delyがこの道を選んだ裏側 -堀江裕介-

こちらの報道の通りdelyとして新しい挑戦を選択を致しました

新生delyはこれから、モノを売り、1兆円企業をめざす
孫正義に想い伝えた26歳、dely創業者の誓い —— ヤフー子会社化は「武器だ」
たくさんの反応をいただき、ありがとうございます。今回の報道後この反響は予想できたものではありますし、黙って結果で見せようと思っておりましたが、人材エージェント様からdelyの人事に「堀江さんはお役御免ですか?」などのメッセージや、多くの方から売却おめでとう!などたくさんの勘違いを生んでいることが分かったのでできる限り説明させてもらおうと思います。
まず今回の提携で僕が考えていることは大きく以下のことです

delyのメンバー、既存株主様、Yahoo!様全員にとってメリットのある提携にすること
まず前提としてYahoo!様本体としては今回の提携前は一株も保有しておりませんでした。しかしdely株をYahoo!が運営しております、VCであるYJC、そしてYahoo!の親会社であるソフトバンク株式会社様が弊社の株式を合わせて25%程度保有しておりました。強力な事業提携をするためにもYahoo!としては営業利益を決算に取り込む形を取る必要があり、残り15%以上の株式を集め、取締役の派遣を行い議決権の過半を取る必要がありました。

連結にするために明確な基準が40%ということではなく、40%以上かつ、議決権の過半が最低ラインだと判断し今回そこを目指して交渉を行いました。
またなぜ45%以上を集めたかと言いますと、delyは今後1兆円企業を目指し長く経営していきますので、delyのメンバーに対して更にSOを新規で発行し続けることを視野に入れるとともに、上場後一部売り出すことを考えると余裕を持った資本政策である必要がありました。

2ヶ月前ほどにこの提携案を検討し始めました。そもそも自分自身の株式を売却する意思も全くございませんので、以下の二つが選択肢でありました。

1,Yahoo!様から新規で増資をする
2,既存株主の株式をYahoo!が買収

この選択肢のうち後者を取った理由としては新規での増資の場合既存株主様、そしてdelyメンバーのSO含めて希薄化するということが一つ。そして私自身の持分は24%ということもあり、長期的にも独立した経営を保つためにもこれ以上希薄化をしない手段がベターだったから。

また今回の提携のメリットとしては、delyがこれまで増資を多く続けてきたこともありVC比率が高い株主構成となっていた所からYahoo!本体に株式をもったいただくことで事業会社比率が増加し、長期保有の株主比率が上がることもメリットの一つと考えました。

これらのメリットと100億円程度の資金調達を天秤にかけ、利害関係者全てのメリットがこちらの選択肢のほうが強いと判断しました。
そこからかなりの短期間で既存株主様に対して、私の将来のビジョンや思いをご説明させていただき、かつ皆様にとっても今回で売却していただくことは合理的な決断でもあると説明致しました。そして既存株主様にとってもきっちりとリターンが出るようYahoo!様と協議した上で、この大胆な決断をスピーディーにYahoo!様にしていただきました。

そして明らかに強力な事業シナジーがあり、今後更に急速に伸びるであろうdelyの株式を譲っていただくことを、今回で途中下車をする必要がない株主の皆様にお願いを致しまして、ご協力をいただきました。皆様のご理解に感謝致します。これは僕からお願いしたことであり、株主のみなさんが決して短期目線でdely株を売却したわけではないことだけご理解いただきたいです。みなさん本当に素晴らしい投資家様であり、皆さんのご尽力なくしてdelyのここまでの成長は本当になかったと思います。本当にありがとうございます。今の私たちがあるのは皆様株主様が私のような何者でもない若い経営者に賭けてくれた勇気の賜物かと思っています。

