見出し画像

【ドリルを売るには穴を売れ】はホントにムズいのよ!

よく言われる話だけど、これ実はかなり、現実的な使いどころが難しいよって話。

コラムです。

商品企画でも販促でも、顧客に対して強く伝えるのは、「ドリル」じゃなくて、ドリルを使って開ける「穴」の方だよ!ってのが元々の話です。

顧客はドリルが欲しいのではない、穴をあけたいのだ。なんなら、穴をあけて何かを作りたいのだ。そしてその何かを使って叶えたい本当の望みは・・・みたいな。

手段を提供するのではなく、本質的な欲求を見極めてそこを刺激しろ、と。

最近プチバズったのて言えば、ジャパネットたかたのお取り寄せグルメのツイートよね。お取り寄せグルメを「孫に会える」という切り口で売るんだから。

ジャパネットたかたモデルで言えば、穴の先にある欲求は「孫に会えること」であり、ドリルは「お取り寄せグルメ」なのだから。
(実際は1つの訴求軸として使ってるだけなので、ちゃんとグルメとして商品もきちんと成立していることも重要だよ)

ドリル:お取り寄せグルメ
穴:美味しい
穴の先にあるもの:孫に会える

これは簡単そうに見えて、私たちが使う方法論としては、本当に本当に難しいと思うのよね。(本題)

それなのにみんなこれを単純に考えて、記事LP作るもんだから、大体どんな化粧品もさ、

「同窓会でビックリ!」
「景子が今でも若さを保っている秘訣はコレダ!」
男性向けだったら「モテる!」

とかになっちゃうよね。(分かるかな)

シチュエーションはPTAの会合でも、授業参観でも良いけどさ、要はこのシミ対策、しわ対策化粧品(ドリル)を使えば同窓会でみんなが驚く(穴をあけて実現したいこと)、みたいな。

ドリル:化粧品
穴:シミシワに効果がある
穴の先にあるもの:同窓会でちやほやされる

あまりにも一般的な、あるあるストーリー過ぎて、誰の心にも刺さらないのよね。何買ってもちやほやされちゃう。




どのLPでもみんな同じこと言ってるじゃん。

化粧品で提供できる本質的な欲求訴求が結局、「キレイになった私がどんなシチュエーションで輝くか」だけになってる。

そんでもって、ストーリーにユニークさが足りないこともあって、ほとんどスルーされて、もはや顧客が「どのドリルがふさわしいか」を見ちゃってるよね。化粧品なんて「保湿」「シミ対策」「しわ対策」くらいしかベネフィットがない。

「顧客がドリル売場に来ちゃった状態」の場合には、穴を空けて得られるものをどれだけ話しても、手遅れ。

顧客が化粧品を選ぶ気持ちになっちゃった時点で、「同窓会で輝くあなたネタ」は、どの商品でも当てはまる、ありきたりなストーリーになってしまうのよねツラい。

言ってしまえば、5秒で穴を開けられます、いやうちは世界初、4秒で開けられます!うちは充電式!とかそういうレベルで戦ってる。

勉強熱心なみんなが神田先生の本を読んだり、売れるLPを追求していったせいで、もはや「穴を売る」話は刺さらない。




じゃ、どうするか。

一番の解決方法は、顧客がドリル売り場に来る前の段階で、他の商品と比較したり選ぶ気持ちにさせることなく、購入まで一気に持って行ってしまうことなのよね。(ジャパネットたかたのグルメ)

他の商品と比較しようとは思わない流れで購入までもっていけるかどうか。

でもこのジャパネットたかたモデル、本当に難しい。もし実行するなら、「ドリルを売るには穴を売れ」がまだ使えるジャンルを見極めるしかない。


先日バスの中で家の耐震補強の広告を見たんだけど、

「この家で、成人式に送り出したいから」

ってキャッチがあって。個人的に少し刺さったんですよ。家の耐震補強のリフォーム屋さんですよ? おおお!と思いました。

「地震に強い家に!」とか
「資産価値が上がります」とかではないのよ。

感情に訴える、「子供の成人式まで、この家を守りたい」(意訳)なのだから。

ドリル:耐震補強(免震)
穴:家が地震に強くなる
穴の先にあるもの:子供が大きくなるまで同じ家で過ごせる幸せ


つまるところ、訴求開発がまだまだ進んでいないジャンルこそ、ドリルを売るには穴を売れ!が通じやすいのだと思う。

ジャパネットたかたさんのグルメ定期便は、まさにそこ。ブルーオーシャンだったのかもしれない。

ちょっとまとめると、

  • 欲求に対して予想外の解決方法の提案(孫に会いたいを、グルメで解決)

  • 予想外のタイミングでの提案(違う売場とか)

これが「ドリルを売るなら穴を売れ」の成功の前提かなぁ。

最初からドリルを探しに売り場に来ている人にその話をしちゃダメなんだよね。

穴を開けることを含めてドリルを提案するから、価値があるのよね。つまり、手段として「穴なんて開けようと思っていなかった人」に、ドリルと一緒に穴を売るのよ。

子供のクリスマスプレゼントを考えているお父さんにさ、手作りの木のおもちゃ作ってみませんかって言って、木材とノコギリとヤスリと塗料を売るのよ。

「そもそもおもちゃを買いに来たのに」だよね。

これが、ドリルを売るには穴を売れの、真価を発揮する意味。(予想外のタイミングに予想外の解決方法)


しかしながら私には、化粧品やサプリメントを販売する際に、ドリルを売るには穴を売れ!の考え方を持ち込んで刺さるイメージがもはや全く湧かないのです。

ただ、もし、化粧品ジャンルに応用するなら。思い付きですよ?

産後の薄毛に悩んでいる女性に、スキンケアで薄毛対策を歌っちゃうとかね! 例えば。


  • 知ってました? あなたの頭のどこからどこまでが頭皮で、どこからどこが顔の皮膚なのか

  • 実は繋がっていて、体内では境目なんてないんです、つまり全部スキンケアが必要!

  • そして毛細血管は全て繋がっているから、お顔に塗った成分が頭皮にも良い効果を産むんです!

  • だから、抜け毛に悩む貴方には、顔にも頭皮にもとても良い、塗る育毛剤です!(スキンケアにもメチャこだわり)


※LTV低そうだから安く取れないとダメ😇

何の科学的ロジックもない思い付き例ですけど、こう言う発想が、もはや「ドリルを売るなら穴を売れ」なのかもしれませんなぁ。そもそも、産後の薄毛に悩んでいる人に、別の解決方法を提案してるよね。(予想外のタイミングに予想外の解決方法)

ね? 難しいのよ。

しかし大変申し訳ありません。原著を読んでないのですm(__)m 知った風に語ってすみません。

ツイートしようとしたら長すぎてできなかったので仕方なくてnoteに。ではまた。

後編書いたのでこちら!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?