MTG:スタンダード分析。ゴルガリ徹底解説!

「ラヴニカのギルド」発売!
過去のタルキール覇王譚しかり、ラヴニカへの回帰しかり、多色環境のスタンダードは面白い。
多色セットはカードが強めにデザインされるし、豊富な2色土地で出来ることも多いからだ。

今回のギルドはボロス、セレズニア、ゴルガリ、ディミーア、イゼットの5つ。
《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》などのギルドランドが無い色の組み合わせはデッキを組みにくいので、自然とこの5種類が中心になることが予想される。
まずマジックオンラインで数リーグこなして、当たって負けることの多かったデッキを元にスタンダードのメタゲームを考えることにした。

■主要デッキ把握
・イゼットスペルズ

《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》を中心に据えたデッキ。
初めて対戦したときには4ターン目に2体フェニックスが攻撃してきて、ゴルガリで《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》以外の除去では対処できないため連戦連敗。
早速自分で組んでオンラインで数リーグ回してみるものの3-2の連続。
どうしても《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》の落ち方に依存することが多く、またドロースペルだらけでデッキの実が薄いためマナフラッドに陥りやすい。
またタフネスの高いクリーチャーや、白ウィニーの横並びへの弱点が克服出来なかった。

イゼットスペルズを組むとしたら、スタンダード神挑戦者決定戦10位のデッキのように1マナドロー多めで《奇怪なドレイク/Enigma Drake》《最大速度/Maximize Velocity》を採用して自分のブン回りを優先した方が良さそうだ。※参考

・ボロスウィニー

軽量クリーチャー連打から《議事会の裁き/Conclave Tribunal》《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》で、まるでモダンの「親和」のような動きをする。
もともと白ウィニーの2マナ生物→《ベナリア史/History of Benalia》→《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》という動きはどのデッキも倒せる良い回りで、ゴルガリに関わらずどんな相手も倒せるポテンシャルがある。
これをチーム「曲者」の仲間に伝えたところ、井川さんが拾ってきたのがこのリスト。1コスト生物を優先して《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》を最大効率で出せるように構築されている。
1コスト生物と《英雄的援軍/Heroic Reinforcements》の相性も素晴らしく、また赤を足すことで《実験の狂乱/Experimental Frenzy》という消耗戦への解答を用意することが出来た。
高額レアがほぼ入っていないため安く組めるのも長所だ。

止まらないクロック!

《アダントの先兵/Adanto Vanguard》は新スタンダードで見直されたカードで、特に黒以外のデッキに対しては1枚で9点以上ダメージを稼ぐことも多い。
今後除去を選ぶ際は、《アダントの先兵/Adanto Vanguard》を除去できるかも基準となってくるだろう。


・青単

中速デッキにはめっぽう強い青単。
自分より早い白ウィニーや赤単は苦手だが、ゴルガリや雑多な多色コントロールを得意とする。


このリストには入っていないが、《模写/Quasiduplicate》で《大嵐のジン/Tempest Djinn》を水増しできるので1枚は入れたい。


・赤単

《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》は依然として環境を定義するカードであり、上記の白ウィニー、青単には劇的に刺さる。
《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》も強力で、特に《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》が減っている現在ではゴルガリによく効く。
白ウィニーのところでも挙げた《実験の狂乱/Experimental Frenzy》は低コストが多いデッキほど活躍できるカードで、1枚でゲームに勝つことが出来る。

1枚で大逆転!


あなたが中速デッキを考えるのなら、この《実験の狂乱/Experimental Frenzy》を対処するカードは絶対に必要だ。

《危険因子/Risk Factor》はビートダウンに対して撃っている暇がなく、また《実験の狂乱/Experimental Frenzy》《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》と比較しても場へのインパクトがないため抜いても良いと私は考えている。


・ジェスカイコントロール

青いコントロールの組み合わせを色々考えた。
大前提として《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》は使う。環境を定義するパワーカードだし、グリクシスやイゼットでは《実験の狂乱/Experimental Frenzy》に触れないからだ。
その上でビートダウンに勝つには軽い全体除去である《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》が必要だという考えから、現時点ではジェスカイに軍配が上がる。
ただ、ジェスカイの除去呪文では《アダントの先兵/Adanto Vanguard》が非常に厄介で1枚で12点食らうことも多い。またゴルガリのクリーチャーはタフネスが高いため《裁きの一撃/Justice Strike》で倒せない。
探検クリーチャーに除去を複数撃っていると、墓地回収によりそのうちアドバンテージ差でも負けてしまう。

