見出し画像

母を亡くした日の朝に

先日に続いて、もうひとつ夢の話をしてみよう。
母が亡くなった日の早朝にも、夢を見たのだ。
 

実家のある地元の駅の目の前に何かの受付のような建物があり、そこに長い行列ができている。なんだろうと思いながら何の気なしにその側を歩いていると、列の後方に母と母方の祖母の顔をみつけた。

しかし祖母はとっくの昔、20年も前に亡くなっている。だから「こんなこと、ある訳がない」咄嗟にそんな考えが頭を過ぎる。けれど改めてまじまじと眺めてみても、それは間違いなく母と祖母の2人だ。

驚きのまま2人の側に駆け寄った。うん、やはり母と祖母だ。母は病院に居る姿とは全く違い、心なし若返ったようで。きちんと化粧をして良い服を着てとても健康そうに見える。

そんな母に向かって「お母さん、お母さん」と呼びかける。しかし母は声は聞こえているようなのに「なぜ呼ばれているかわからない」といった風情で、反応が鈍い。一方で母を挟むように立っていた祖母と、もう1人の年配女性は「事情はわかっている」とそんな顔つきをしてこちらを眺めて…

そこで、目が覚めた。
 

その日は母が倒れてから、ちょうど7日目の朝だった。コンタクトや着替えといった必需品を取りに、隣の市にある自宅に帰ってきていたのだけれど…まるで何かの知らせのような夢だと思った。

朝になると、案の定というべきか「今日の午前が危ないと看護士さんに言われた」と父からメールが入ってきた。そしてその日の昼前に、母は息を引き取った。

列の順番が来たのだろうか、と夢の残滓が頭を過ぎった。



*************
夢なのか、虫の知らせなのか…今でもふと考えてしまいますね。
 
スキ・フォロー・クリエイターサポート、すごく嬉しいです。
書く励みになってます、ありがとうございます!


サポートはたぶん、うちのかわいいワルチーズのおやつか好物のささみに化けます…!