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来てみんさい、広島へ 1 <海景>

高知に行って、初めて太平洋を見た時に驚いた。

海に、何も、ない。すんごい広い。
遠くに水平線が見える、何の邪魔もなしに。

これを当たり前にして、育ってきた人たちがいるのだなぁとなんだか不思議な気持ちになった。

瀬戸内は違う。小さな島々が、そこかしこにあって。


電車の車窓から見える沿岸部には、牡蠣イカダが浮いていたりする。


だからだろうか。
太平洋のように、"海の向こう"を強く意識させられたりはしない。

山に登れば、天気の良い日は四国まで見える。
そんな風に言われたりしていて。

まだ見ぬ海の向こうに、未知の世界を想像して…などという余地もない。


昔は目に入る海と島を、ただただ地味な風景だと思っていて。

せっかく海があるんなら、沖縄やハワイみたいに青くて綺麗なのだったらよかったのに。なんて、思っていた。


ただ年を重ねるにつれ、違うものに触れ。
これはこれで、広島らしい心の落ち着く風景だなと思うようになった。

見慣れ、馴染んだ風景に愛しさを感じる。
これが年を取るという事の効用の1つなのかもしれない。

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