本当にアダント1枚で負けるのよね・・・

エンチャント破壊されるリスクもあるが、《封じ込め/Seal Away》を採用するのが良いかもしれない。


■ゴルガリ徹底解説
これらのデッキを踏まえて色々回してみたが、結局は「探検」で事故が起こりにくく、序盤中盤終盤でカードの強さが落ちにくいゴルガリがベストという考えに至った。

そして幸運にも10/21に開催された「スタンダード神挑戦者決定戦」で優勝することが出来た。


私がデッキ構築をする際、採用する枚数の考え方はこうだ。

4枚→2マナ域や軽いドローなど、デッキの動きの基本となるカード。汎用性の高い除去もこれに該当する。4枚入れるのは3枚引いても嬉しいカード。
3枚→中盤で1回はプレイしたいが、2枚目の価値が下がるカード。伝説のカードや状況を選ぶ除去。2枚引いても腐らないくらいのカード。
2枚→Aデッキに対しては80点だが、Bデッキに対しては50点になるようなカード。マッチによっては全く引きたくない場合もある。1枚引ければ十分。
1枚→ゲーム中1回しかプレイしたくないが、その1枚が劇的になるカード。

どうしてこの枚数になったのか、採用の枚数および不採用だったカードについて解説していこう。

・《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》不採用。


緑デッキにとって《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》は最高のスタートだ。
たしかに2ターン目《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》、3ターン目《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》と繋がれば殆どの相手は圧倒できる。
しかしどんなカードであっても、長所と共に短所が存在する。《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》は初手で素晴らしいが、短所もある。

まず、このデッキは1ターン目の緑マナが不足している。
《草むした墓/Overgrown Tomb》《森/Forest》で合計12枚では1ターン目に出る十分な枚数とは言えない。《森林の墓地/Woodland Cemetery》《沼/Swamp》でキープして《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が遅れることも多い。
理想としてはアンタップの緑マナが16枚欲しいが、そうすると今度は黒マナが不足して《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》等が使いにくくなる。

次に、後半のマナフラッド率が上がる。
マナクリーチャーを採用するデッキ全般に言えることだが、土地24+マナクリ4だとデッキのおよそ半分近くがマナになり、どうしても消耗戦に弱くなってしまう。
マナクリからの最大値を取ろうとするとタップインも枚数を取りづらく、能力持ちの土地を採用しにくくなるのも理由だ。

そして、全体除去との共存が難しくなる。
ゴルガリは相手によってはコントロールデッキとして振る舞うこともあり、サイドボードから《黄金の死/Golden Demise》《煤の儀式/Ritual of Soot》と《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が共存するのは難しい。
赤いデッキ相手に対して、《ショック/Shock》《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》で自分がテンポ損する可能性もある。

これらを総合すると、「《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が初手に来た時のブン回り」よりも「《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》不採用によるデッキ全体のバランス」が優先されると判断した。


・マナベースの見直し。《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》多め。


《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を不採用にすることにより1ターン目の緑マナを優先する必要が無く、タップインできるようになったため《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》を増量。
このデッキは「探検」が多いため高い頻度でマナフラッドが起こる。余ったマナの使い道として《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》は多めに欲しいため3枚採用。

序盤の「探検」クリーチャーは土地をめくった方が良いため、確立を上げるために土地を24枚に変更した。そもそも24枚にしないと黒マナが不足している。
現状緑マナ、黒マナともに16枚だが、理想としては色カウントは17:17にしたい。


今回は不採用だったが、《進化する未開地/Evolving Wilds》は1枚採用する候補だ。《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》で回収できるメリットがあり、《森林の墓地/Woodland Cemetery》のアンタップ条件にも繋がる。


・《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》《探求者の従者/Seekers' Squire》《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》

デッキの核となる部分であり、初手キープ基準になるクリーチャー達。ゴルガリは墓地シナジーが多数あるため、探検によって墓地に置いておくことで他のカードの価値が上がる。
《探求者の従者/Seekers' Squire》はリミテッド用クリーチャーに見えるかもしれないが、ドローできたら十分だし、2/3になったとしても相手の《ベナリア史/History of Benalia》を少し止めたり、サイド後《黄金の死/Golden Demise》で残ったりと役割がある。

白相手には常に意識しよう。

最近は白いデッキがサイド後に《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》を出してくることも多い。トカートリを見たらサイド後は《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》を1枚減らそう。
《探求者の従者/Seekers' Squire》の方が《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》後でもサイズに意味があり、白いデッキには《黄金の死/Golden Demise》を入れることが多いからだ。


