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【八.五章】け、けいさつ!?

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「ここはヒッチハイクしたらダメなんよ」


!?なぜ!?
「ここは車専用道やから、歩行者はダメなんよ。」
一応、ヒッチハイクでここまで乗せてもらったことを話す。
「大阪から!?それはご苦労様です。ここで下ろしてもらったん?

ちょっとまってて。一般道まで送ってもらうよう連絡とってくる」
まさか、ヒッチハイクしてはいけないところがこんなところにあったなんて。
てっきり高速を降りたから大丈夫だと思っていたら。
ただ罰金とかそういうのなくて良かったって思った。
そうして黄色のヘルメットおっちゃんと待っていた。
お菓子があったので分けてあげたが断られた。
「そういうのは、受け取れないです」
別に毒は入れてないけどな~。
勤勉と言ったら聞こえはいいけど、全然貰ってくれてもいいのに。
この感じは、この"お菓子が嫌い"とか"いらない"というよりは、"そういうことしてはいけない"って感じだった。
そんなこんなで待っていると、、、

け、けいさつ!?
「警察の車ですけど別に悪いことしたわけじゃないのでそんな気にはならず土産話程度に」
あ、ありがとうおっちゃん。
というわけで土産話にさせていただいてます笑
そうするとこの車からおっちゃん二人が出てくる。
「何か身分証明書みたいなの」
「学生証でいいですか?」
もしヒッチハイクする人がいたら、"手ぶらで"とか"スマホだけで"とかするとしても、身分証明書はあった方がいいと思う。何かに巻き込まれたときとか、何かあったときにオワコンにならずにすむと思う。
そうして僕は警察の車両に乗ることになる。

【第十二号車 青森警察 】

「どこから来たの?」
「ヒッチハイクで大阪から来ました」
「ヒッチハイクだけで?それは大したもんやなー」
話してて思ったが、警察官ってコミュ力高い。
会話は弾むし、質問もたくさんあって話しやすい。
ここにきて意外な発見。
というわけでトラウマの一般道に出る。
大阪では初っぱなからこの一般道で2時間近くかかった。
ましてやここは青森。
さらなる不安が襲う。
信号も近くに見当たらない。
掲げるヒッチハイクしかできない。
ここでは寝ることもできない。
よくもこんなところで下ろしてくれたな!
とは、言わなかった。
だが車の通りは多いし、おそらくフェリーの方面が大半のはず。
再びスケッチブックを握りしめ、腕を頭より高く掲げる。

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