さよなら。

一昨日の晩、長きに渡る闘病の末、岐阜に住む叔父が亡くなった。父のすぐ下だった彼は若くしてゼネコンに入り、日本の高度経済成長を支える発電ダム建設に携わり、アジア圏のダムや発電プラントにも大いに貢献してきた苦労人である。ぼくが小さい時分、現場の崖から四駆ごと滑落し、重傷を負った身体でなんとか這い上り九死に一生を得た生命力の強い人でもあった。

息子は岐阜関商工でラグビーを始め、高校選抜チームで渡英、今をときめく帝京大のフルバックをする程の猛者であったが、試合中頸椎を損傷し引退、今も高校ラグビー強豪校の理学療法士をしている。娘は同じく関商工からバレーボールの選抜選手となり実業団選手となっている。ぼくもスポーツは得意な方であるが、この兄妹の図抜けた能はおそらく叔父貴の遺伝なのだと今も思う。

いつも酒を飲んで陽気な叔父。
経済的に行きたかった大学へ行けなかった叔父。時に見せる厳しい顔は今でも脳裏に焼き付いている。長生きしたよ。なぁ、叔父貴。俺ァ二徹で葬儀には行けねえけどよ、ゆるしてくれろ。
叔父貴の事は忘れねえからよ。おれがそっち行ったらみんなで飲もうぜ。やくそくするよ。そろそろ骨上げの時間だな。叔父貴、ありがとう。

さよなら。

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