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ナナニジラップバトル名古屋に『永遠』を見ちゃった日記

 強烈な猛暑が襲う名古屋、しかし一番暑かったのは夜だった。前回マンネリ感を感想に書いたナナニジ夏祭り2023は後半戦を迎えていた。

 前半で退屈さを感じていた前半パートだったが、メンバーの熟練度が上がり、オタクも熱量を上げていた結果今までよりも楽しさが増しているように感じた。そして今回特筆すべき新メンバー加入後の特異点とも言える場面がナナニジラップバトル椎名桜月vs望月りのだ。

 結果から言えば椎名が勝利し、望月が敗退したのだが結果を見た望月は涙を流していた。その涙は今の22/7に最も希薄な感情の発露だった。
 復帰してからの望月は、以前あった子供っぽさが薄くなり妙な凄み/色気があると感じていた。元から先輩メンバーに匹敵するパフォーマンス能力があっただけにそのパワーがむき出しになっていたのかもしれない、と思っていた印象を覆した。もとよりグループをより有名にしたいと宣言し、連日Showroom配信等実行に移す気合の持ち主だったが忘れていたその印象を思い出した。
 涙しそうな望月を冗談を混ぜつつ慰める涼花、泣き出した瞬間駆け寄って抱きしめた西條、特に西條は昨年のツアーで不調だった際望月に支えられていただけに互いに補い合うような関係が一瞬で見て取れた。ナナニジラップバトルが中盤に差し込まれる為、後半の22/7特有の社会に嘆き吠えるような楽曲群がそのまま望月の涙や嘆きに重なった。「理解者」で通常手を合わせる振り付けの際、言葉抜きに互いを確かめるように握りあった西條と望月、それを見た瞬間今までライブを見てきた中でも感じたことのないような感情が沸き起こった。その瞬間が拡大され見ていないはずの時間を推察、体感したような不思議な体験だった。

 望月の涙に端を発した後半、卒業を控えている白沢の状況すら飲み込むほどの熱量があった。しかし天城との草(?)髪飾りの受け渡しなど高め合うように会場の一体感は増していった。

 気付けば卒業ライブ前夜になってしまい、慌てて記事を書いている。グループとしてはマイナスな要素の多い卒業公演前に未来を感じさせるような出来事があって本当に良かった。8人と3人のような意図して用意されたドラマの枠組みでない形でメンバーの心が動いたしファンもそれを感じ取った、これが自分は見たかったのかもしれない。

 あの日の涙が未来への推進力になっていることを願ってやまない。

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