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初めて認知症の高齢者と向き合ったときの忘れられない歌と、自分の中で変わっていった感覚の話

2011年の2月後半、よかあんべでの自施設実習に臨んだ。

宝島に移住して8ヶ月がすぎ、色々ありながらも、順調に事業は進んでいた。その頃は、順調なのかすら分からないくらい、がむしゃらだった。僕は、次年度からの介護サービス類似事業から、介護サービス事業にのせるために、「認知症介護実践者研修」を受講していた。実務経験が条件を満たしていないため、聴講生としての参加させてもらった経緯がある。研修完了の要件には、自施設実習と他施設実習があった。

玉井さんの忘れられない歌

玉井さんは歌うことが大好きな方だった。生まれ育った土地の歌をよく歌われていた。今でも心に残っているのは、僕が苦しくなって逃げたくなったときに、ソファで玉井さんが口ずさまれた歌のことだ。不意に歌われた「上を向いて歩こう」僕は、涙が出そうになって、古民家だった事業所の天井のシミを見つめてた。僕は、目の前の方、お一人お一人に学ばせて頂いてきた。玉井さんも間違いなく、僕を育ててくれた人のお一人だ。今日は、そんな実習を振り返りたい。

自施設研修、初日

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