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幼い日のバレンタイン

フィギュアスケートに夢中ですっかり頭から抜け落ちていたけど、今日はバレンタインデーだ。それに纏わる他人のツイートを眺めていたら、嫌な思い出がひらりと蘇ってきた。

小学校1年生の時のことだ。バレンタインが近づいてきたある日、グループのリーダー格の女の子が好きな人の話をふってきた。それは「わたしはこの子が好き、だからあなた達は違う子を選んでね!」というバレンタイン当日にライバルを発生させない為の、あからさまな牽制だった。

当時は好きな男の子なんていなかった。でもそう言っても、全く信じてもらえない。むしろ「もしかして、わたしの好きな男の子に抜け駆けするつもり!?」と責められた。面倒臭くなったので「恥ずかしいから内緒にしておきたかった」と、いかにもしぶしぶ話すといった演技付きで誰とも被らない男の子の名前を適当にあげた。どうでもよかった。

失敗したかな、と思ったのはバレンタイン当日だった。仲間内で「放課後、みんなでチョコを渡しに行こう」と決まってしまったのだ。チョコを準備する所まではまぁ良い、しかし全く好きでもない相手に渡さねばならないのが面倒でしょうがなかった。友達に合わせて、彼女の好きな男子と同じグループの子の名前を出してみたのだけれど…ちっとも仲良くない上に、ちょっと乱暴なタイプのグループだ。素直に受け取ってくれそうもない。

今はもう、その時チョコレートをちゃんと渡せたかどうかはよく覚えていないけれど…男子たちにからかわれたり本人も別に喜んではいなかったことだけはハッキリと覚えている。全てにおいて腹立たしい思い出だ。

ちなみにグループのリーダー格の女の子にはその後、向こうの勘違いからの無視だの偽ラブレターだのの嫌がらせを受けたので。それも込みでますます不愉快な記憶になっている。6年まで同じクラスだったけれど、クラス替えの機会に別の友達を作ってしまってからは彼女とはもう口もきかなかった。

* * *

こうやって振り返ると、幼い時から性格というのはあるなと思う。「面倒だから適当に話を合わせておこう」と考える所なんて、いかにも自分だ。

だからといって、いじめられた時は無理に合わせようとしないのも自分だ。言ってもいないことを言ったと罵られ(犯人は別にいた)、否定はしたけれど適当に謝ることはしなかった。間違ってもいないのに謝って、元々好きではなかった子達と無理にいるよりも1人でいる方がよっぽど良かった。(先生には心配されたけれど)頑固な性分なのだ。

そして散々な初めてのバレンタインだったけれど…今になってみれば大切な経験だったと思う。「面倒だからとあまりに適当なことを言うと、大変なことになる」「本当に嫌なことなら断ってしまえ」という教訓が、幼いうちに得られたのだから。

ただ好きでもない相手に「あいつは俺のこと好きだった」と思われただろうということだけは、今でもちょっとだけ癪な気分だ。



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フィギュアスケート団体戦、テサモエの情熱的なダンスにチームカナダの絆、そしてパトリック・チャンの悲願の五輪金メダルGET(これで遂に全ての金メダルコンプリート!)に浮かれていました。おかげで書くことが、すっかり疎かです。

昨日はソチの男子シングルの録画を見直していた程に、このオリンピックシーズンは浮かれているので…少なくとも男子の試合が終わるまではたぶんTwitterに夢中。

金メダルに手がかかる候補は何人もいますが、「いかにクリーンに滑るか、ミス無く自分の演技が出来るか」がカギ。その勝負の行方にハラハラし、「羽生君なら…」とワクワクして。オリンピック独特の空気に存分に酔っています。いよいよ明後日!楽しみです!!

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