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初夢で神のお告げを受けた話

僕の生まれ故郷は愛知県のあま市というところで、名古屋駅から南に車で15分くらいのところ。ベットタウンみたいな感じだから中途半端な田舎って感じ。
僕が住んでた頃はまだ海部郡だったけど何年か前にいくつかの町が合併して海部郡からあま市になった。
正直、郡だろうが市だろうがなんだっていいし興味もなかった。
そう、自分でも悲しいくらい地元愛がない。
でも見栄はあるから出身はどこかと聞かれると名古屋と答え、
名古屋市のどこかと聞かれ名古屋じゃないじゃんと言われると
市外局番は名古屋と同じで、車のナンバーは名古屋だからほぼ名古屋だよと
かなりうざい返答をするのがデフォルトになっている。

今年のお正月、新年の挨拶と初孫を見せに帰省した。
年1ペースの帰省を始めてから18年経ったが街並みは何も変わらない。スタバもまだない。
駅まで迎えに来てくれた名古屋ナンバーの親の車のなかで
変わらないってこともまぁいい事だなと18年間繰り返してる感情を今年もなんとなく思いながら自宅に到着。
両親は初孫との再開に大喜び。初老の親が赤ん坊をあやす1オクターブ高い声にむず痒さを感じつつも、遅ればせながら1つ親孝行が出来たと自分自身も満足だった。それにしても僕の両親も変わらない。自分の親をこんな風に言うのはあれだけど全然老けない。これも18年間繰り返してる感情、これはずっと続いて欲しいと願う。

そして好物だけを寄せ集めたおせちと贅沢な料理でぐうたらな正月を過ごして3日目の朝奥さんと子供と3人で近所を散歩した。
家の周りには田んぼがあり周りには小さい川や用水路が流れている。
小さい頃よく釣りをしていて何度か落ちたこともあったし、釣った魚を食べたりもしてた。臭くて食えたもんじゃなかったけど腹は壊さないレベル。
当時は落ちても「うわー落ちたー!クセー!」くらいで済んでたけど
今は落ちたら何かしらの感染にかかりそうだし万が一魚が釣れて食べたとしたら高確率で入院するだろうってくらい川が汚れきってて悪臭がひどかった。完全に川が死んでた。

少しばかり寂しい気持ちにはなったけど、まぁ時が経てばこんなもんかーと持ち前の地元愛の無さで、さほど気にも止めず家に戻りお出かけ。

次の日の朝また親の車(名古屋ナンバー)で駅まで送ってもらい東京に戻った。品川に着くと現実に戻り今年も1年頑張ろうと思い直し、帰宅。

次の日が仕事始め、髪を切る合間に1年の振り返りと今年の抱負のブログを書いた。その日の夜こんな夢を見た。

役所の人と思われる人物と今の川や用水路の現状の説明を受けながら家族で散歩したコースを歩いてた。川を浄化する装置は全く機能していないとか、打つ手が無いとかなんとか。時間にすると1、2分くらいのすごく短い夢だったと思う。そしてパッと目が覚めて地元の川を綺麗にしようと決意した。
お金を集めるのはクラウドファンディングを使おう、地元で頑張ってる友達と協力して何かできそうだな、地元の人も絶対喜ぶだろうな、子供と一緒に釣りが出来るかもしれないとか色々考え出したらワクワクが止まらなくて2時から一睡も出来ず、先ずは現状を知るのと、本当にそんなことが一個人で出来るのか朝一役場に確認しようとソワソワしながら朝を待って、満を辞して電話をかけた。 

「あの、唐突な電話で申し訳ないんですけど川を綺麗にしたくてお電話しました。」

「はぁ」
間違ってない。どこの誰だか分かんないヤツからいきなりこんな電話かかってきたらこの対応が大正解だ。
そのあと細かめに説明して、担当というか、篠田悪水土地改良区というところに繋いでいただき話を聞くことが出来た。

結論から言うと川を綺麗にするのは難しいと言うことだった。
小説だったらこっから紆余曲折してドラマティックな展開になっていくに違いないし、それをかなり期待してた。それに始めたきっかけは夢に出てきて今思うとあれは神のお告げでした。とインタビューの内容まで考えてあったのに現実は甘くない。

今ある問題点として、
下水管が完備されていないから生活排水が全部垂れ流しになってる。
下水管を作ったとしても家庭と繋ぐ費用は各家庭の自己負担だから現実味がない。
お米を作る時期だけは木曽川から水を田んぼに引いてきてその水を排水するからその時期は多少は汚れの濃度は薄まるけどその時期以外に川から水を運んでくるのは川の利権の問題で難しい。
さらにあま市は海抜ゼロメートル地帯だから溜まった水はポンプを使わないと排水出来ず、その稼働にもお金がかかってしまう。

らしい。今のところ、らしい以外言葉がありません。
でもわけのわからないヤツにここまで細かく親切に教えていただき
本当に感謝です。
でも諦めずこれからやりたい事に追加しておこうと思います。

これはいよいよ僕にも地元愛が芽生えてきたのかもしれません。

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