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094:【日本からお手紙/そこに熱意はあるんか?/結果はすぐに表れない】week81

5 Feb 2024(Siloam,Limpopo,South Africa )
晴れ時々曇り最高気温30℃ 最低気温18℃ 湿度54% 日の出5:42 日の入18:44

Day559(5 Feb 2024)

 僕の後任隊員の要請が正式にシロアム小からJICA事務所に届いたとのこと。校長や管理職の方が改めて協力隊の必要性を感じてくれた証拠であるから嬉しい。自分のやってきたことは多少なりとも彼らのためになったのかな?
 ただ、当然疑問もある。任地の初代隊員の宿命でもあるとは思うが、赴任当初や現在でも現地教員の中には日本から隊員が来た意味を分かっていない人も多い。本来ならば事務所側と学校(要請側)が協力の必要性を確かめ合意した上で派遣されるもの。しかし、実際派遣されてみると協力を必要としていなかったり、我々の立場や活用について分かっていなかったり雑だったりする。そのため、きっと初代隊員は信頼関係を構築しながら、彼らのニーズを理解した上で、我々の存在意義も伝えていかなくてはならない場合が多い。僕の任地もその例に当てはまった。
 そこで、このタイミングで改めて校長とHOD(Head of department )のマカーレ先生と後任要請に関わる話し合いの場を設けた。
 まずは、「本当に協力を必要としているのか?」、「具体的にどのような支援を望んでいて、どのような目標を達成していきたいのか?」について聞きました。これが答えられないようでは派遣する意味はないと思っています。要請側に明確なゴールと熱意がなければ進歩していきません。協力隊の一方通行の働きかけだけでなく、双方向での働きかけにこそ意味があります。僕は今でこそ彼らから頼られるようになりましたが、当初は彼らは受け身で僕からの働きかけのみで、「自分って必要とされているのかな?」って自分の存在意義を見失い悲しくなるほどでしたからね。
 どうやら、後任要請の主な理由としては2022年度にJICAのプログラムで日本に視察&研修に行った先生がリンポポ州の教育委員会にいるらしく、日本のメソッドを広めたいそうで、リンポポ州の大規模校の2校をパイロット校に指定し、もれなくシロアム小学校が選ばれたから、隊員の力が必要なんだそうです。
 必要な具体的な活動内容の話が終わった後、僕から派遣期間中に感じていた違和感や不満、一部の先生の隊員への期待感の低さ、教育の質の向上の熱意の低さについて、この際だから全部思いをぶつけました。要請をする以上、全教員が要請した内容の実現に向けて熱意を持って望まなければならない。隊員や一部の教員だけが目標のために一生懸命になっても意味がないと。僕の場合、赴任当初は要請した校長でさえ「来てくれただけで満足」状態でした。(外国人がいるだけで、この地域は学校や校長の評判が高くなる。)
 だから、支援を要請する上で必要な学校側の責任や心構えを伝えました。「この国はもちろん、世界中に支援や協力を必要としている人や施設がいる。しかし、日本のボランティアの数は限られているし、支援のために莫大な費用もかかっている。協力したり支援するというのは簡単なことではない。だからこそ、幸運にも協力隊などの支援が得られた人や施設にもそれ相応の責任がある。共に目標を達成する熱意がなければいけない。」と。
 校長には、もし次の隊員が来たら、まずは彼の立場を明確にし、役割を共に考え、全職員に目標達成のために必死に取り組ませるようにしてほしいと伝えました。日本の支援を無駄にしないでほしいと。
 これまでの不満も相まって言い過ぎたかもしれないけど、校長も真剣になってくれたみたいでよかった。任期も残り少ないこのタイミングだけど、お互い本当に分かり合えた気がします。残された期間で自分にできることを全力でやっていこうと思います。

Day561(7 Feb)

