見出し画像

最強スモールチームを支えるITサービス(非営利団体向け)

1.前提

マガジンの概要欄にも書いていますが、本稿の目的は、IT活用のノウハウをシェアすることです。法人、非営利団体、個人を問わず参考にしていただける部分がありますが、本稿は特に、私の経験値がある非営利団体をターゲットにして低コストであることを条件にしたいと思います。

ある程度資金をかけられる企業担当者には、逆に参考にならないかもしれません。

2.非営利法人向けプラン

ITサービスを提供してくれているいくつかの企業には、非営利法人をサポートする素晴らしいプランがあります。それらの情報をまとめている「TechSoup(テックスープ)」というグローバル展開の取り組みもあります。ITサービスの非営利法人向けプランを利用するにはTechSoupへの登録が必須となっているものも少なくありません。ちなみにTechSoup自体も非営利団体です。

ここで紹介するツールは、非営利法人でなくても利用する価値のあるものですが、特に非営利法人の方にはマストと言える情報です。

なお、ご存知の通り非営利法人にも種類があります。あなたがNPOの運営者なら、おそらくもっとも多くの非営利プランを利用することができます。あなたが、比較的設立の簡単な一般社団法人(非営利型)の運営者であっても多くの重要なツールは優待で利用することができます。(ちなみに私が運営しているのは一般社団です)

3.導入すべきツール

G SUITE(Google)
言わずもがな。GmailやDrive、Calendar、Photoなど事業運営するうえでマストのツールが揃っています。無料版Googleでもかなりのサービスが利用可能ですが、企業ユースではやはりG SUITEです。表面的には独自ドメイン対応が大きいですし、管理コンソールや安定性など多人数で使うにはマストです。Basicプランは1アカウント680円/月ですが、非営利法人ならGoogle for Nonprofitsという素晴らしいプランを使うことができます。

Office 365
以前に比べるとMicrosoft製品を利用しなければいけないシーンは少なくなっているかもしれません。Officeスイート(WordやExcel、PowerPointなど)もGoogleでかなり代用できるシーンが増えました。とはいえ、企業同士ではOfficeアプリケーションのファイルをやり取りするシーンも残っています。ただそのためだけにMS Officeを購入するとなると二の足を踏んでしまうかもしれません。でも非営利法人であればご安心ください。TechSoup経由で有難くも無償利用させていただくことが可能です。

Slack
チームコミュニケーションのもはや定番ですね。皆さんもちろん使ってますよね?MicrosoftのTeamsも強力な対抗馬になっていますし、上記のOffice365のプランでTeamsも利用できるので、正直必須ではないですが、スモールチームではSlackが手軽で機動性もありUIもわかりやすい気がします。実はSlackにも非営利団体向けプランというのが存在します。よほど大きな規模の団体でなければ、250名までのスタンダードプランを何と無償で利用できてしまいます!

Word Press
これは非営利法人云々は関係ありませんが、情報発信には欠かせませんね。最近だとnoteや従来からの素晴らしいツールたちも相変わらず活用できると思いますが、メディア的な発信をするのであれば、Word Pressは押さえておきたいですね。使いこなすのが大変なくらい既存のクラウドサービスとの連携や無数のプラグインがあるので、なんでもできます。(テンプレートやプラグインの良いものは有料が多いですが、当然ですね)

Stripe
事業活動をしていたら決済は100%利用しますね。しかも時代はキャッシュレス。私も一消費者として、現金しか使えない店舗に遭遇するとがっかりします。Stripeは単体でもクレジット決済を特別な準備不要で、クラウドサービスをお試しで利用し始める感覚ですぐに使えます。しかもリーズナブルな手数料で。加えて、WordPressや他の仕組みとAPI連携でシームレスな連携を実現することも勿論可能です。ちなみに非営利団体向けプランはありません。固定費や基本利用料は一切不要なのでそもそも必要ありませんが。

Zoho
知る人ぞ知るインド発のクラウドアプリケーションの雄。企業運営に必要なあらゆるアプリケーションが比較的リーズナブルに提供されています。顧客管理向けのZoho CRMが初期から存在し、利用者が最も多いです。対抗はセールスフォース・ドットコムやサイボウズのkintoneなどでしょうか。あなたの企業規模や導入規模によりますが、コストと機能のバランス、グローバルでの利用者数と成長率(将来性)などを考慮すると、個人的には現時点ベストソリューションではないかと思います。設立&日本展開も20年以上になり、当初はUIがイマイチ感満載でしたが、今は某社以上に洗練されています。また、管理画面がシンプルかつ必要十分でわかりやすいです。最近はZohoOneというオールインワンのソリューションもあります。こちらは、純粋な非営利向けプランはありませんが、パートナー企業がNPO向けのサービスを展開しています。

Mailchimp
メールマーケティングやマーケティングオートメーションといったデジタルマーケティングの分野は、素人ツールに毛が生えたものからAdobe(Marketo)といった大手ベンダのツールまで、玉石混交が激しい領域です。当然、大手ベンダのツールは高いですよね。勿論それに見合う機能は提供されるのですが、スモールチームのタスキとしては長すぎる感あり。かといって、昔ながらのCGIのメール送付ツールではダメ。となると選択肢は限られてくるのですが、多少コストをかけられるならZoho CampaignやZohoOneはありかもしれません。当面配信数が限られていて、無料にこだわるのであれば、HTMLメールや開封ログなど他にもメールマーケティングとしての基本機能が備わっているMailchimpは良い選択です。CRMとの連携はファイルのインポート/エクスポートが必要になるなど、ベストソリューションとは言えませんが、コスト見合いでの判断となります。

