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蓮ノ空は壮大な社会実験である-1stツアーを振り返って~異次元フェス前夜-

我々が未知の体験をしたと思っている事象は
まだ序の口なのかもしれない

 アニメ版アイドルマスター、ラブライブの放送とそのヒットは大きなうねりを生み出しその後の作品が生まれる土台となった。蓮ノ空はシリーズ後継作品でありながらそれらと同じくらいエポックメイキングな存在になろうとしている。23年4-11月の約半年間とそれを振り返り締めくくる1stツアーはこの想いを強くするものだった。
 自分自身アニメ版アイマスが今のオタク活動に至るきっかけであり、その後出会ったi☆Risもまた自分の人生において大きな意味を持つと同時に「声優アイドル」というカテゴリにおいて先導者たる存在だったことを先日のアニバーサリーライブで再認識した。そんな今だからこそ”今”を生きるこの作品への想いをここに残す。

1stLive Tour~RUN!CAN!FUN!~

 ライブを振り返って最初に思い出されるのが福岡公演後のWith Meets配信で驚くほど加速したコメント欄だ。残念ながらリンクラ上のアーカイブでないとコメントは確認できないがリンクを貼り付ける。

 ファンが増えコメントが読みづらくなってきたと思っていた所、想像を遥かに超える加速度に作品が更に広がったと確かに感じた瞬間だった。6月のBloom the Dreamから作品を知っても作品としてのライブは期間が空いており、まだまだファンも増える途中で取っ付きづらい作品特性も相まって気になるけど触れていなかった層が一気に入ってきたのだろう。東京公演でも近隣の席から「ストーリーやキャラクターのことはまだよくわかっていない」といった声がちらほら聞こえてきた。また演者にとってはこのチームでの客を前にしたパフォーマンス経験値を一気に稼ぐツアーでもあった。公演を重ねる毎にパフォーマンスの精度は上がり、ファンは熱量を上げていった。

瞬間は永遠となるか

楽しいも大切も大好きも そこにある一瞬を永遠にしよう

素顔のピクセル

 5/6参加した中で最後の愛知day1がセンターステージ前の良席で久々の体験をした。小規模/至近距離でのライブで体感したライブ中時間が凝縮される感覚、演者と視線が交差し言葉はなくとも繋がったような不思議な時間それをあの大きな会場で感じることが出来た。良席に集ったツアー最終盤で熱量の上がったファンの動きもこの感覚を引き立てた。
 蓮ノ空は伝統のある舞台で不変と変化という二律背反する状況/感情を際立たせていくのがテーマの一つにある。この一瞬一瞬、一曲一曲、一公演一公演が名残惜しくとも過ぎ去っていくものだからこそ大切で記憶に刻み込まれていく。イレギュラーへの対応も含め蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは10-11月の物語を挟みつつ全6公演を駆け抜けた。

バンナム共栄圏において従順ならざる存在

 異次元フェス参加作品は全てアイマス、ラブライブシリーズでありそれらはバンダイナムコエンターテインメント共栄圏の中にある。過去にバンナムフェスで一部共演しており、異次元フェスならではの要素はどこにあるのかをこれまで考えていた。

「異次元フェス」は「アニソン」の枠を超えて広がり続ける“2次元×音楽”の世界で、あらゆるコンテンツの垣根を超えて異次元のコラボレーションを実現するために生まれた新しい音楽イベントシリーズです。

異次元フェス公式サイトより

 勿論それは参加人数や、このイベントならではのコラボ等を指しているのかもしれない。しかし蓮ノ空に寄って考えた時、最も異次元かつこれまでバンナムフェスに参加していなかったのが蓮ノ空であり、純粋なバンナム運営ではない蓮ノ空こそが”異次元”フェスたらしめるのではないかと考えるようになった。
 キャラクターがリアルタイムの活動をしており、異次元フェスへの参加を(完全に明言しないとしても)物語に持ち帰る事ができるのは蓮ノ空だけだ。また異次元フェス特番の中でキャラクターとの距離感についてラブライブ勢が答えていく中で楡井のみ演者個人の感覚だけでない作品の特性がリンクした解答だった。

 最若手ながらカバー曲が始まりを彷彿させる「READY!!」ではなく「CHANGE!!!!」だったのも予兆なのではないか。(セットリストや演出上の理由を予想せず好きなことを言えるのは前日までの特権)現状最もファン数は少ないかもしれないが、一気に掻っ攫うチャンスを貰っているのが蓮ノ空とも言える。それくらい変革をもたらす台風の目になる。リンクラ開始後半年を経て迎える異次元フェスが作品世界ではない現実世界の展開において新たな始まりになる可能性すらある。ツアーで生まれたうねりは東京ドームで最大化し花開く。

社会実験ハスノソラ

 東京ドームでファンを更に獲得した時規模が必要なこの社会実験の準備は整う。ツアーの始まりでこのリアルタイム性とライブパフォーマンスに注目すると中規模アイドルグループを追えば同じ体験ができるのではと考えたこともあった。だがキャラクターと演者の二重奏がリアルタイムで進んでいく体験は未だ誰もこの規模で体験しておらず、始まりの半年間で生まれたのはほんの小さな歩き出しに過ぎなかったと後から気づくのではないか。世界規模の人数が物語をリアルタイムで追いかけ、キャラクターの卒業や予想もできない変化をどう受け止めるのか。今は全く予想できず、この結果が今後の業界に大きな影響を与えると思えてならない。

何はともあれ

 皆々様ご贔屓の作品はある中で異次元フェスに参加、或いは参加せずとも生活していくだろうが「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」が同じ空の下で活動していることを覚えておいて欲しい。変わっていくものと変わらないもの、あの日あの最若手チームが世界を動かしたと思える日が来るかもしれないから。

P.S.「夏めきペイン」収録曲で最も好きな「パラレルダンサー」がツアーで一回しか聴けなかったのはぐっすん😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭

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