 登校すると英語と社会の担当の先生が「Yusuke !これ見て!」と自分で作成した掲示物を見せてくれた!すごく嬉しかった!完成度も高くてびっくり。4年C組算数担当の教頭先生も自分の部屋で黙々と掲示物作りをしている。嬉しすぎてお手伝いしてしまった笑
 同じく4年A組とB組算数担当のフェーズィ先生も九九を授業の導入でやりたいから九九の表をくれないかい?とやってきたし、理数科部門のHODで7年数学担当のチロンゴ先生も因数と素数の表を作ってほしいとお願いしてきた。
 任期も残りわずかのこのタイミングで、ようやくより良い授業にしようと自らTeaching aidsを作る先生が現れてきた(今までは依頼するにとどまっていた)。依頼してくる先生も増えてきた。
 「結果はすぐには表れない。」
まさにその通りだなと。諦めずに推進し続けてよかった!

Day562(8 Feb)

 今日は任期中における最後のオンライン国際交流会です。京都の知り合いの学校と2度目の交流です。なんとこの学校の子どもたちが手紙や絵を書いて南アフリカまで送ってくれたのです。知り合いの先生が年末にDHL(ドイツに拠点を置く国際宅配サービス)で首都プレトリアにあるJICA事務所まで送ってくれました。輸送費が高いのに本当にありがとうございました。
 手紙や絵を見た子どもたちも大興奮。校長や教頭、先生たちも絶賛していました。今回の交流では、その届いたメッセージを見せながら、直接子どもたちや先生からお礼を言えたので本当によかった!
 オンライン交流ができて、きっと両国の子どもたちにとって忘れられない経験になったと思います。任期中に県内外合わせて4校と1団体の合計8回のオンライン国際交流ができました!
 ご協力頂いた学校や団体の皆様に大変感謝しています!常に電気とネットワークとの戦いで、うまくつながらずご迷惑をおかけしたことも多々ありましたが(特に今月…)、無事できてよかったです!

※2月22日追記
 なんとYahooニュースに記事が載ったそうです!よければ以下のリンクからご覧ください。
 ちなみに、「野球が好き」というのは彼らの日本のみんなを喜ばせたいという思いやりからの誤答です。彼らは野球に馴染みはなく、やったことはありません。僕が以前、子どもたちに野球の話をしたからだと思います。まさかココが見出しにされるとは…。実は、他にも好きな食べ物を寿司って答えたりしてたんですよね。悪気はないんだけど、正しく答えてね〜。

Day563(9 Feb)

 遠く離れた任地から遥々同期隊員と後輩隊員がやってきた。彼らは比較的都会のエリアに赴任している。同じ南アフリカでも、地域でかなり違うことがたくさんあると終始驚いていました。僕も仲間が自分の任地まで来てくれて嬉しかった。新しい日本人に会えて子どもたちも喜んでいました笑

Day564(10 Feb)

 土曜日ということで、はるばる来てくれた隊員2名とリンポポ州に派遣されている同期3名で食事会をしました。場所はみんなの中間地点にある大きな町Thohoyandou。南アは広い割には隊員数が少なく(現在8名)、派遣先も散り散りに離れているため、なかなか会えません。だから、久しぶりに会い、美味しい料理を食べながらたくさん話ができて、最高にリフレッシュできました。
 明日2名の隊員はそれぞれの任地に帰ります。そして、彼らの購入していたチケットから分かったことが!なんと最近city to cityという予約サイトで購入できるバスがシロアム村を通るようになったということ。今までは首都からこの村まではあったけど、この村から首都へはムラウジバスだけだった。(city to cityの予約サイトに表示されなかったし、村人も知らないって言ってた。)
  新発見でした!少しずつ便利になっていってますね〜!

Day565(11 Feb)

 今週は特に暑かった。最高気温35℃の日も。夕立の日も増えてきた。来週あたりから土砂降りシーズン到来か?ちなみに、僕の一番嫌いなシーズンです。理由は赤土の道がドロドロになるから…。
 そして、やっと母屋のコンロが修理されました。故障してから3週間近く経ってようやくです…。ホストマザーが電話しても毎回「明日行くから!」というのが続いたみたいです。こういうのが許されるのが、アフリカだな〜と思います笑


ここまで読んで頂きありがとうございます。
See you next time!
Sharp sharp!!

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