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大槻香奈さんの個展『おなじ光、違う空の下』を観た(2019/11/26)

この展覧会は紙製の空き箱の切れ端のようなものに描かれた、濃厚な青空から初まる。

展覧会タイトルである『おなじ光、違う空の下』とは、今年初めて写真表現に挑戦した事、海外旅行、初の海外個展等々、色々な新しい試みを経て、まだ自分には知らない世界があるし、まだ違う自分にもなれると感じた事かららしい。


以前拝見した大槻香奈さんの作品には母の実家の空気感が漂っていて、幼少期に感じた煩わしさと、少しの後悔が蒸し返されたけれど、今展覧会の作品は、何となく思春期のモヤモヤから浄化されたような印象だった。

胸から上の肖像画が何作か展示されているスペースがあったけれど、以前観た同じ様な構図の作品よりも光が差し込んでいる様な描き方で、凄く爽やかな顔をしていた気がした。何か呪縛から吹っ切れた時というか、肯定的なお別れをした時の様な。
『たから』という作品はご本人に似ている様な気がしたけれど、ご家族なのかな…? (あくまで私が思った事)


古い人形をモチーフにした作品も多く、紙吹雪の様なものが舞っていて祝福ムードが漂っていた。

特に好きだったのは『かおりのなか』という作品。青系の絵具を塗り重ねて生まれた、朝の太陽の光が差し込んだ水面や硝子の様な煌めき具合、凄く綺麗だった。この作品を観ているとどうやったらこんなに綺麗に描けるんだろうと疑問が湧いてきて、創作意欲も湧いてきた。

きっと来年にはまた違った挑戦をされるんだろうと感じさせる展覧会だった。


因みに大槻香奈さんは、どうにかして作家さんの活動に貢献したいのに家に絵を飾る壁の空きがない…という私には丁度良くグッズが豊富。ポストカード、台湾旅行記のチェキ、画集、記録片、等々、色々あってありがたい。


場所:アートコンプレックスセンター
期間:2019/11/26〜12/22(月曜休館)
料金:無料

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