ハナムラ タケ子

30代後半の女性。肩書はないのに、肩ばっかり凝るようになりました。2週間に1回、何かし…

ハナムラ タケ子

30代後半の女性。肩書はないのに、肩ばっかり凝るようになりました。2週間に1回、何かしら更新できたらいいな、なんて思っています。

マガジン

  • ふむふむ・エブリデイ

    時に世を救うのは、お腹を満たさないものだと思う。本とか映画、音楽など好きなものの記録。考察とか難しいことはできない。本当にただの感想文

  • ま、こんな日もあるって

    良いことも悪かったことも、嬉しいことも悲しいことも、皆時が経てば過ぎてゆく。だから一瞬一瞬がかけがえのないものなのだと思う。日々のエッセイ、たわいもないことの記録。

  • 生きてる限り、腹は減る

    どんなに嫌なことがあった日でもお腹はすく。 生きることは食べること。昨日何食べた、今日何食べよう、そんな食事にまつわる記録。

最近の記事

また来年、桜に会う日まで

「桜が散って欲しくない、もう少し咲いている姿を見ていたい」  例年より遅く咲いた近所の桜をそれはそれなりに楽しんだはずなのに、桜吹雪を見るとなんとも淋しい思いがこみあげてくる。淋しさゆえに少々わがままになっていて、それはまるで「じいちゃん、ばあちゃん、帰らないでよぅ」と玄関先でわんわん泣き叫ぶ幼い子どものようだ。 ふつふつとわくそんな気持ちを落ち着かせるように、先日、御室桜を見に仁和寺へ行った。  御室桜は、京都の中でも咲き始めるのが最も遅いといわれる遅咲き

    • あ、野菜焼くのも悪くないかも

       夜。仕事から帰ってきて冷蔵庫をあけると、半端に余っていたキャベツが目に入った。その半端な大きさというのが、手のひらよりも少し小さいぐらいのなのだが、なんだかそのために包丁を出し、千切りにするのはとても面倒くさい。 さてどうしようかなと悩んでいたところ、「夜ご飯にレンコンをそのまま焼いたら美味しかった」という山口祐加さんのVoicyの話を思い出し、「そうだ、キャベツをそのまま焼こう」と思い立った。 温めたフライパンにごま油を垂らし、芯ごとキャベツを投入。油が結構な勢いでは

      • 「駆け込み寺」があるということ

        大学生のとき、悩みがあるとわたしはよく祖母の家に行った。この頃の悩みというのは大体母との関係で、わたしにとって「母親」という存在は絶対的で逆らえない存在だったから、「自分がこんなことで悩んでいるということさえ、許されないんじゃないだろうか」とか、「否定されるんじゃないだろうか」とか、「自分は自分の意見さえ持ってはいけないんじゃないんだろうか」ということでいつも悩んでいた。 「今から行っていい?」とひとことだけメールをして祖母の家に行くと、祖母はいつもにこにこして、わたしを

        • 楽しみは、水曜日の午後にとっておこう

          桔梗信玄餅がめっちゃ好きだ。といっても、お土産でもらったものを3回ぐらいしか食べたことがないので、本当は「めっちゃ好き」なんて言ってはいけないのだろう。うん、厚かましいと思う。なんかごめん、うすっぺらくて。それでも「桔梗信玄餅買ってきました」と言われると、ナイス、と心の中でガッツポーズをしてしまう。 まず、あの風呂敷を模したビニールの包み紙につつんでいるのがいい。それから、つまようじにもちゃんと箸袋ならぬ、つまようじ袋が丁寧についているところも。これは何かに似ている…そうだ

        また来年、桜に会う日まで

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          16本

        記事

          ちょっと青空の見えない日が続いているだけだから 【2月後半】【できごと日記#4】

          花を咲かせたい 近所の散歩コースを歩くと、インターナショナルスクールの保育園の前を通る。その保育園にはカラフルな遊具があって、晴れていれば時々先生と生徒のにぎやかな英語の会話が聞こえてくる。けれど今日はあいにくの雨。代わりに部屋の中から木琴の音が聞こえてきた。 ポンポーンポン、ポンポーンポン、ポンポーンポン、ポン、ポン。 木琴の音が、複雑に重なりあっている。 知っている曲だった。 良い歌だなあ、と思って、家に帰って何回も何回も、繰り返し聴いた。 けれど、ちょっと思

