見出し画像

No.3 GTO Wizard Blogの解釈記事【The 10 Most Important Concepts for New Poker Players】

本記事はGTO Wizard Blogを私なりに解釈し、友人に説明するならどのように書くかな?と再まとめしたものとなります。
今回の記事は「The 10 Most Important Concepts for New Poker Players」になります。



今回はポーカーの初心者にとって、重要な10個のコンセプトをお伝えする。

No.1 ゲーム理論の力学を知ろう

基礎知識を習得することは重要なポイントの1つである。ポーカーを感覚で学び、経験則である程度強くなることは可能だ。しかし、現代ポーカーにおいてソフトなプレイヤープール以外では(言うなれば弱い環境ってことです)、このプレイスタイルはほとんど通用しない。

じゃあ何を学べばよいだろうか? それはゲーム理論の「数学的な基礎」から学ぶべきである。

この「数学的な基礎」とはポットオッズ、SPR、EQ(エクイティ)、EV(期待値)、MDF(最小ディフェンス頻度)、EQR(エクイティリアライゼーション)等が挙げられる。これらの用語や中身については今後の記事でも取り扱うため、今は「そんな用語あるんだ」程度でGoodである。
これらの基礎はテーブル上で計算することはほとんどなく(覚えるか、そもそも複雑なため自身の頭では計算ができない)、重要なことはこれらの力学が実際にどのように機能をするかを理解することである。


No.2 閾値を確認しよう

自身のポーカーレベルを上げる速い方法の1つは、各々の閾値を研究することである。
例えば、以下のようなことが挙げられる。

  • コールできる一番弱いハンドは?

  • バリューベットができる一番弱いハンドは?

  • フォールドするハンドで一番強いハンドは?

よくあることとして、初心者は中程度のハンド(マージナルなハンドともいう)を過大評価し、これらの閾値を誤ってしまう。だから、今後あなたがGTOソリューション見て、自分のアクションをレビューする時、上記の質問を自身に問いかけ、各種ラインの閾値を確認するようにしよう(戦略の全体を記憶するよりも、大まかな閾値を覚える方が簡単ですからね)。

💡 自身のハンドのみにフォーカスして、アクションの正誤を確認するだけでは勿体ない。必ずその状況下で各閾値はどうなっているのか?を確認するようにしよう。


No.3 ハンドではなくレンジ全体をどのようにプレイするかに注視しよう

ソリューションの勉強をしていく上で、個々のアクション頻度に拘ってしまうことがある。これによる問題/懸念は、全てのスポットで、全ての頻度を覚えることはシンプルに不可能であることだ。これは非効率なトレーニング方法となってしまう。 (ちょっと違うかもしれないですが私も過去にプリフロップのレンジを10%の精度にて、覚えようとしていたことがあります。これは、時間効率がゴミクソでした)

ではどのようにすれば良いかというと、全体的な視点で見ることが重要で、「全体のレンジを見ること」である。ポーカーの重要な一部分として、「自分のアクションに適切なバリューとブラフを含んだレンジを構築する」というものがある。これは非常に重要で、個々のハンドにフォーカスした勉強法をしていると全体を捉えることができないため、正しいレンジ構築が疎かになってしまうため注意しよう。


No.4 ポットをより多く獲得することと、EVを最大化することは同じではないことを理解しよう

人は、勝ったことよりも負けたことを強く記憶する。これはしばしばバイアスを引き起こし、最もEVの高いプレイではないのにすぐにポットを取ろうとすることがある。 ※例えば、現状ナッツを持っているのにドローが怖いから超ビックベットをして、相手を降ろそうとする。等

ポーカーでは、「低頻度で大きなポットを勝ち取り、高頻度で小さなポットを失ってしまう」ようなラインを取ることがある。ただこれは間違ったことではなく、プラスの期待値としてアクションをしているのである。

例えば、サイコロを振ったとしよう。1〜5が出た場合、10ドル支払い、6が出た場合、100ドルが貰えるとする。83%の確率で10ドルを失うことになるが、17%の確率で100ドルを獲得する。このゲームのEVは、EV =(⅙ * $100 - ⅚ * $10)= + $8.33 per rollとなる。1回ゲームを行う毎に+$8.33の期待値を稼いでいることになる。

