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第22回TAMA NEW WAVEの話

やべぇー、書くことがねぇです。ユトピンというお笑いコンビをニッタと組んでいる林です。
実はというほどのことでもないんですけど、私(林)は埼玉に引きこもっていて、ニッタは寒めなところにいて、この1ヶ月ユトピンはゆるいメル友でしかなかったので、特に進捗がありませんでした。note2回目にして詰みました。

出てた賞レースに全滅したことは前のニッタのやつに書いてあります。とっても楽しかったので満足です。満足してたらダメだろ!というどこか誰かからの声も聞こえますが。M-1の日、私は靴下のチョイスをミスったことで頭がいっぱいでした。

何も書かないというのもアレなんで、今日までTAMA映画祭の、第22回TAMA NEW WAVEコンペティション一般審査員(オンライン審査)をやっていたのでその感想でも書こうかなと思います。お笑い関係なくてもニッタは褒めてくれると信じて!

TAMA映画祭は多摩市民の方が主体となって行われている映画祭で、とっても映画を選ぶセンスが好きです。ただ、出不精埼玉県人にとっては多摩市は遠く、プログラムをニヤニヤしながら眺めるにとどまっておりました。ご縁がないかと思っていましたが、一般人ができるオンライン審査というのがあることを今年知り、とても嬉しく応募しました。応募の際に自己PR欄があり震えましたが、直近みた映画を3つ書いたら大丈夫でした。
TAMA NEW WAVEコンペティション、過去のものをざっとみただけでも、中野量太監督(『浅田家!』の!)、真利子哲也監督(『宮本から君へ』の!)、石井裕也監督(『アジアの天使』の!)、今泉力哉監督(『街の上で』の!)、松井大悟監督(『くれなずめ』の!)、上田慎一郎監督(『カメラを止めるな!』の!)などの錚々たる名前を発見し興奮しました。これは、みんなが知るより前にすごい人をすごいと言えるかもしれない!!

かなり前提みたいな話ですが、映画を撮って作品にしている時点で途方もなくすごいですよね。題材を探し、脚本を作ったり筋道を作ったりし、セットを作って、衣装を決めて、役者がいたら役者は役その人となる努力をして、どこでどこからどこをどう撮るか決めて、音も録って、照明もあてて、編集して、、、自分でやるつもりで映画をみるとカットめちゃくちゃ切り替わっていて相当とんでもないです。何回同じシーン撮ってるんでしょうか。
以前、ある映画のトークイベントに行ったときに、音声の方が、「寝起きの声を少し低くしてエロくしました」みたいなことをおっしゃっていて、ぶっとんでしまいました。そんなことまでしてんのかい。

今回のTAMA NEW WAVEコンペティション、ノミネート作品は以下の5作品でした。

『距ててて』(78分/加藤紗希監督)
『優しさのすべて』(51分/安達勇貴監督)
『Funny』(32分/佐久間啓輔監督)
『とら男』(97分/村山和也監督)
『ミューズは溺れない』(82分/淺雄望監督)

*********14日追記*********


ざっくり感想


『距ててて』


タイトルの「ててて」が面白いな〜と思いながら身始めました。「へだてる」の漢字といったらまず「隔」が浮かぶので、なぜ「距」?と思い由来を調べてみたら、


隔:「はしご」の象形と「脚が高く、地上からへだてる鼎(かなえ。古代中国の金属製の器)」の象形から、「へだてる」を意味する「隔」という漢字が成り立ちました。
距:「人の胴体の象形と立ち止まる足の象形」(「足」の意味)と「とってのあるさしがね」の象形(「さしがね、大きい」の意味だが、ここでは、「去(キョ)」に通じ(同じ読みを持つ「去」と同じ意味を持つようになって)、「しりぞける」の意味)から、「へだてる」、「距離を置く」を意味する「距」という漢字が成り立ちました。https://okjiten.jpより


とのことでした。サイトには「距絶=拒絶」ともあって、なるほどって感じでした。三人でのルームシェアのうち一人がワーホリで家から離れてしまって、残された相性の悪い二人が色々に出会う話でした。ゆったりしたコメディ感が面白かったです。声だして笑っちゃうところも多々あって、映画館で見れたら、きっと他のお客さんたちとちょっとした笑いが共有されて良いんだろうな〜と思いました。カメラが定点で、ズームとか動かすとかせずに撮られてるカットが多かったのも印象的です。動いた時に、「あ、動いた」って思う感じでした。音楽可愛かった。


