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光の箱

海外の小さな町や村の様子が収められた本を見た時に、多種多様な町を形成する要素の中で「家」に興味を持った。街並みの説明が中心で、隠れている家々の私生活が気になったからである。日常の生活も同様に、家の外観を見て家と認識しているのではないだろうか。実際はそれぞれの家の中に、それぞれの質感が存在する。染み付いた匂いや色や光、そして時間がある。家の意味は「人の住む建物」であり″人の住む″はまさにその質感にあたる。質感の分からない外観の家は「箱」を見ている事になる。見えない箱の中身は無限の想像で解釈される。内と外を繋ぐ窓からの光が箱の中の想像を形成する。それは話したことのない他人をあれこれ想像する感覚に近い。家と人を見る視線はどこか似ている。


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