・《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》

ビートダウンに対して強力だが、その反面リスクもあるカード。特に単体除去が多い相手に対してはただのバニラと変わらず、複数引くと敗因にもなり得るのでメインは2枚。ゴルガリミラーでも弱い。
ただ赤や白のビートダウンに対してはゲームの鍵になる。特にイゼットスペルに対しては《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》を無視して殴り合いをするゲーム展開になりやすいので、サイド合わせて3枚は《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》が必要だ。


・《管区の案内人/District Guide》《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger》《疫病造り師/Plaguecrafter》

今回不採用だった3マナ域たち。
どれも3ターン目のアクションとして《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》よりも劣る。
《管区の案内人/District Guide》は探検と違って墓地に落ちずサイズも中途半端。2-3は探検、4-6はプレインズウォーカーなので出せるターンが少ない。
《疫病造り師/Plaguecrafter》はコントロールが増えれば採用の価値はあるが、赤や白のビートダウンやゴルガリミラーマッチで弱いため今回は採用しなかった。
《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger》はカードカウントが増えず、《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》が墓地にあるときのみ有効で強い場面が少ない。ゴルガリミラーマッチでもイマイチ。


墓地デッキがどうしても気になるようであれば、《歩哨のトーテム像/Sentinel Totem》もサイド候補になるだろう。


・《死の重み/Dead Weight》《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》

軽い除去枠。
2マナ以下で特に除去したいクリーチャーは《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《アダントの先兵/Adanto Vanguard》《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》の3つ。
ゴルガリは2マナのアクションが多いため、3ターン目に2マナ+1マナで動くためにも《死の重み/Dead Weight》を採用。《アダントの先兵/Adanto Vanguard》を倒せるし、《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》で回収できるメリットもある。

《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》は万能除去ではあるが、ことスタンダードにおいてはデメリットも気になる。
スタンダードは5マナのカードが強いので、先に5マナ到達されてしまうため《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》は序盤に撃ちにくい。
しかし他の除去では《喪心/Cast Down》だと伝説のクリーチャーが倒せない、エンチャント・アーティファクトを触れないなどのデメリットもある。
ゲーム中1回プレイできれば良いので《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》は2枚。

プレインズウォーカーでは除去できない!

今後ゴルガリが意識されて、《実験の狂乱/Experimental Frenzy》《不滅の太陽/The Immortal Sun》などが増えるようであれば、サイドに3枚目を採用したい。


・《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》

ゴルガリを回していて苦しめられたのが《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》のフェニックス2種。
ゴルガリミラーマッチでもプレインズウォーカーを巡るゲームになりやすく、《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》が一般のリストから抜けていることに懐疑的だった。
実際フェニックスの使用率は上がってきているし、3枚の《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》は固定枠だと考えている。

ガードを下げてはいけない。

《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》こっちはこっちで墓地から回収しやすい、《ビビアン・リード/Vivien Reid》で持ってこれるなどのメリットがあるため0枚にすることはない。
ただゲーム中1回引ければ十分であり、サイドアウトすることもあるカードなので2枚。


・《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》


私の《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》への第一印象は「パーマネント生贄使いにくいな、構築レベルでは怪しい」というものだった。
しかし使っていくうちに評価はどんどん上がっていった。探検クリーチャー達を生贄にすることも多いし、《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》を墓地に送れるのはメリットとも言える。地味にライフゲインも役立つ。
またエンチャント・アーティファクトを破壊できる事も重要で、特に先手では《ベナリア史/History of Benalia》《アズカンタの探索/Search for Azcanta》に対して良いアクションだ。
サイド後に出される《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》に対しても、除去して場にヴラスカが残る。
《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》に対しても、クリーチャーで相討ちを取ればヴラスカでトークンを破壊できる。

ぜひ一度《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》を試してほしい。きっと評価が変わるはずだ。
1枚目が残れば有利になるカードであり、デッキの軸となるカードなので3枚。

《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》は強力ではあるが墓地に何もないと4ターン目にプレイできないことも多く、2枚目が腐りやすいので2枚が適正だ。


・《ビビアン・リード/Vivien Reid》《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》

多くのゴルガリのデッキリストに入っていた《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》だが、これにも疑問があった。
たしかに赤いデッキに対して《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》は強力だ。しかし他のデッキに対して、5マナのクリーチャーと2マナの除去を交換するようなテンポ損は避けたい。
そして今は《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》全盛期。返しで出されて2-4点ライフを支払って諜報するのが良い動きとは言えない。