ペライチ
クラウドベースのホームページ作成ツール、あるいは簡易CMSツールのジャンルに入るツールです。類似サービスは色々あります。Jimdo、グーペ、Wix、Ameba Ownd、Joomlaなどなど。また、Google SiteやZoho Site、noteやTumblrなども比較対象に入るかもしれません。この分野も非常に競争が激しく、似たようなものがあるので結局目的次第でもあり、また好みや相性などもあるかもしれません。メインはWordPressサイトで、それを補完するランディングページをスピーディにつくりたいというニーズにはハマると思います。ペライチはなんと非営利団体向けプランが(2019.12.8現在新規申込停止中)あります。ただし、ドメスティックなサービスは常に将来性(継続性)の問題が付き纏います。現在WordPressとプラグインで同等以上のことができるのではないかと考えており、移行を検討しているところです。

formrun
正直この手のサービスの競合比較は真面目にやっていません。イケてる某サイトの仕組みをベンチマークする中で、利用していることがわかり参考にさせていただきました。結果的には正解で、やはりいけてるサービスが使っている仕組みも基本的にはイケテます。フォームを画面から簡単に作れるのは無論、エントリーされたデータのプロセス管理やワークフロー管理まで簡単にできます。また、Slackとも連携できるので、エントリー情報も見逃さずチームで対応できます。長く続いて欲しいサービスですね。CRMとの連動などを考えるとZoho Fomsなどを活用する方向性もあるかもしれません。今後の研究課題です。

myBridge
LINEが展開する名刺管理サービスです。業界トップランナーはSansanですが、CRMとのシームレスな連動にこだわらなければmyBridgeが最強の名刺管理サービスです。
現状無料というのも凄いですが、将来的に有料化されても有力な選択肢になると思われます。CRMとの連携を早く実現してほしいものてす。以下のことが無料でできます。
・データのインポート/エクスポート
・複数名での共有と管理
・データの校正登録
Sansanでもできますが無料ではないのと、おせっかいな通知機能などをどう捉えるか。また、Sansanはデータのハブとして企業情報などの連携が充実しているので、資金が潤沢でそこを重視するならmyBridgeは外れます。スモールチームでそこまで必要ない場合は、myBridgeが現時点のベストです。LINEが力を入れてアジア圏を中心に展開しようとしているので、将来性もあると期待思します。

Asana
タスク管理ツール。このジャンルも選択肢が多いです。比較記事も本当たくさんあるので迷います。正直何を使うかよりも、ちゃんと使うことが重要です。
とはいえ、Trello、RMT、Wonderlistあたりを真面目に比較した中でベストワンはAsanaです。違いは若干ですが、タスク管理ツールは使用頻度が高いのでその若干が大きい気がします。大規模プロジェクトに耐えられるように作られているらしいですが、スモールチームでもそれを感じさせない秀逸なUIです。感覚的に使えるので私は一度もヘルプを読んだことがありません。
3階層まで分割できるので殆どのWBSに対応可能です。当然それらをフレキシブルにチームで共有でき、アラートや進捗管理をSlackとも連携できます。Trelloのようなカンバンも使えます。タスクの中でチームコミュニケーションも可能です(私たちはSlackに集約していますが)。有料プランにすることで、さらに高度な使い方ができますが、恐らく余程本格的なプロジェクトマネジメントをしない限りフリーでも十分でしょう。
最近は国産のBacklogという有償サービスがあり、ガントチャートがデフォルトでなかなかのUIで使えますので、資金があれば比較対象になるかもしれません。

Zoom
手軽さを考えると、最近は(2020.5.7)無料化されたGoogleのMeetがベストですが、機能性を考えるとZoomに軍配が上がります。ビデオ会議ツールもまだまだ発展途上で、競合も含めてどれが良いか正直迷います。
対抗は、Skype、WebEx、LINE、Slack、Whereby(旧appear.in)あたりでしょうか?UI的にはSkypeは悪くないです。WebExも悪くはないです。ただ、どちらも過負荷の品質が怪しいです。LINEは電話だけなら良いですが、画面共有しての電話会議には不向き。Slackもまだ品質がダメですが、今後改善されるかもしれません。Wherebyはappear.in時代からTechAcademyなどのオンライン講座サービスでも使われていて、P2Pでの品質や手軽さは秀逸だと思います。だだ3-4名を超えると厳しいかもしれません。
Zoomはセキュリティの問題が指摘されていますが、迅速な対応と最新版での対策がされています。またかなりの部分は設定と運用で対策できます。それでも許容できない場合は別サービスを検討しましょう。

SMARTalk
無料IP電話(アプリ)です。基本料無料でIP電話(050)の番号が持てて、自分のスマホ等で発着信が可能です。こちらも類似は色々あると思いますが、基本料無料が大きいです。

ちまたの会計
ある程度使えますが微妙かもしれません。正直、任意団体向けな気がしています。法人で税務対応まで考えると名前の知れたクラウドツールが良いでしょう。私たちがまだ設立が浅いため評価しきれていません。会計の分野は今後アップデートしたいと思います。

4.未評価の分野

私達の法人でIT化しきれていない分野です。実践的に利用し、評価ができたら情報を追加予定です。
・カスタマーサポート
・請求書管理
・経費管理
・人給管理
・商品関連
・イベントマネジメント
など

5.アップデート

本稿は常にアップデートされていく情報になると思われますので、定期的に追加改廃のアップデートをしていければと思っています。

いただいたサポートは、さらなるクリエイションに循環していきます!きっと誰かの何かに繋がることを信じて。