みんなで悩め!アクセシビリティ

2019年4月20日福岡で登壇した!important2019のフォローアップエントリー。時間の関係で伝え足りなかったことや、懇親会の話を共有します。

まあ、まずは感謝です。朝10:30開始で1時間半のパネルディスカッションにも関わらず満席立ち見状態という嬉しい誤算。みなさんのアクセシビリティに対する興味と積極性に感動しかなくて、そして割と緊張してました。本当にありがとうございました。

当時の内容は@yamanokuさんがバッチリまとめてくださったので、それを見てください(この議事録的情報量に脱帽)。

反省と伝えたりなかったこと

「そもそもアクセシビリティとは?」とか「アクセシビリティとWebアクセシビリティの違い」などの基礎的なところ省いて知ってる前提で進めたんだけど、正直なところ付いてこれてない人はいないか内心ドキドキしてた。1時間半の長丁場ではあったので、「最終的になんとなく雰囲気でわかった」っていう人もいたかもしれない。最後にいただいたアンケートの中で「具体的に何が良くて何が悪いのか知りたかった」というご意見があったので、前段で基礎と実例を出すべきだったかな、というのが反省点。

「アクセシビリティとは?」のところが抜けてたせいか、アクセシビリティの話なのか、ユーザビリティの話なのかごっちゃになってしまった部分もあって、そういう話はもっとしたかったかな。途中軌道修正的に「障害者だけためじゃなくて…」というくだりで、「それはあくまでスクリーンリーダユーザー向けのユーザビリティだ」みたいな話をステレオタイプ化や誤解が生まれないように、もう少し丁寧に話したかった。

僕の中での今のところのアクセシビリティの定義は「多様的なアクセスに対して如何に取りこぼし少なく情報提供できるか」だと思っているので、UXでいうUseful(有用性)やReliable(信頼性)すら評価できないレベルの致命的な部分として解釈している。アビリティとつくニュアンスから、縦軸のレベルがあるように思ってしまうのはすごくよくわかるんだけど、縦軸というより横軸で、多様性のカバー率だと思うとしっくりくるんじゃないかなと思っている。

だからalt属性の内容をどう書くかって問題は、アクセシビリティじゃなくてどう伝わってほしいのか?というデザインの問題であるので、UXデザイナーかWebデザイナーがそれを徹底的にやってほしいと僕は期待している。

まあ、今書いたことは僕の考えであって正解かどうかはわからないので、それこそあの場で意見をビシバシぶつけ合いたかったわけで。ああ、やっぱりもうちょっと時間欲しかったな。

もうひとつ。終了直前にいただいた「当たり前対応」に関してのツイートについて。

おっしゃる通りで当たり前品質が低いからアクセシブルじゃないWebを提供されるのは本当に困っちゃうんだけど、ただ一概に言えないのはテーブルレイアウトからCSSレイアウトに移り変わったときとは違って単純な手法変更じゃないということ。

アクセシビリティを担保するということは、様々なユースケースを想像して検討して設計・デザインをして、様々な条件での検証やテストを行わないといけないので工数に関わってくる。ある程度汎用的な対策を行うことでそれを補うことはできるけど、すべてを製作側の企業努力でどうにかしろとは言えないのが現実なので、そのあたりは制作の現場を守ってほしいとは思う(もちろんこのツイートがそんなつもりで言っているのではないと思うのですが念の為)。

懇親会にて

実に興味深いというか、ありがちだけどとても良い質問があった。

リストにするべきか悩む場合、どうしたいいか。

ありがたい。こういうネタは大好物だ。ただこの質問は僕の中では決着がついていて、悩むならリストにするがよいと思っている。これはスクリーンリーダユーザー向けのユーザビリティに傾向してしまうのだけども、スクリーンリーダーではリストの項目数を始めに読み上げる。一体いつ終わるのかわからない読み上げを聞くよりも、全体がどのくらいのボリュームなのかがわかったほうが圧倒的に親切だと思うからだ。

ここもユーザビリティなのでデザインの領域だと思っている。ちょうど同じ日の別のセッションですぴかあやかさんが「ですます包丁」というデザイナーの秘密道具を紹介していた。

晴眼者も視覚障害者もきっと感じることは同じで、晴眼者はリストが目に入った時点で内容を読むより先に無意識に項目数をおおよそ把握できる。ビジュアルがそう意識されたデザインなら、読み上げデザインもそうあってほしい。

あとはアクセシビリティが抱える問題のひとつとして、アクセシビリティに配慮がないことが差別だったり人権侵害なのかということ。どうやって多様性を意識し、把握して、同じように情報を提供できるか。ダイバーシティインクルーシブというキーワードまで掘り下げて話せたのは、本当に僕自身の学びが多かったし、参加したみなさんのプロフェッショナルな考え方が垣間見えてすごくよかった。この話題については結局答えなんて出なかったんだけども、これからも粛々と考えていきたいと思う。

来月のアクセシビリティの祭典では福祉とWebがテーマなので、ヒントがもらえるかもしれない。楽しみだ。

みんなでアクセシビリティを考えていきたい

前で話していて偉そうに見えたかもしれないし、この記事も偉そうに見えるかもしれない。Webアクセシビリティエンジニアを名乗っているが僕もまだまだ勉強途中だし実践途中だ。知らないこともたくさんある。

やっぱり僕が一番伝えたかったのは「ひとりでやらないこと」「みんなを巻き込むこと」「誰かに頼ること」だ。

ファシリテーターの我流さんが拾ってくれたこれが、まずは一番伝えたかったし、今のWeb制作業界には必要なことだと思っている。

福岡では勉強会があるので興味があればぜひこちらに。

みんなで大いに悩んで大いに失敗して、そしてそれをリカバーして。1人でも多くの人に情報が届くWebになっていったらいいなあ。


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平尾ゆうてん

福岡のWebアクセシビリティエンジニア/フロントエンドエンジニア。 markuplintというHTML Linterを開発中。

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