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SOULにもPUNKにもHIPHOPにも仕上がらない、KONCOSとGORO GOLOの苦悩とその先。“オルタナティヴ・ソウル”に至るまでの話。

019.09.11 下北沢THREEにて
聞き手 : 田中亮太

亮太 : このタイミングでKONCOS・GORO GOLOの2マンをやる理由は?

スガナミ : 5月にリキッドルームでやったFeelin’Fellows が終わった段階で、次は何をしようと話していたときに、TA-1くんから出たアイディアです。

TA-1 : Feelin’Fellows でいうと、沢山バンドやDJが出てる中で、誰が旗を振ってやっているのか、もうちょっと見えた方がいいと思って。チャーベさん・LEARNERSというリーダー的存在がいる中で、もう一つの軸としてユウさんがいて、GORO GOLOやKONCOSがいて、ホームグラウンドである下北沢THREEでどう盛り上がっているかが重要な気がして。

亮太 : KONCOSとGORO GOLOの2組の共通項として、ひとつのジャンルで括れない、ある種のハマりの悪さがあると思うんです。
ソウル・ミュージックのグルーヴの華やかさと、PUNKバンドのライブにも似た激しさが同居している感じとか。

スガナミ : CLUBにせよライブハウスにせよ、普段の小箱での遊び方がダイレクトに音楽に反映されている気がする。ライブの熱量は好きだけどライブの強制感は嫌で、パーティーとして自由な空間を求めているという。

TA-1 : 圧倒的にビート感が他と違うんですよね、ソウルとかHIPHOPが好きで曲を作っていくと、リズムが8ビート中心にならない。
GORO GOLOはその点で共通していると感じていて、
16のタイム感を中心とした歌モノのバンドやソウルバンドは沢山いるんだけど、ライブでのテンションも含めて似たアプローチのバンドは少ない気がしています。

亮太 : シティポップやブルーアイド・ソウル的な文脈に寄らずに、熱量を大事にしているのはどうしてですか?

TA-1 : 本当はライブにせよ落ち着いてやればいいんでしょうけど、それだと自分では伝えきれないものがあって、その先に行かないと納得しない感じというのが常にあるんでしょうね。

スガナミ : TA-1くんの鍵盤がいつも自分の汗で壊れてしまうのが物語っているよね。ライブにおいて当たり負けしたくないという気持ちが前面に出ているのだろうな。むやみやたらに叫び散らしてしまう。

亮太 : バンドそれぞれで音楽的なアプローチは異なっていますよね。
TA-1さんはリスナーとしての今のモードというのをいかにKONCOSに落とし込むかを常に考えていて、
スガナミさんは今どんどん言葉が強くなってきていて、同時代の音楽に感化されてというより
オールタイムクラシック的な表現に接近しているような印象があります。

TA-1 : 最近はゴスペル・ミュージックが気になっていて、宗教そのものというよりは、その音楽の持つ祝祭感みたいなものをKONCOSでも表現出来たらと考えています。
それを考えていく中で、言葉も自然と変化していって、一人称の使い方が変わっていったり、より自分たちに嘘がない言葉じゃないと気持ちが上がらなくなってきていてるので、音楽とともに、どういうテーマの詞にするかというのはヒロシ (KONCOS) と毎回話しますね。

スガナミ : いつの時代も、太陽と月というか、明るさも暗さもある音楽の方が奥深い表現として支持されることってあるじゃないですか。
表面的に捉えると、GORO GOLOやKONCOSって音楽性的にすごくポジティブで明るいと思うんですよ。
ともすれば軽いというか、深度のない音楽に感じるひともいるのかなって。
だからこそ、言葉や言葉の持つ意味、メッセージはより強くしていくべきだと最近は考えるようになって。
その上で圧倒的にポジティブなサウンドで勝負したい。
入り口は入りやすく、触れると奥深いものをやっていかないともうダメかなと思いますね。
そのためにはよく学んで、よく生きることだと思います。
人としての成長や、考え方の更新が必要だと常々思っています。

TA-1 : そうですね、ぼくらみたいなオルタナティヴなソウルミュージックは、、

スガナミ: オルタナティヴ・ソウル!たしかにそんな言い方も面白いかも。
この音楽はなんなんだろうという自分たちの気持ちを表した言葉として。

TA-1 : 言葉にせよ何にせよ、分かりやすい提案があるといいですよね。
もっとこういう音楽が好きなひとたちを増やしていきたいので。

亮太 : オルタナティヴ・ソウルという言葉だけだと掬いきれない部分もありそうだけど、二人の考えるオルタナティブ・ソウルというものを定義してみるのもおもしろいかもしれませんね。『スガナミとTA-1が選んだ、オルタナティヴ・ソウル』の10曲を聴いみたいです。

TA-1 : いいですね!

スガナミ : オルタナティヴにも、ソウルにも怒られそうだけど (笑)

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『スガナミとTA-1が選んだ、オルタナティヴ・ソウルの10曲』はこちらから


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