【一冊目】逆木漏れ日

画像1 木漏れ日。茂った木の葉の間を漏れてさす日の光。そんな木漏れ日には、影が生まれる。だが、日の光によって、木を見上げると、木自体が木の影にも見える。木の影と、木の影のような木。そのまま【逆木漏れ日】としてみた。英語訳が難しいため、komorebiとそのまま書くこともある。
画像2 まるで毛細血管。毛細血管いっぱいつまってるとこ、わき!
画像3 ジャングルの入り口のような茂み。本当はただの茂み。高さも実は腰元くらい。見方を変えるだけで、見え方がさまざまになる。
画像4 不思議な空に、逆木漏れ日。いたってどこにでもある風景も、写真では異世界になれる。ありふれた人であっても、特別になれる。
画像5 赤みがかった逆木漏れ日。コントラストや明度をいじることで、より部分を特化させた写真へ。どれもそれなりな値よりも、どこか特化した方がよく見えるもの。
画像6 繊細な枝まで。木は何色?と問われたら、あなたは茶色と答えるだろうか。人間は扱う情報の多さを、思い込みで補う。コンピュータに勝てるわけがない。
画像7 淡いヴィンテージスカイ。ぼけてみえるか、鮮明に見えるか。背景が変わるだけで、木の印象も大きく変わる。あなたの背景には、どんな物語があるのだろうか。
画像8 明るめのヴィンテージスカイ。青みがかった木。いりくんだ枝。他には何が見えるか?
画像9 生の写真。何の加工もせずに、レンズからの生の写真。生。そこにはエロさを感じる。
画像10 夜空の星に成り代わるイルミネーション。アート写真では「どんな写真か」という現実よりも「どう見えたか」が重要に思う。それこそが写真家の意図をくみ取ることであり、その人の感性。
画像11 天の川の夜空。遠くに見える星か。星に見えた目の前のLEDか。どちらであっても、配線を巻かれた木にとっては、関係のないことだ。
画像12 繊維枝。空気の汚れか、写真の汚れか、そうみせる加工か。我々はデータ的な事実とは別に、無意識に予測する。無意識に問いかける。
画像13 自分のお気に入りの写真。周りの暗さと映える色と被写界深度と影と奥行きと目線と。すべて重なった感覚がある。まさに「気持ちいい写真」
画像14 絵画のような写真。写真のようなリアルな絵を描くか、リアルの写真から絵のようにするか。人々は、その「背景の物語」を求める。だがその前に、それ自体に興味がないといけない。そもそも興味のないものに、物語があったところでとなる。だが、その物語にこそ惹かれることもある。
画像15 この、木の上にある高速道路が入らないように試行錯誤した写真。立派な木の印象がある。もしかすると、セレブであれば、この写真を撮るためだけに、一部、高速道路を解体させるか、木を掘って移動させるかを、するかもしれない。
画像16 怪我をした木。ではないが、そう思わせる物語性。木に意思があるかどうかに関わらず、ここに連行されて、一生を排気ガスに浴びせられる運命。そう、「我々の環境のために」だ。この木にも家族がいたかもしれない。生まれた場所で。
画像17 GODZILLAvs"MEKA"GODZILLA。戦いなのか、協力なのか。取り返しのつかないことになる前に。
画像18 GODZILLAvs"MEKA"GODZILLA。広がる枝木と、張り巡らされる電線。目的は同じ。どちらも、生きるために。
画像19 白黒。モノクロ。しかし、真ん中の斜線のある電線には、黄黒を感じる。
画像20 朝日のようなライトに、陰影の逆木漏れ日。どこにでもある風景こそ、どの人にもささるかもしれない。知らんけど。
画像21 雪化粧。いや、夏に撮った写真。写真はもはやフェイクである。目だけでは、もう見分けなどつかない。いや、そもそも目でさえ、見分けられていなかった。
画像22 まるでボールペンや鉛筆で描いたかのような写真。これは、膝元くらいまでの茂った木々を、下から撮ったものを、加工したもの。加工しているときは、まさかこんな姿になるとは思わなかった。意図せずこうなった。
画像23 逆木漏れ日であれば、大きな木だけでなく、小さな草木でもできるんじゃないか、と定義を広げた。かなりしゃがんで撮ったため、恥ずかしさもあった。
画像24 真っ暗に見える写真。しかし、よく見ると枝が見える。 SNSでは、よく見ないとわからないものをすっ飛ばし、簡単に惹き付けられるものだけを見る。
画像25 デジタルな逆木漏れ日。青い枝木は、その色によって、デジタルを感じさせる。
画像26 うっすらと、見えずらい。わかってはいても、なかなか行動できないときのように、わかってはいても、経験や体験はまだだから、わかりきれていないときのような。
画像27 加工。写真を撮った後の編集が好き。少しずつ想像した写真に近づいていく。現実も、少しずつ理想に近づいていく。現況とは違う高いコンフォートゾーンと、ゴールと、そこに向けてクリエイティブに解決するための、根拠なきエフィカシー。
画像28 加工前。生。なにかを証明するのに、写真は大きな役割を果たしてきた。正直者だった。
画像29 加工後。雪。写真は加工技術のコモディティ化により、嘘つきになった。
画像30 木のおばけのような顔に見える。 人は木のおばけだと誤認識し、AIは木だと認識するか。

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