その点《ビビアン・リード/Vivien Reid》は《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》の返しとしては最高のアクションだ。
エンチャント・アーティファクトにも触れて、《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》《実験の狂乱/Experimental Frenzy》すべてを対処できるためメイン採用に至った。
ゴルガリミラーマッチはプレインズウォーカーによって制することが多く、ヴラスカ含めて相手よりも多くプレインズウォーカーをプレイすることで優位に立てると考えたのも理由だ。

ただ忠誠度が高く場に残りやすいため、ゲーム中1枚引ければよいので2枚。+1能力では呪文やプレインズウォーカーはサーチできないので、過信は禁物。


・《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》《千の目、アイゾーニ/Izoni, Thousand-Eyed》《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》

6マナ域の選定。
《千の目、アイゾーニ/Izoni, Thousand-Eyed》は消耗しきったゲームでは最も強いが、感覚としては8マナくらいでプレイするカード。
能力を活かすにはクリーチャーの枚数を多くしなければならず、デッキ内の《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》やプレインズウォーカーの枚数を減らしたくなかったので不採用に。

《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》からの《採取+最終/Find+Finality》は同系で分かりやすい勝ちパターンだが、《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》は場が負けている状況では他の6マナ2種よりも落ちる。

その点《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》はどんな状況でも強く、《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》の返しとしても素晴らしい。
また+2能力連打から-10能力で速やかにゲームを終わらせてくれる。クリーチャーの並べあいで膠着しやすいゴルガリミラーマッチでも重要なカードで、6マナの中では一番状況を選ばない性能だと判断した。
プレインズウォーカー多めで対コントロールやミラーマッチに有利を付けたかった。
-3能力連打で2枚目を出しなおすこともあるし、ゲームを作るカードなので3枚。


・《採取+最終/Find+Finality》

デッキを作るときに一番悩んだカード。
プレイするのは4-6ターン目で、そのターンはプレインズウォーカーが優先されるターンでもある。
また2体回収は状況が限定的で、《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》があれば十分ではないかとも考えていた。

しかしメインに全体除去が入っていることで勝てるようになる相手も存在するので、結局は必要と判断して2枚採用した。
ただ、コントロールやイゼットスペル相手にはサイドアウトすることも多い。


・《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》

1枚目が劇的だが、メインでは2枚目以降に意味がないので1枚。
コントロールに対しては2ターンキルに近い動きが出来る。
またビートダウンに対しても、《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》を生贄にライフを得る動きは最後のフタになる。
ゴルガリミラーマッチでもライフよりカード枚数が重要視されるのでサイドインする。


■サイドボード解説

・《強迫/Duress》

デッキの動きが重くなりがちなので、軽い干渉手段として4枚。2アクションに必要。
プレインズウォーカーをプレイするターン、打ち消し呪文を《強迫/Duress》して通すことが多い。


・《黄金の死/Golden Demise》《煤の儀式/Ritual of Soot》

白ウィニーやトークンデッキを想定して、《黄金の死/Golden Demise》を3枚採用。繰り返しになるが、マイナス修正でないと《アダントの先兵/Adanto Vanguard》が倒せないため《煤の儀式/Ritual of Soot》よりも優先した。
3マナと4マナの差は大きく、その1ターンでライフが5点以上違うこともある。また《黄金の死/Golden Demise》の方が自分のクリーチャーが生き残りやすい。

・《喪心/Cast Down》

メインに入れても良いくらいの性能だが《死の重み/Dead Weight》の軽さ、《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》の万能性には負けた。


・《最古再誕/The Eldest Reborn》

《ゴルガリの拾売人/Golgari Findbroker》と組み合わせると何回もプレイできる。主にコントロールやイゼットスペル、ゴルガリミラーマッチでサイドイン。


相手の《最古再誕/The Eldest Reborn》でこちらの墓地のクリーチャーを釣られそうになったとき、《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》を起動すれば対象不適正に出来ることを覚えておこう。


・《真夜中の死神/Midnight Reaper》

ミラーマッチやコントロールに対して《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》と入れ替える枠。
パワー3と2はクロックの速さが全然違い、相手の4/3《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》とも相討ちしやすい。また《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》とも生贄シナジーを形成する。


■おわりに

今回はプレインズウォーカー中心のデッキ構築をしたが、早いビートダウンが増えればそれもまた変わってくる。

それでもゴルガリは非常に対応力が高く、カード1枚で完封されるようなことが少ない。モダンのジャンドのような安心感があり、今後のスタンダードでもメタゲームに居続けるだろう。

すべてのカードには長所短所があり、圧倒的に強いカードは存在しない(一部パワー9等除く)どんなカードにも必ず攻略法はある。

この記事が、今後のカードの取捨選択の考え方の基準になれば幸いだ。

ではまた

高橋優太




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