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青年海外協力隊(カンボジア)から帰国後、「介護の世界」に出会った話

僕は2007年に大学を卒業し、新卒で青年海外協力隊に参加しました。帰国後に「介護の世界」に出会った話を書きたいと思います。

僕は、大学(武田鉄矢さんが中退した大学)で教員を目指していた時期がありました。教員採用試験を前に、「(教壇に立って話しているイメージができない)」当時の僕の経験では伝えられることが薄すぎる…。

もっと多くのことを見て、感じたい。小学生の頃から、学校に掲示されていたなぁくらいの印象だった「青年海外協力隊」にチャレンジすることを決断しました。

2009年6月、カンボジアから帰国。カンボジアでの経験で感じたことは、教育や学校の枠を超えて、人と関わる事で、自分を活かせるのでは。人との関わりが人生を彩るのではないか、という感覚でした。

何はともあれ、進路は決めねば。という事で、「来春からは、専門学校へ行こう。」それは、実家の家業である整骨院を継ぐためでした。そこをベースに、何かできる気がする!っていう漠然としたビジョンがありました。

「これからは高齢者が増えていく」→「介護の世界って?」という単純思考で、実家の弁当屋の手伝いをしながら、鹿児島県内の介護施設に顔を出していました。その時、今から約10年前、自分が介護の仕事をするとは思ってもいませんでした。

色々なサービスを提供する事業所や施設へボランティアに、(今思えば遊びに)行っていました。学生の頃から、福祉系の場所に行くことは、ボランティア見たいな印象があったのが事実です。そんな中、「面白い事業所があるよ。」と紹介されたのが、「共生ホーム よかあんべ」でした。

介護施設は、ボランティアに行くところじゃない。そんな感覚が芽生えたのは、初めて「よかあんべ」に行ったときかもしれません。様々なメディア等から得た情報と、実際に介護施設を見させていただく中で、何となく固まりつつあった僕の介護観のようなものが、覆された瞬間でした。その感覚は、この頃から変わってません。

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そこは、すきま風の吹き込む古民家でした。住宅地にあるものだから、どこに事業所があるか気がつかず、何度も通り過ぎる始末…そんな場の中で、「暮らす」高齢者と支える職員の皆さん。

それまで見ていたいわゆる「介護施設」のような雰囲気はなく、田舎の祖父母の家を彷彿させるような場所でした。炊事場からは食事を作る音や香りがありました。

当然、バリアフリーではありません。90歳を超えた婆様は、床を這ってトイレに行く。それを同じ目線でケアする職員。食事や洗濯の支度も一緒に。「暮らす」上で必要な家事を当たり前にしている姿は、当時の僕には新鮮に映りました。

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そんな日々を過ごしていた、2010年4月、専門学校に入学しました。実は貯金も少なくて、母方の祖母に学費の一部を援助してもらっての入学でした。そして、ほかの新入生より少し年上だった僕は、入学式で新入生の代表として「誓いの言葉」を読む機会を頂きました。

その最後に、「これからは校長先生をはじめ、諸先生方のご指導を承りながら、私たちが卒業するときには、学生がその後の人生にも高い志を持ち、自分の仕事を、「仕える事」と書くのではなく、「志す事」と書いての「志事」と思えるよう、一日一日を大切に、そして一生懸命に学んでいく事を、ここに誓います。」と結んでいました。

色々なことを仕切り直したように、学校生活が始ました。若い同級生とそんなに年齢の変わらない若手先生。既に社会に出て働いていた当時の恋人に学校近くまで迎えに来てもらったこともありました。学校まで来てもらわなかったのは、少しの負い目を感じていた、僕の小さなプライドでしょう(^_^;)

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何より、カンボジアでの暮らしとのギャップに、肌感覚として、しっくり来てなかった自分がいた気がします。動きたがっていた頃の写真を見つけて、ある意味変わらない自分を感じました。弁当屋で仕事をしながら、専門学校で学び、父親の運営する道場で、柔道を通して教育に携わっていました。

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関わる機会のあった子供たち、世代をまたいだ人たちと土をいじり、たまに人前で話す機会も頂いていました。時間があると、「よかあんべ」に遊びに行っていました。高齢者と接することが多くはなかった中で、「よかあんべ」に行くことは、近かったけど知らない世界に行くようで好奇心を駆り立てられました。

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ちなみに、「誓いの言葉」の1ヶ月後には、宝島に遊びに行き、2ヶ月後には休学し、宝島に移住しました。本当に人生って、わからないですね。でも、その時の言葉「人生に高い志を持ち、自分の仕事を、「仕える事」と書くのではなく、「志す事」と書いての「志事」と思えるよう、一日一日を大切に、そして一生懸命に学んでいく事。」は、今の自分にも言い聞かせてもいる気がします。

読んで頂き、ありがとうございます。次回は、宝島に初上陸して、専門学校を休学した話を書こうと思います!

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