このように多くの頻度でポットを失い、低い頻度で大きなポットを取った場合でも、平均的にみればプラスのプレイになっていることがよくある。より頻繁に勝つことが必ずしも最高のEVプレイではないことに注意しよう。時には、高いEVをもたらす低頻度のアクションをする必要がある。時には、脆弱なメイドハンド(ヒットしたハンド等)をチェックして相手にドローさせてしまうこともある。このバイアスを克服するために、自分の心を再トレーニングしよう。

💡 ポーカーは平均的にみてプラスのアクションをした結果、長期的には勝つゲームである。


No.5 ビッグカードの過大評価をやめよう

ほとんどのレクリエーショナルプレイヤーは、ビックカードを過大評価してしまう。その結果、非常にトップヘビーなレンジでプレイすることが多くなり、ドミネイトされたペアを多く作り、リバースインプライドオッズのある状況に頻繁に直面してしまう。
※リバースインプライドオッズについていつか記事に書きます。簡単に言えば、現状勝っているハンドが相手に逆転される可能性とその期待値についての理論になります。

ディープな100bb以上のキャッシュゲームをプレイする場合、インプライドオッズを考えることがかなり重要である。例えば、Aハイフラッシュドローのようなナッツドローが有する「相手からの複数ストリートによるベットに耐えうる力(なぜ耐えうるかというと、引けばナッツ=必ず勝てるから。とシンプルです)」は、ドミネイトしたトップペアで得られる価値をはるかに上回ることが多い。そのため、GTOではAJoのようなハンドを3ベットに対してフォールドし、代わりにスーテッドコネクターやポケットペアなどのより良いインプライドオッズを持つハンドでコールすることを選択する。

典型的なリークは、ボードのテクスチャに関係なく、大きなペアを過剰評価してしまうことである。これは心理的な部分もあり、AAは魔法のようなハンド(そりゃ配られたらドキドキするよね)であり、自分は「必ずチップを得ることができる!!」と思ってしまう。トップペアのグッドキッカーは他のワンペアに(ワンペアとしては)捲られることはないため、そのハンドが煌煌と光って見えることは仕方ない。初心者がプレイする場合、このような考えやそれに伴うアクションは、これらのプレミアムハンドの価値を制限してしまう場合がある。結局はワンペアだ。と考えるべき場合もあることを忘れないでほしい。


No.6 EVのほとんどはナッツ級のハンドから来ることを理解しよう

EVの大部分はナッツクラスのハンドから生まれる。よりディープな状況でプレイするにあたり、重要な考え方となるため注意をしよう。実際、ほとんどのハンドはEVがほとんどブレークイーブンとなる。そのため、ナッツクラスのハンドを正しくプレイすることが極めて重要となる。

下の図は100bbキャッシュゲームにおけるBTNのオープンレンジである。そして、右下の数字は長期的に見た(平均的な)EVが記載されている。BTNは42%のハンドをオープンしているが、約半分のハンドは、長期的には0.1bb以下の利益しか出せていないのである。

💡 EVの源泉はプレミアハンドやナッツクラスのハンドから来ることを認識しよう。

ポストフロップでも同じようなことが言えて、EVの大部分はレンジ内のわずかなナッツ級ハンドによって生み出される。だからこそ、ナッツ級ハンドを上手にプレイする方法を学ぶことが非常に重要なのである(小さなポットを何度も失うことは辛いかもしれないが、まずは大きいポットを取れる術を学ぼう)。


No.7 まずはプリフロップの戦略をマスターしよう

プリフロップをマスターすることは、成績を劇的に向上させる効率的な方法である。プリフロップをうまくプレイすることは、ポストフロップをうまくプレイすることにつながる(すべてはこのストリートから始まるため)。

プリフロップのレンジはGTO Wizardで無料公開されているため、すぐに勉強をすることができます!!


