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Resilireでの挑戦:VCからスタートアップの最前線へ

こんにちは。2023年12月にResilireに入社しました、小澤と申します。
私はResilireに入社するまではDNX Venturesという日米クロスボーダーのVCで投資担当をしていました。Resilireは投資担当していた中の1社でしたが、VCとして様々な経験をしていくうちに、Resilireに参画したいなという気持ちが芽生え、2023年6月から出向という形でResilireの業務に携わり始めました。

このNoteでは、投資家という立場からなぜResilireに参画したのか、Resilireに入ってみてどう感じるか、私のこれまでの経験を織り交ぜながら書いています。
VCの方々含めて、スタートアップにチャレンジしてみたいと思っている方に読んで頂けると嬉しいです。

【プロフィール】
新卒で三井物産株式会社に入社後、米州地域のインフラ開発や現地事業会社の経営管理・支援に従事。その後、スタートアップ投資やテック領域のM&Aを担当した後、2021年9月にDNX Venturesに参画。Vertical SaaSを中心に新規投資や投資先支援に従事した後、2023年12月にResilireに参画。



これまでのキャリア

幅広い経験ができた商社時代

私は新卒で入社した三井物産という総合商社に8年間在籍しました。前半4年間はアメリカやメキシコの大規模インフラ建設プロジェクトを担当し、後半4年間は小売領域やクリーンテック領域のスタートアップ投資やM&Aプロジェクトを担当しました。
総合商社は通常新卒で入社した部門の中でキャリアアップしていくことが多いのですが、私の場合は「20代は様々な経験をして自分の幅を広げたい」と漠然と考えていたので、自ら志願してインフラ部門から小売部門、そこからエネルギー部門と複数部門の異動を経験しました。
8年間ずっと投資を担当していたことから、財務諸表や契約書の読み方といったビジネスの基本を身につけられた他、様々な部門を経験したことからか自然と知的好奇心と環境適応能力を身につけることができました。

VC時代の様々な出会い

幅広い経験ができたことと、最後に所属したエネルギー部門で経験したUSのスタートアップに関わる仕事を忘れることができず、「本格的にスタートアップ投資を仕事にしたい」という想いが沸き起こり、DNX Venturesの門を叩きました。
DNX Venturesでは投資担当としてシードからグロースステージまでの幅広いステージの投資を遂行した他、既存投資先の支援にも積極的に携わらせて頂きました。

DNX Venturesでは多くの案件を担当させて頂き、スタートアップの経営について多くの起業家・経営者から学ぶ機会が多かった他、代表の倉林さんの日米スタートアップネットワークを通じてグローバルな目線で物事を見る機会が多かったことも、知的好奇心旺盛な私に取っては刺激的な毎日でした。

一方で、投資家は起業家に対して長期間伴走することが求められる中で、「自分自身は起業家と長期間伴走できるような経験や知見を持っているのか」と自問することが多くなったのがDNX Venturesでの2年目でした。私自身は海外スタートアップに関するリサーチや起業家とのディスカッションといった戦略面での支援をしていましたが、特にアーリーステージでは戦略以外にも採用や顧客獲得、プロダクト開発等多くの支援が起業家から要請される中で自分自身のできることが限定的で歯がゆい場面が多くありました。
実際に、支援先の経営者の方から「小澤さんのリサーチ内容はプロダクト開発という現場目線が足りない。一度プロダクトを生み出す経験をした方が良い」とフィードバックを頂いたこともあり、この頃から潜在的にスタートアップ側に飛び込むことを考え始めました。

Resilireへ入社した理由

Resilireには、悩みに悩んだ末に意を決して入社をした、というよりは自然な流れで入社することになりました。ある日、代表の津田交えてVCやスタートアップの友人数人と食事していた際に、
「小澤さんはVCでも良いけど、もっと違うチャレンジをしても良いのでは」とある友人が言ったことをきっかけに、話が終わった時にはResilireの選考を受けることが決意できている状態でした。自分自身全く予期していなかった展開だったのですが、過去の経験を振り返ると、商社時代にはサプライチェーンの寸断で担当していた建設プロジェクトが納期遅延をする等、サプライチェーンの重要性を認識する機会が多くあり、また、DNX時代も入社時に製造業の調達・購買向けのSaaSに関する投資仮説をプレゼンしたり、Vertical SaaSと呼ばれる特定産業向けのSaaSを研究する等、Resilireへの入社は今までの点が線になる、まさにConnecting The Dotsを体現する選択なのではと感じ、迷いなく意思決定できた自分がいました。
振り返って、なぜResilireに入社することを決意したのかを言語化すると以下の三点になります。