各利害関係者のメリットは以下のものかと考えております

**delyメンバー=>強力な事業連携により会社価値の大幅な向上
既存株主=>希薄化なく、会社価値の向上もしくは大きい売却益

dely=>強力な事業連携により会社価値の向上と、創業者自身の希薄化がないため独立した経営体制を保ちながら長期的な経営が可能に

Yahoo!=>親会社とCVCから株式を買い取る合意を得やすかった。また、新規増資よりも持ち出す資金を比較的少なく連結化できる

今提携で変化したこと、変化しないこと
変化したこと
・株主構成
・取締役を2名派遣し堀江だけが取締役として残りYahoo!が過半の議決権を持つようになったこと
・執行役員制度に変更
変化しないこと
・意思決定の主導はあくまでもdelyに
・独立した経営体制を保ち、IPOを目指すということ
・SOや既存株主の株価が希薄化していない(むしろ価値は上がっている)

ついでに今後のベンチャーの意思決定に役立つと思い、ここで執行役員制度について記述しておきますと、取締役だった柴田と大竹に関しては決して降格になったわけではありません。彼ら二人は非常に優秀でありdelyにとって欠かせないタレントであり、僕という未完成な経営者にとってこの二人は何よりも重要な戦友です。彼ら二人がいなければdelyはありません。そして今後もこの二人には僕とともに経営をしてもらいdely内においてリーダーシップを発揮していただきます。
ではなぜ執行役員制度に変えたかと言いますと、Yahoo!が過半の議決権を持つ必要があるため、dely側の取締役人数が増えれば増えるほどYahoo!側も役割のない取締役を派遣しなければいけないことになります。
これはYahoo!側にとってもデメリットであり、delyにとってもデメリットが大きいです。人数が増えればそれだけ意思決定も遅れます。
またdelyから新規の取締役を選任しようとするとYahoo!側もそれだけの準備が必要であるため多くの無駄が発生します。
このような背景からdely側が新たな優秀なメンバーを重要ポジションにあげようとした時に取締役選任の決議は重くなると思っており、人材の登用をスピーディーに行うためにも執行役員制度を取ることに決めました。よってdely内では執行役員が実質のリーダーであるため、引き続きこの2名に関しては僕が一番に信頼する仲間です。

1兆円企業を目指すための武器を手に入れる必要があったこと

私delyを撤退した2年前から、1プロダクトで1000億企業を作ると宣言してまいりました。しかしここ半年ほど多くの素晴らしい方々とお会いし、視座が上がったこと、そして1000億企業を作っても自分の目的は達成できないことを認識し、1兆円企業を作りたいと考えが変わりました。
そこでクラシルについて考えると、類似企業を見てもメディア事業単体では1000億円程度の時価総額までしか達成できないのではないかと考え悩んでおりました。社長の仕事は事業の桁を変えるような戦略、戦術を考えることと思っており、とにかくここを考え尽くしました。

そこでこの提携案が上がってきたわけです。そしてこれをYahoo!小澤さんとディスカッションし、お互いの見ている方向性と考えが一致したため3ヶ月以内に実行しようということで動きました。
この提携で僕ら得られる事は以下にあります
**
・勝負を決定付ける一手を打つこと
・5年-10年という時間を買うということ
・自社だけではできない大きなことを成し遂げるということ
・大きい資本をバックにつけるということ
・巨大企業を利用させてもらうといこと**

今までdelyは短期間で多くの増資をしてまいりました。事業上でも多くの工夫や努力をしてきたことで順調に事業は伸びておりますが、やはり競合企業が多い故に、どれだけ資金をエクイティーで調達してもシェアをダントツで取ることは非常に難易度が高いことです。ある意味不毛なチキンレースに近いです。

そんな中で勝負を決定付ける大きな一手を考え続けておりました。孫正義さんは勝負は"構え"だと以前におっしゃっておりました。つまり戦は戦う前から決まっていて、メンバーがどんなに頑張っても、軍師が立てた戦略や、事業モデルが誤っていれば勝てないと解釈しております。