『優しさのすべて』


女の子が可愛いかったな…。可愛いよりもっとしたたかでずるくて儚いんですけど、可愛い以外の表現をまだ探している途中で、申し訳ない。彼氏のカイくん、超絶妙です。むき出しで、人生1回目みたいな感じ。演技すごいな、と思いました。なんであんな犬みたいな顔できるんでしょうか。かなりみいってしまいました。「〜のすべて」よく聞く言い回しで、人を表すものが〜に入るイメージです。『優しさのすべて』の「優しさ」も、人を指しているような気もしたりしています。「すべて」はディティールに宿るんだな、とか思いました。「くしゃみしても一人じゃないかコノヤロー」みたいな台詞がおしゃれで可愛い。印象に残る台詞が多かったです。もうちょっと長く見たかった。


『Funny』


人前で変顔をやめられなくて困っている女の人と、変な癖(予告編などで内容を伏せていたので伏せておきます)を持ってて困っている中学生の友情を描いたお話です。音楽とか、画面の切り取り方とかが洗練されていて、綺麗でした。良いもん見たぞ感がすごいです。照明もかなり工夫されている感じがあって、とても映画だ!と思いました。始まった時、置いてけぼりになってしまうことを恐れましたが、全然難解ではありませんでした。役と観客との距離感がつかず離れずな感じが心地よかったです。台詞が必要最低限で、シーンから伝わってくる情報がかなり多くて、説明されなくても伝わってくるのに感動しました。エモさを押し出すっていう手段を取らずに、人を少し救えるような映画で、すごいな〜と思いました。でもかなりエモかった。



『とら男』


1992年の未解決事件である金沢女性スイミングコーチ殺人事件を、事件を捜査した元刑事と、マイペース女子大生が再捜査するという内容です。主演の西村虎男さんは映画の元となった未解決事件を実際に捜査なさっていた元刑事だそうで、多く映画などにご出演なさっている加藤才紀子さんとタッグを組んで挑んでいました。街の方々やとら男さんがかなりリアルに見えて、脚本がどこまで存在したのか気になりました。役者さんの歩き方や些細な仕草まで役のものとなっていてハッとすることがありますが、肉体が語ることってかなり多くあって、その点で、この映画をみることで人間を新たに知ることができるのだと思います。その一方で、事実を元にして、事実に関わった人を役者として起用していることに対して、少し怖さも感じました。脚本が存在するけれど、ノンフィクションの色がかなり強いので、フィクションの混ざり具合を観客が判断する側面があるように思います。


『ミューズは溺れない』


美術部の高校生たちが繰り広げる青春映画です。恋愛やセクシャリティについて触れつつも、爽やかな友情の物語として終わっていました。劇中の絵や作品がとても良かったです。あちこちに散りばめられた台詞、きっと誰かを応援したく製作された映画なのだと感じました。セクシャルマイノリティの描写について、今はきっと、名前がついて存在が広まった際についた誤ったイメージを取り払っているタイミングなのだと個人的に思っています。この映画はポジティブで爽やかなイメージに終わっていて、今、もし悩んでいる人がいるとしたら、自分の感情を大切に扱って(守りたい秘密は守って)いいのだと伝えられるような気がします。実際、こんな幸せな結末にはならないかもしれないけれど、こういう映画があることを知ってほしいと思いました。「セクシャルマイノリティ」とくくってしまったけど、別にマイノリティだけが登場するわけじゃなくて、女の子を好きになった女の子や、誰にも恋をしたことがない子、友達のことを好きな子に恋をしている子、年の差があるカップル、恋愛抜きで仲がいい男女など、いろいろフラットに登場します。それがまた欲張りで優しいなと思いました。

☆☆☆

結果出てました〜🎊🎊


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審査って難し〜。比べて優劣をつけるの無理難題です。たかが1票!えいや!って感じでした。自分たちのM-1とかKOCとかも難し〜と思われながらみられていたのかもしれませんね。いやどうだろうな。また違う世界か。

一般とはいえ審査員とか初めてで、めちゃくちゃテンション上がって書いてしまったけど平気でしょうか。ダメそうだったらこっそり差し替えますね…。最近完璧な富士山撮ったのでそれを載せときます!





…完璧な富士山のことを書いたら載せたくなりました。載せます!みてください!

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(林)

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