見出し画像

【企画が尽きない】医療ライターが実践する面白いネタ・人の探し方

「庄部(しょうぶ)さんのノウハウをライターの方々に共有していただけませんか?」

わたしが仕事をしている医療者向けウェブメディア「m3.com」の編集者からこんな依頼を受け、2020年6月に講師っぽいことをしてきました。

m3.comは、全国で30万人以上の医師が登録している医療特化の会員制サイト。2020年における日本の医師数が約34万人なので、およそ9割が登録していることになります。

上が、スピーチ用の原稿を記事化したものです。

編集部が開くライターを対象にしたZoom交流会の中で、わたしが実践する「ネタ取りの方法」「取材時の心がけ」「読まれる記事にするための工夫」について話したのですが、参加した15人ほどのライターの声を聞いていると、中でも「ネタ取り」に関心のある人が多いようでした。

「そもそもネタが取れない」と話す人もいたので、今回は医療分野を取材しているわたしが「面白い医師の探し方」に焦点を絞って記事を書きます。

「面白い医師」とは抽象的な表現ですが、この記事では

  • 多くの医師が行っていない

  • ちょっと変わった珍しい

  • 医療・地域・国のためになると思う

活動を展開している医師とします。

広くネタ取りの方法を知りたいライター志望者やライターの人にも役立つ内容になることを心がけます。

ネタを取るためには下の四つを組み合わせることが大切だと思います。

  1. ライターの問題意識

  2. 取材した人に教わる

  3. 各種媒体を参考にする

  4. デジタルツールで自動収集

具体的に書きますね。

ネタ取りの実績

まずは、わたしのm3.com地域版での実績を紹介します。

m3.com地域版は、全国各地のユニークな医療情報を届ける媒体で、主に外部の取材ライターが記事を書いています。

編集者によると、2020年6月現在、150人ほどのライターや編集プロダクション代表が参加していて、常時40人ほどが稼働しているとのことです。

わたしの実績は下の通りです。

  • 期間:2018年10月~2020年6月(1年9カ月)

  • 記事ネタ提案数:66(月に3本ペース)

  • OK:49

  • NG:17

  • 企画通過率:74%

m3.com地域版との仕事では、ライターが「企画」「アポ取り」「取材・撮影」「ライティング」「取材先への原稿送付・原稿修正」までを行います。

この間に、編集者による企画チェックと校正が入ります。

なので、上の「OK」「NG」は編集者に提案した記事ネタがOKだったか、NGだったかの意味。企画NGの理由は下の通りです。

  • 会社の編集者が取材するなど本部事情:7

  • 他ライターから提案済み:7

  • 媒体別枠に掲載済み:1

  • 他ライターと関係が深い:1

  • 媒体と合わない:1

ネタは常に3~10本ストック

わたしはこれまで月に3本ペースで編集部にネタを提案してきましたが、これは調整したうえでの数字であり、仕事を始めた当初からネタが尽きたことはありません。

常に3~10本ほどのストックがあり、自分の状況や気持ちなどを踏まえ、「どのネタをどのタイミングで提案するか」を考えてきました。

ネタが尽きないのはそもそもわたしが医療を専門に取材を続けているというライターとしての特性が挙げられますが、方法論も関係しているように思います。

四つのネタ取り方法

わたしの場合、着想の発端は先述した四つに大別されます。

  1. ライターの問題意識

  2. 取材した人に教わる

  3. 各種媒体を参考にする

  4. デジタルツールで自動収集

※わたしがネタ取りのために読んでいる媒体や活用しているデジタルツールも下に紹介しています。

※わたしのプロフィールの詳細は下のブログに紹介しています。

ここから先は

6,360字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?