「ブランド価値」は、テック企業に独占されつつある

Interbrandの報告書『Best Global Brand』2017年版を眺めていて気になったことをまとめてみた。

・そもそもブランドはどんどん大事になっている

(Source: Interbrand)

ブランド価値の高い企業群は、MSCIワールド指数(先進国23カ国に上場する大・中型株が対象)と比較して企業価値がより向上している。

そして、機能そのものよりも、買うことが嬉しいか、持っていることが誇らしいか、使っていて気持ちいいか、インスタ映えするかが重要な時代。ブランドの重要性はどんどん上がっているといえるはずだ。

 ・トップ3はアップル、グーグル、マイクロソフト

まずは、『Best Global Brand』のランキングトップ10をみてみよう。

1. アップル
2. グーグル
3. マイクロソフト
4. コカ・コーラ
5. アマゾン
6. サムソン
7. トヨタ
8. フェイスブック
9. メルセデス・ベンツ
10. IBM

この10個のブランドが、Best Global Brandトップ100社のブランド価値の42%を占めている。

・とにかくテック企業が強い

トップ10に、テック企業のビッグ5の頭文字を取ったFAMGA(Facebook, Apple, Microsoft, Google, Amazon)が全員顔をそろえている。

トップ10だけじゃない。

セクター別に見てもテクノロジー・セクターがナンバーワンで、100社のブランド価値の36.1%という数字を叩き出している。第2のセクターである自動車でも14.3%、第3の金融サービスが6.5%なので、圧倒的だ。

(Source: Interbrand. 図は筆者作成)

・テック企業は伸びまくっている

伸び率トップ3もテック企業だ。

1. フェイスブック +48%
2. アマゾン +29%
3. アドビ +19%
4. アディダス +17%
5. スターバックス +16%

セクターごとの伸び率では、リテールが1位、スポーツ用品が2位とテクノロジー・セクターは3位となっている。

ただし。

1位のリテール・セクターの価値の67.2%をアマゾン、13.7%をeBayが占めている。どちらも、テック企業でもあると言えるだろう。

(どちらもリテールの企業がテックを取り入れてブランドが向上したのではなく、テック発のリテール企業だ。ちなみに残りの19.1%はイケア)

・絶対値でもっともブランド価値が伸びたのもテック企業

ここまで来ると言うまでもないけど、せっかくなので絶対値もみておこう。ブランド価値の増額分(新規ランクイン企業を除く)でも、トップ5はFAMGA。

1. フェイスブック
2. アマゾン
3. グーグル
4. マイクロソフト
5. アップル

・新規ランクイン企業もテック企業

新規ランクイン企業は3社で、企業価値のランキングでは

1. ネットフリックス
2. セールスフォース・ドットコム
3. フェラーリ(2008-13年まではランクイン)

と、ここでもテック企業が存在感をしめしている。

「ブランド価値」は、テック系企業に独占されつつある。

以下、おまけ。

・日本企業は苦戦している

日本企業は6社がランクイン。

7. トヨタ
20. ホンダ
39. 日産

と自動車メーカーが3強。

続く3社は電機メーカー。

52. キヤノン
61. ソニー
75. パナソニック

100社のブランド価値が平均で4.7%伸びているなかで、残った日本企業は-3.4%と減少している。

(ちなみに、Moosylvaniaという広告代理店によるミレニアル世代向けブランド調査では、ソニーが4位、任天堂が17位と善戦している。プレイステーションやWiiなどの影響が強いのかも知れない)

・テック企業に脱皮できるかがブランド価値に影響する?

日本の電機メーカーの中で唯一ブランド価値が2%向上したソニーと、サムソンを経年比較したのが以下の図だ。

(Source: Interbrand)

水色がサムソン、緑色がソニー。
2005年に逆転されて以降、その差はどんどん開いている。

そして興味深いのは、ソニーはエレクトロニクス(電気機器)セクターとされているが、サムソンはテクノロジー・セクターに入っていること。

もちろんそれだけでは分からないのだけど、テック企業に脱皮できるかが、現代においてはブランド価値に影響するという可能性はあるかも知れない。

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井上 裕太

都会の暮らしにフィットするバリ島家具のブランド"KRAS(クラス)"のCOO(チーフ・オット・オフィサー)。 部屋に置いた瞬間から、そこには南国の風が届きはじめる。腰をかければ、やわらかな時間が流れはじめる。 さあ、あなたの毎日に小さなBaliを。Live with Bali.
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