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学校教育による思考回路

9年コーチをやっていると、就職活動の相談をしてくる後輩も少なくありません。

その都度、

「やりたいことが分からない」

と言いながら悩んでる姿を見るととてもショックな気持ちになります。

一緒に必死こいて楕円形のボールを追いかけて、目標に向けて毎日のように努力していたのに、、、

自分のプレーにこだわりをもって、周りと鼓舞し合っていた全力少年はどこにいってしまったんだ、、、

という少し悲観的な気持ちになります。

そこで考えてみました。

なんであそこまでアメフトに真剣に打ち込める人間が、その精力を自分の将来のために使えなくなってしまうのか。

それは今まで僕たちが受けてきた学校教育の中に大きく2つの解があるのかな、と思いました。

これを考えるにあたり、教育=学校という考えが強かったので学校のはじまりから遡ってみました。

①個を逝かす教育

そもそも学校は産業革命に伴い生まれました。

簡略的に書くと、子供も工場で働いていたが労働環境も悪く死者が多数出てくる、そしてやっぱりしっかりと学ばないとダメだよね、となり生まれたのが学校です。

ものつくりが主流な時代なわけですから、学校では"工場で生産的に働くこと"を最大の目的として勉強をしてたわけです。

工場での生産性といえば単純作業を繰り返しなので、"言われたことを正確にこなし続けること"が「正」だったんですね。

今はどうか。

みなさんは学校で学んできたことが今どれだけ活きていると思いますか?

僕の答えは1割ぐらいです。ざっとですが。
英語を好きになるきっかけになる程度の1割で、他の国語・算数・理科・社会においては全くもって使ってません。もはや覚えてません。

それでもこの世の中で良いとされる大学に行ける人はこの国語・算数・理科・社会・英語の点数が取れる人なんですよね。

結局は答えのある問いに、あるべき公式や文法を当てはめて、"従順にこなせる能力"が「正」であり、昔となんら変わりはないと思います。

それは年功序列という日本特有のピラミッド社会が作りだした要素だと思います。

長くいればいるだけ強い。
下の人は上の人の言う事に従い、耐える。
あと少し耐えればいつか自分もあそこに、、、

このような社会で生きていきたい人には、"言われた事を従順にこなす能力"磨きに尽くせば良いでしょう。

なぜそうなってしまうのか。

これも、あなたの周囲からの言葉による洗脳と、社会構造からきてると思います。

例えば、下記のような成績を取ったとしましょう。

英語5/国語1/算数2/理科3/社会3
どう思いますか?


英語いいですよね。
ただ、学校の先生にはなんて言われましたか思い出してみてください。



英語はいいけど、国語と算数ももっと頑張ろうな。言われたことありませんか?

一概には言えないですし、あくまで一例ですが、この生徒は英語が好きだからこの成績がとれてるんですよ。

それなのにそこには目を向けずに悪いところを平均に近づけようとする。

先生の教育に限らず、家庭でも同じようなことはあり得ます。

例えば

~君家はまだ携帯もってないんだからまだ買わなくていいでしょう。

~ちゃん達は〇〇してないんだから、あなたも〇〇やめなさい。

例を挙げればきりがありません。

黒と赤のランドセル背負って学校に行く、
制服を着て中学/高校に行く、
同じタイミングで仕事を探し、同じタイミングで働きはじめる

なんとなく生きてるようで、そのなんとなくの生活が、日本人を"周りと同じ"ように生きるように促されていたんですよね。

社会構造の面についても同じようなことです。

そもそも同じタイミングで就職活動をして、同じタイミングで就職をする。

そこから新入社員はどこに配属になるのか分からない。何をするのか分からない。

言い換えれば何でもやらされるわけです。

企業のマインドを染み込ませるために何も出来ない学生を育てて、会社が使いたいように使っていくんです。

でもそれを不思議だと感じる人は少ない。

なぜなら今までも好きでもなかった科目を勉強させられ、平均点を取れるように仕向けられてるわけですから。

これらが今僕が考える日本の"個性"を活かさず、平均点の人間を生み出す教育構造です。

②将来の夢ありますか?

自分の将来にやりたいことをやろう!て考える機会が少ないことがもう一つの原因かなと思います。

いきなりですか、
あなたは今将来の夢はありますか?

小学生の時の卒業文集で僕はプロ野球選手になりたいと書きました。

他にもお花屋さんや、パン屋さんとかみんなありのままの夢を書いていたと思います。

小学生の夢って"好き"って感情とか"かっこいい/かわいい"からきてることがほとんどだと思います。

でもそれをいつまでも言ってると、周りから「それは無理だから」「不安定だから」て雰囲気でなんとなく違う方向に諭されて、気付かぬうちに夢を諦めてるケースって少なくないと思うんです。

もちろん中には夢に向かってる途中で挫折して、自分で決断する人もいれば、単純に他にもっと好きなことを見つける人もいるとは思います。

でもほとんどがその夢を諦めて、そこから夢を持たなくなる人がとても多いと思います。

これも①で書いたことに通ずるのだと思いますが、気づかぬうちに自分達の中で、

いい大学に入って、
いい企業に内定もらって、
安定した給料もらって、
家買って、、、

というのがこの世の正解という考えに陥っているんだと思います。

僕自身も振り返ってみれば「何やりたいの?」て聞かれた記憶が小学生あたりからありません。

そこから自分の好きな事に打ち込もうとする機会が減っているのだと思いました。

以上の2つが、僕の考えるキラキラしていた後輩達が、将来に頭を抱えている大きな原因だと思います。

学生のうちに社会に触れる機会も少なく、洗脳的な教育を受けてきた人たちが、いきなりリクルートスーツを着て、合同説明会とやらにいって、その中から上部だけの興味でピックアップして、志望動機を"聞こえの良い文章"ででっちあげる。

そんなんで心からやりたい仕事なんて見つかるわけがないんですよ。

これを解決するには、まずはこのような考えがあることを日々のコミュニケーションを通じて生徒達に伝えたいと思ってます。

そして、アメフトを好きになり、没頭してもらうことで、

「自分が好きになればここまで打ち込める。幸せになれる。」

ということを伝えたいです。

人が一番幸せを感じる時って、
"何かに夢中になっている時"だと思うんです。

その中身はそれぞれですが、気付けば夢中になってる時って時間ってあっという間に過ぎていくもんじゃないですか。

そんなことばかりできる人生、、、
そこに向かって進んでいける人になってほしいと思っています。


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