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食器を洗うために食器を洗う


食器の洗い方には2種類ある。

ひとつは、きれいな食器を手に入れるために食器を洗うやり方。

もうひとつは、食器を洗うために食器を洗うやり方。

本当に食器を洗うためには、食器の洗い方を知っていなくちゃならない。

もし食器を洗うときに、それが終わってから飲むお茶のことを考えているとしたら

その人は食器洗いをしている間にその場に存在することができなくなっている。

まだ存在していない未来に吸い込まれて、その間生きることができなくなっているのだ。

もし食器洗いもできなければ、その人はお茶を飲むこともできないだろう。

お茶を飲みながらその次どうするかを考えているのだから。

だから、本当に食器を洗うためには、食器の洗い方を知っていなくちゃならない。


これはThich Nhat Hanhの著書The Miracle of Mindfulnessの一部からの引用。


食事中なのに、なにか考え事をしていたせいでほとんど味わう暇もないまま

気づいたらほとんど食べ終わっていた!

という経験はないだろうか?


「あれっ?もうあと1口しか残ってない?!」

みたいな。


もしその場にいながら、そこに意識が向いていなければ、その間あなたはそこにいなかったことも同じだ。


今を経験せずに他のことを考えながら過ごしていた時間はあなたの人生からなかったことになってしまう。


すくなくとも脳にとっては、覚えていないのだから存在しなかったのと同じだ。


逆に今、そこにいることを覚えれば、自分の時間は無限大に増える。


食器を洗うときは、あなたにとって食器を洗うことが世界で一番重要なことであるべきなんだ。


「今ここにいる」ための第一歩としては、今呼吸をしていることに気づいてみてほしい。(してる?)


息を吸っていると気づきながら息を吸う。

息を吐いていると気づきながら息を吐く。


まるで命がかかっているかのように呼吸をしてみる。


ほんとにそうだから。


あなたが過去にも未来に吸い込まれず、今を本当に生きられますように。

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