          ちょっと青空の見えない日が続いているだけだから 【2月後半】【できごと日記#4】

          樋口愉美子さんの作品展でうっとりしてきた

          刺繍作家・樋口愉美子さんの作品展に行った。 樋口さんの本は数冊持っているけれど、本当にどれも画集を見ているように、美しい。 「美しい」といっても、良い意味で「崇高」とか「近寄りがたい」という畏れ多い感じではない。すぐそばにあるものを愛でるような、面白がるような視点で、「ありのままに寄り添っている」感じの美しさだ。 普段なら見落としそうなものを、樋口さんは刺繍でキラキラ輝かせてくれる。 今回、『樋口由美子 暮しの刺繍』の発売を記念した展示会だったのだけど、樋口さんの刺繍

          樋口愉美子さんの作品展でうっとりしてきた

          応援したいラーメン屋さん

          安くて美味しいラーメン屋さんに、3年ぶりぐらいに行った。 職場の人に教えてもらった昔ながらのたたずまいのラーメン屋さんで、「ここのラーメンなんか好きなの、なんかね」と彼女は言っていて、どういうことなのだろう、と思っていた。 初めて行ったのも確か冬だったと思う。商店街の一角にある、こぢんまりとしたお店で、店内に足を踏み込むと、ピンポーン、と音が鳴った。 「はーい」と少し腰の曲がった、可愛らしい店主の女性が出迎えてくれた。わたしはカウンターの席に座って、メニューを見た。

          応援したいラーメン屋さん

          1月前半【(仮)毎日に期待しすぎないように気をつける日記#3】

          ⭐︎⭐︎⭐︎ 久しぶりに星野源のオールナイトニッポンを聴く。本来なら収録の予定だったそうだが、急遽生放送になったらしい。 「ニュースを聴いて不安になると思います。それでいいんだと思います」 「一緒に不安になりましょう」 と源さんはラジオから呼びかけていた。新年早々こんな自分だけぬくぬくとお正月モードでいいのだろうかと思う気持ちやら、心苦しい気持ちやら、不安やらでいっぱいだったのが、源さんがそう言ってくれたことで、「ああー、このまま不安でいいのか」と思えて、ちょっと気が楽にな

          1月前半【(仮)毎日に期待しすぎないように気をつける日記#3】

          12月後半【(仮)毎日に期待しすぎないように気をつける日記#2】

          この日記の概要 なんか書きたいのに書けない。けれどなんか書きたい。なんていうの、この気持ち。自己顕示欲?自己期待?きっとわたしは毎日に期待しすぎてしまっている。毎日面白いことなんて起こらないけれど、きっと書いていれば面白くなるに違いない、と思って書く。 ⭐︎⭐︎⭐︎ 昼食後、上司が前日に持ってきてくれたチョコレートを食べる。一口食べて、思わず「うま」と目を見開いてしまった。 わたしが食べたのは抹茶のチョコレートタルトだったのだけど、抹茶の味が濃厚で、金粉がちらちらかかっ

          12月後半【(仮)毎日に期待しすぎないように気をつける日記#2】

          12月前半【毎日に期待しすぎないように気をつける日記】

          なんか書きたいのに書けない。別に仕事じゃなくてもいいから書かなくてもいいのだけど、なんか書きたい。なんていうの、この気持ち。自己顕示欲?自己期待?多分、わたしは毎日に期待してしまっている。毎日面白いことなんて起こらないけれど、自分のために書こう。なんだか恥ずかしいけれど、きっと書いていれば面白くなるに違いない、と思って。 _______________ 朝起きてすぐ、ウォーキングをした。 そのあと唐揚げと目玉焼きを食べた。 唐揚げは「朝から揚げました!」 …ンなわけがなく