No.8 過去の経験を取り払うようにしよう

あなたが考えついた殆どのヒューリスティックス(経験則)は、バイアスがかかりすぎている可能性がある(というかかかっている。と考えた方が良いだろう)。今あなたが考えつき引き出しに持っている勝つため定石は、メタによって歪み、リスク回避(ドローを引かれたくない等)などの潜在的な要素が戦略にバイアスをかけている可能性が高い。

またソルバーを見るとき、あなたの脳は自分の世界観に合わせて戦略を合理化しようとする。理論を広げるのではなく、自分自身の世界観に合わせようとするのだ。これは非常に人間的なものであり、それを克服するためにはトレーニングをするしかない。

ポーカープレイヤーとして成長するためには、古い習慣を手放し、視野を広げる必要がある。特にソルバーやゲーム理論の世界に新しく入った人にとっては、これが特に当てはまる。自分の前提を壊し、自分の理論の反例を探すために努力しよう。目標は、現在の見解を強化するのではなく、自分の考え方や引き出しを広げることである。


No.9 分散はえぐい、とってもえぐい

ギャンブラーの心情は、ポーカーのプレイ中にもよく耳にしないだろうか。

例えば、コインを投げて、6回連続で表が出たとしよう。次に表が出る確率はどれくらいだろうか?

もしかしたら、「流石に次は裏が出るはずだ」と思うかもしれない。しかし、ただの「50%/50%」である。7回目に表が出る可能性は50%なのである。
※はい、私もこういう迷信は大好きです。カジノでルーレットをする時は「流石に次は黒が来るよね♪」と賭けますもの(これまでルーレット-$3,000の筆者より)。

何千回以上ものコインフリップを行えば、表と裏は均等になると予想される。しかし、それは何かの要因があるわけではなく、単純に大数の法則に従っただけである。例えば1000回コインフリップを行い、表が6回多く出ているとする。この時点で、表は503回、裏は497回である。計算すると、表が50.3%、裏が49.7%であることがわかる。

今度は、同じ6点のリードを保持したまま、10万回コインを投げることとしよう。すると、表が50.0003%、裏が49.9997%になる。裏が追いつくことはないにもかかわらず、「運」は均等になったように見える。これが大数の法則である。

同様に、バットビートを喰らったからといって、次にポットを獲得できるわけではない。またバットビートを喰らって、更に不運が続くだろう。とはならないのである。デッキは何もしない。各ハンドは、「バットビート喰らったからなぁ」等を覚えていない独立したイベントなのである。逆もまたしかりで、ラッキーがあったからといって、バットビートを必ず喰らうわけではない。

ポーカーにおける分散は、人が真に概念化することができる範囲をはるかに超えている。ポーカーの分散を計算したことがある場合、10万単位のハンドをプレイする必要があることがわかる。そうしないと、統計的に有意なエッジが現れないのである。


No.10 マージナルなハンドでオーバープレイをするのをやめよう

弱いアグレッシブなプレイヤーの中でよくあることだが、マージナルなハンドもベットレンジに加えてしまい、マージナルなハンドのショーダウンバリューレンジが存在しないリークがある。
このプレイヤータイプは常にオーバープレイし、アウトドロー(逆転)されることを恐れている。彼らには2つのレンジがある。

  • 一応諦めるレンジ

  • それ以外のベット!!ベット!!ベット!!のレンジ

彼らはマージナルなハンドにおいて、ショーダウンで勝つことはほとんどない。なぜなら、本来ショーダウンバリューのあるハンドでも、相手に対してアグレッシブにベットしている。相手はより多くのハンドをフォールドすることになるだろう。その結果、相手がコールした場合はかなり狭いレンジ(強いハンド群)とショーダウンになるからである。彼らにはトラップレンジを持たず、パッシブなラインはほとんどは相手にドミネイトされているのである。

マージナルなハンドをオーバープレイする問題点は、現状勝っているハンドをフォールドさせ、負けているハンドにコールされるだけで終わることである。これはあなたのエクイティを効率的に活用する方法ではないことに注意しよう(このスタイルは、コーリングステーションに対してのみうまく機能する。ただし、エクスプロイトは容易である)。

ボードにドローがあるからといって、すべてのメイドハンドでベットする必要はない。マージナルなハンドの「ショーダウンバリュー」や「ポットコントロール」のレンジを入れ込むことに取り組んでみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?