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羽生結弦は進化を止めない

「進化のスピード」というのが、自分にとっての羽生結弦の魅力のひとつだと思っている。こちらの想像を軽々と超えていく姿、気がつけば想定を超えたものを見せられている驚愕、ファンの方々なら覚えがあるのではないだろうか。考える力も実行力も半端なく、凡人の想像力など軽々と超えてどんどん進化していく様は、あまりにも魅力的だ。

その一方で、得るものの大きさに見合うだけの苦しみや大変さも伝わってくる。しかし自分なら想像しただけで無理だと思ってしまったり、心が折れてしまったりするような、そんな高い壁に対しても。彼は思考と不断の努力で、たとえ苦心惨憺しながらであろうとも戦うことを辞さない。その様はただただ尊敬に値するし、恐ろしく格好良い。

決して軽々とそれらを乗り越えているわけではないことは、伝わってくる。だけれども常人からすればあまりにも速いスピードで、先へ先へと進み続けていて。見ていて心配になった日もあれば、その痛快さに「それでこそ羽生結弦!」と膝を打ちたくなるような日もある。「まるで少年漫画の主人公のようだ」とかつてはよく形容されていたけれど、本当にそんな人なのだ。


"→RE_PRAY←"というツアーの良さは、その「進化していく魅力」が競技時代と同様に味わえたこともあると思っている。このおよそ半年の間に、どんどんブラッシュアップされていく演技や演出にはワクワクさせられたし。何より佐賀から横浜での、そしてさらには宮城公演での、短期間での凄まじい変貌には心底驚愕させられた…というファンは自分の他にもきっと大勢いるだろう。


年明けに放送した密着ドキュメントで流れた、舞台裏で苦しげに息切れしている姿や。佐賀初日を現地で見た直後は、(やはり単独ショーというものは負担が大きいのだろうな…)と感じていた。
しかし羽生結弦という人は、やはりこちらの想像なんて軽々と超えてくる。なんと1日6時間程のトレーニングに、その内容自体も大きく見直すことによって。佐賀から横浜公演までの1ヶ月程という短い期間で、「俺にそんな心配など不要だぜ」と言わんばかりの見事な仕上がりっぷりを見せつけてきたのだ。
そして佐賀ではあんなにもハラハラした"破滅への使者"でノーミスでの演技を披露し、祈るような気持ちでライビュ画面見つめていた自分を最高潮の興奮へと突き落とした。

それどころか追加公演の宮城では(横浜千秋楽であれだけのものを見せてしまったら、さすがにそれを超えるのは難しいだろうな…)なんていう、こちらの想像を軽々と上回って。演技も構成も、さらに一段上のものを見せられるという羽生結弦っぷり。まさに「羽生結弦は進化を止めない」という事実を突きつけられるような、最高のツアーの締めくくりだった。

羽生結弦の「常にさらなる高みを目指す」というその姿勢、やっぱり何よりシビれるし憧れる。彼の100分の1でもいいから、自分もこうありたいし。その意識を忘れてはいけないな、と思った。




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先日発売されたばかりのクワドラプルアクセルの冒頭のインタビュー記事を読んでいたら、思わず言葉が湧いてきたので覚書き。羽生くんも、そしてインタビュアーさんも最高すぎた!
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