          12月前半【毎日に期待しすぎないように気をつける日記】

          三人、三十三間堂

          11月の半ば頃、父と母と京都の三十三間堂に行った。わたしは初めてだったが、父と母は結婚前に一度行ったことがあるという。 「三十三間堂に行くと、邪気を払ってくれるらしいですよ。もうね、神仏に頼むしかないときありますもんね」 10月の終わり、美容院でなぜか、「どうすれば邪気をとり払うことができるか」という話になり、美容師さんがこんなことを言っていたのが頭に残っていて、「いつか三十三間堂に行けたらいいなあ」とぼんやり思っていたのだ。 三十三間堂は、正式には蓮華王院(れんげおう

          三人、三十三間堂

          サンタさんから手紙が届いたことがある

          フィンランドのサンタさんから手紙が届いたことがある。   小学生のときだ。 通っていた英会話の先生が、「わたしが送っておくから、サンタさんに手紙を書きましょう」と、まるで隣町のおじさんに手紙を書くような感覚で言い出したので、生徒4人で、せっせとハガキを書いた。 何を書いたのか全く覚えていないが、Hiとか、My name is Takeko とか、わたしの欲しいもんくれとか、そんな簡単な内容だったと思う。 先生に書き方を教えてもらって、先生は皆の分のハガキを出してくれた

          サンタさんから手紙が届いたことがある

          歩く 

          朝起きたら顔を洗って、日焼けどめを塗って、歩く準備をする。 いちに、いちに、となんとなく屈伸をして、なんとなく膝をぐるぐる回して、(ご存知の方は、ぐるぐるぐるぐるグルコサミン♪のCMを思い出してほしい)ドアを開ける。 右ポッケにはお守り袋、左手にはスマートフォンを持って。 「行ってくる」 家族にこの一言だけ唐突に伝えても、最近はわかってくれるようになった。 外に出ると、輝く朝日がパアーッと目に入る。 このドアを開ける瞬間が結構好きだったりする。 ⭐︎ いちに、いち

          ついたち

          わたしの母は、月初めに近くの神社に行って、お詣りをする。 それを聞いても、今まで「ふーん」としか思っていなかったのだけど、今はこうやって想ってもらっているんだなあ、ありがたいなあ、と、じんわり胸があたたかくなるばかりだ。 今日は11月1日。全部「1」だから、何か縁起がいいなと思って、書いてみたくなった。 今までとてもひとりで居られる状態ではなく、お金を入れて実家に帰っていたのだけど、最近はひとり暮らしの家に帰る日を決めて、週1回ぐらいの頻度で帰れるようになっている。不安

          お化け屋敷とあたたかいお家

          つづき。 お化け屋敷から抜け出せたのか、はわからない。 でも空が青い、とは言えない、ような気がする。 今はお化けたちは追っかけてこないけど、まだ追っかけてくるような、気がする。 もうこの時点で2回も「気がする」を使った。 何もないのに、過去の話だ、と思っても、まだとらわれ続けている。 考えても仕方のない未来のことにも、とらわれ続けている。  ⭐︎ そもそもお化け屋敷の怖いお化けたちは、わたしが勝手に妄想し、つくりあげたものたちだった。彼らだって、メイクや衣装を変えれ

          お化け屋敷とあたたかいお家

          怖いんだ、まだ、でも

          今日は少し調子がいいので、書いてみようと思う。 この3ヶ月ほどで、がらりとわたしの見る景色は変わってしまった。 例えるならこうだ。 遊園地に行って、訳のわからない風船を持ったうさぎに誘われて、お化け屋敷の中に入ったけれど、そのお化けたちが想像以上にやたら本気出してきて、ほんまのお化けちゃうんかなと思うぐらいリアルで、毎日毎日そのお化けたちに追いかけられて「うわああああああああああ」と言いながら、出口の見えない暗闇のなかを歩く。そんな感じ。いつお化けに襲われるかわからないか

          怖いんだ、まだ、でも