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1月9日。「年末年始は旅をしていました」

1月9日。今日は、お仕事で関わっている会社の打ち合わせ初めだった。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」という挨拶を交わし、話題は年末年始の過ごし方に移る。

友人と年越しをした、アニメを一気見したなど、まさに正月休みらしい回答が続く中、僕の答えは「年末年始は旅をしていました」。そう答えたら、「いつもでしょ」「旅していない日がなさそう」と笑いが起こる。

秋頃から関わり始めた会社の人に早くも「旅の人」として認知されているようで、どこか嬉しいような気がする。一方で、いろいろなところに行っているけれど、あまり旅をしている感覚はないのだよなぁと思ったり。

「平日は会社で働いて、土日は自然を感じる旅に行きたんだ」と友人が言っていたことを思い出す。自然が好きで仕方がないのかなと思って聞いていたが、どうやら彼にとっては平日はスーツを着て働くことが大切らしい。

歯車という言葉や辛そうな感情が見え隠れすることが気になりつつも、彼の真意を引き出すために耳を傾ける。次第に、彼の大切にしたいものが見えてきた。

「非日常だなって感じたいんだ。いつも自然の中にいるのでは感動が薄れてしまう」と彼は言う。なるほど、たしかに。旅をして暮らしていると、美しい景色や歴史を感じる建造物を見たときの感情の振れ幅が小さくなってくるときがある。

そういえば、カンボジアには世界一周中なのに1ヶ月滞在してしまう人が多いらしい。旅を始めてから観光名所を見過ぎた結果、すばらしい光景にも心が動かなくなるから休憩が必要なのだ、といつかの旅人が言っていた。

こう考えると友人の理想のライフスタイルは理にかなっている。自然に感動するためには、用法容量を守って自然と触れ合うのがきっと良いのだろう。

自分はと言うと、旅と暮らしと仕事の境界線が限りなく薄く、すべてが日常になっているなと思った。非日常という言葉がピンと来ないのだから、もうどうにも後戻りできないのかもしれない。

そんなこんなで、何気ない日常を豊かにすることに全力を注ごうとひそかに決めた日だった。

今日も今日とて、中身もオチもない日記をば。

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