代表津田の経営者としての魅力

DNX Ventures時代からResilireを担当していた中で、Resilireの最大の魅力は代表津田の経営者としての魅力でした。当時は投資担当として、海外スタートアップのディスカッションや採用支援、他DNX Venturesの投資先紹介など様々な支援をさせて頂きましたが、思い返すと津田の経営者としての魅力は①学ぶ姿勢、➁周囲を巻き込む力、③コトに向かう力の三点だと思います。様々な支援を気持ち良くさせて頂いたことから、投資家としてResilireへの貢献を感じることができたことが、「この会社にもっと貢献したい」という想いに繋がりました。

シリーズA前のアーリーステージであること

せっかくスタートアップに飛び込むのであれば、シリーズA前のスタートアップが良いと考えていました。VC時代に、多くのスタートアップがシリーズAの後に急成長していたのを見て、入るのであれば成長の土台作りに自分自身で関わっていきたいと思っていたことが大きく、また、この先スタートアップでチャレンジできる機会も多くないことを踏まえ、せっかくならということでよりリスクの大きいシリーズA前のスタートアップでチャレンジすることを決めました。

巨大なサプライチェーンリスク管理という市場

VCが潜在投資先を評価する際に重要な項目の一つが市場規模の大きさ、つまり潜在投資先がどの程度まで売上規模を拡大することができるか、という項目があります。せっかく飛び込むのであれば大きな規模感で成長を目指せ、将来的には時価総額1兆円まで目指せるスタートアップでチャレンジしたいという想いがあったことから、スタートアップが向き合っている市場も重要なポイントでした。
Resilireが対峙する製造業向けのサプライチェーンリスク管理という市場は、新型コロナウイルスによるロックダウン等を契機に、グローバルで徐々に市場が立ち上がっていることから市場としては黎明期です。一方、元々の商社での経験も踏まえて以下のようなことを考えた結果、サプライチェーンリスク管理という市場のポテンシャルを確信することができました

  • ユーザー企業となる製造業セクターは依然日本におけるGDPの約20%を占めていること

  • 調達・購買部門向けソフトウェア市場では大手外資ソフトウェアベンダーが主流となる中で、Resilireはサプライチェーンリスク管理という全く新しい切り口でユニークな既に立ち位置を確立していたこと

  • 足元の感染症や地政学リスクの拡大を要因として製造業セクターにおけるリスク管理への感度が上がっていること

実際に飛び込んでみて

Resilireには2023年6月から出向という形で携わっていますが、実際に飛び込んでみると、これまで経験してきた投資やプロジェクト型の仕事の進め方とは全然違うので、今でも苦労しています。アーリーステージならではという点では、これまでのプロジェクト系の仕事では個人として任された特定領域の業務の遂行が求められた一方、アーリーステージスタートアップでは役割にとらわれずに幅広く事業として求めていることに対応する、という点が大きな違いです。
尚、幅広いことに対応するといっても、会社として一定成果を出すことは当然求められます。そんな中で、Resilireでは各メンバーがそれまでの経験で培った専門性やスキルを活かして、コアとなる領域で成果を出しつつ、それでも足りない所は各メンバーでサポートしあうようなイメージになります。
私自身は事業開発や財務等の領域がコア領域となる一方で、足元ではセールスやパートナーとのアライアンスなども担当しており、日々経験がないことの連続ですが、そんな中で暗中模索にならずに羅針盤となるのがResilireの4つのバリューです。

Resilireにおける4つのバリュー

壁にぶつかった時や事業としての意思決定の際にはこれらの4つのバリューに沿って、メンバー同士で議論し、最適な意思決定を導き出すことで経験がない問題に対しても対処することができています。
「経験がない事柄に対してバリューに基づいてチームで最適な意思決定を導き出す」と聞くと、良く聞くかもしれないフレーズですが、実際にスタートアップに入ってみて「言うは易く行うは難し」を実感する毎日です。

終わりに

明治の時代から日本の産業振興に貢献した三井物産、B2B SaaSスタートアップへの投資を通じて日本の産業アップデートに取り組むDNX Venturesと、何れも日本産業に貢献してきた会社で働かせて頂きました。
Resilireは「データでサプライチェーンをアップデートする」をミッションに掲げて持続可能なサプライチェーン構築を目指すスタートアップですが、Resilireでの事業を通じて日本の産業が持続可能な形で成長できる基盤を構築できたらと考えています。
私が好きな言葉に、三井物産創業者の益田孝の以下の言葉があります。

眼前の利に迷い、永遠の忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む

私自身はこの言葉をResilireのバリューの一つであるBe Rightと重ねていますが、眼前の利に迷うことなく、Resilireの事業成長に貢献できればと思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
最後になりますが、Resilireでは持続可能な産業基盤の構築に向けて、積極的に仲間を募集していますので、ご興味を持って頂けた方はお気軽にご連絡ください!