私の中でのその"構え"がYahoo!との事業提携です。日本トップクラスのメディア企業、最大のネット企業、そして強力なキャッシュエンジンがあり、親会社には世界最高の投資家孫正義さんがいます。そして今回の決断を大胆にしていただいた、優れた新生Yahoo!の経営チームがいます。delyのビジョンを達成するためにも、そしてその達成までの期間を短縮するためにもこの提携は必須でした。私が作りたい世界を実現させるためには間違いなく1000億以上の投資が必要だと考えおり、それは僕ら自身の利益から創出するとなれば大変時間がかかります。しかし今回の提携によって、巨大企業であるYahoo!と共にそれを作っていける可能性があるということが何よりも重要なことです。僕らの独立した経営体制を尊重することを約束していただいていることも今回の提携で大きな決定打になっており、僕らはしっかりと単独でのIPOを目指します。

Yahoo!に関して一つ触れさせていただくと、今のYahoo!には川邊さんや小澤さん、宮澤さん、田中さんのような突出したリーダーがいらっしゃり、私は今回の提携含め大胆にそしてスピーディーなYahoo!は本気で生まれ変わり世界で戦える会社になると信じております。今物凄いスピードで動いており、とてもワクワクするような会社です。私自身もまずはdely自体を大きく成長させこのYahoo!様の大胆な決断を正しかったと証明すると共に、このYahoo!自体も魅力的な企業にできるよう少しでも尽力できればと思っております。(ちなみにYahoo!側からは一切求められていません笑)

巨大企業と組む時点で終わった会社になる、などの批判もたくさんいただきましたが、それは僕らが否定できるよう、新しいベンチャー企業の選択肢として成功事例を残します。

最後に

最後に私の思いを書かせてください。
delyという会社は私が大学受験の前日に3.11の東北大震災で酷くショックを受け、それがきっかけで設立されています。私はその時初めて自分が平和ボケしていたことに気づき、自分の無力さが死ぬほど悔しかった。人が流され、家が流され、原発事故が起き多くの方が犠牲になっているのをテレビの画面で見守ることしかできなかった。

その時にたまたまテレビで見たのがソフトバンクの孫正義社長。100億円を寄付すると言っていた。経営者という職業が魔法使いのように見えた。そんな大きく世の中を動かす力を、自分が助けたいと思った人を助けたい時に助ける力が欲しかった。それから7年まだ何も為せていないが、少しずつ当時の思いが実現しつつある。今回の関西の災害でもまだ何かを大きく変える力が僕にはないわけだが・・・

意図的に昨年孫正義さんの名前を出し続けてメディア露出をし、それを孫社長がたまたま発見しなんだこいつはと気にかけていただき、大型の資金調達が決まった。そして今回の提携。
初めて孫さんに話した5分間震えるほど緊張した、『あー、この人が7年前僕の人生を変えた人か。』そしてその人の目の前で僕が話し、思いを伝えていた。人生で初めてレベルで震えた。そして孫さんと少しだけ一緒に物事を為せるのである。夢は叶うなと思うと同時に、まだまだ何も人を助けられないし、孫さんが余計に大きく見える。今僕が赤字30億を出している状況は孫さんがボーダフォンを買収した時と同じで大きく批判され誰にも理解されないかもしれない。しかし僕は絶対に成功させる自信があるし何があっても諦めない。



4年前に立ち上げたフードデリバリーサービスのdely。ずっと社名になんで残しているんだとみんなに聞かれたが、なんとなくと答えていた。実際はクラシルを始めた時にもしかしてと思ってとっておいた名前だ。一回負けてそのまま引き退るような僕ではない。何度でもやってやる。多くの逆風とか逆境とか批判がある中でも僕は自分自身と僕が心から信頼する仲間と共に自分たちの決断を肯定できるよう全力でまた思いつくであろうどデカイ夢を実現したい。僕らは太陽のように世界に影響力を持ち、太陽のように熱く野心的な目標を持ち、太陽のように世界を明るく照らすという意味合いを持つ"Be the sun"というビジョンがある。これはとてつもなくデカイ夢だし周りから笑われるくらいだと自覚している。でも僕らが諦めず今までの4年間のように挑戦し続ければ無理じゃないと思っているし、少しずつ凡人である僕も成長して自分達が最高の人生だったなと思えるよう挑戦し続ける。





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Yusuke Horie

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