストやシャープが若干きついような気がするのだ。ただ値段が10倍近く違うだけあって、全体的な使用感は断然EF24-70mmの方が良い。

…と、少し話が逸れてしまった。
せっかくレンズを変えたので、小鳥以外のバージョンも撮っておくことにする。

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少し画がうるさいかな?と、微妙に構図を変更。

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135mmは望遠カテゴリに入るレンズなので。真上からだと椅子の上に乗って撮っても、少し寄り気味の写真になる。

同じように椅子の上に立って撮った、ズームの65mmでこれくらい。

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描写の好みはあれど…大抵の場面に対応できて、かつ一定のクオリティを保ってくれるEF24-70mmはやっぱり便利だ。

ただ135mmの、シャープだけれど繊細な描写や柔らかな雰囲気に。不便さを超えた愛が生まれてしまうのは止められない…

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セラピストの勉強をしていた頃は、「この施術でウエストの位置が変わったのわかりますか?」「ヒップが持ち上がってますよね?」みたいな見比べに「…?」となっていたのに。不思議と、自分の扱うレンズの微妙な違いはわかるのだ。

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135mmは何百枚もの単焦点レンズの作例を見比べながら、「これしかない」と選んで買ったレンズなので。思い入れがあるせいかもしれない。

…と、そんなこんなで夢中になって撮っていたら2時間半が経過していた。気づけばバナナの上に振りかけた、おろしライムの色もすっかり褪せている。そして仕事部屋にはエアコンがないせいか、なんだか熱中症の気配も漂っているような…?

いやしかしテーブルフォトを撮り始めて、写真が楽しくて仕方がない。まるで初めて一眼レフを手にした時みたいだ。どこまでいっても奥行きのある、カメラという趣味の幅広さ…最近はそれを改めて実感している。



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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!

ユルリラム
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