【研究】序盤構想で勝つ時代【part3】

4.完全シャンテンを目指すべき牌姿

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東1西家6巡目ドラ中でこの牌姿。(北は安牌)

十分に打点を見込める手だが、ここから手拍子で北を切って良いのか。

4s先切りで直接的な裏目は4sの2枚、シャンテン形に優劣が出るのは2-5.3m3pの12枚。形だけで判断するのならちょっとした裏目を引くことも多そうだ。

しかし、ここで考えるべきは「危険度の高い456牌フォローの完全シャンテン」と「良形×2+安牌のシャンテン」の価値の差が、上記の受け入れロスと2シャンテン時に先制を受けた際にほぼ2プッシュ確定となってしまうデメリットの差と比較してどうかということ。

後者のデメリットは巡目が進むほど大きく、オリも苦しそうなことから、中盤一歩手前の6巡目でも既に打4sが勝っていそうだ。

では、ドラが3pならどうか。

鳴いても満貫確定のためどこからでも仕掛ける前提になる。

この前提なら鳴きでの速度上昇が大きく2シャンテン時に先制を受ける可能性が減るため打北で良さそうだ。

ただし、対副露の場合は相手のテンパイが間に合う可能性も高くなるので既に2件が仕掛けている局面などでは満貫確定でも打4sが最善になり得る。

実戦での思考としては、こういった牌理的に簡単な勝負手では相手の速度感に特に気を払って手組みを進めるのが理に適っているだろう。

フワッとまとめると、

フォロー牌456の完全シャンテンを目指すべき局面は意外と少ないので、大体先切りしておくのが無難

という話。後の局面の難易度も込みでね。


5.喰いタン判断

①6ブロック

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フラット3巡目ドラ西、上家から出た3pを鳴くか。

これは門前での高打点を見てスルー。

一般的に一〜二飜のタンヤオ形で「良形×2+愚形×2の6ブロック2シャンテン」で最序盤に仕掛け始めるのはあまり優秀ではない。この組み合わせは3回に1回程度は愚形から埋まる上に良形変化も12枚以上あることが多いため愚形部分もそれほど急所ではない。

さらに今回の牌姿だとカン5pの受け入れまであるので尚更スルー寄りになる。

ザックリした話になるが、同じように低打点の鳴き判断でも役牌スルーと喰いタン見送りは意味合いが異なる場合が多い。

役牌スルーは門前でテンパイしてもリーのみなど低打点になるケースが多く、高打点になるケースでもイーシャンテン時に役牌対子落としの進行になりやすいため守備的な意味合いが強い。項目3でも述べたが、役牌の鳴き判断は門前でいけるかではなくガツガツあがりを目指す価値があるかで判断する。(点棒状況等に依存しやすい)

対して喰いタン見送りは門前でリーチまでいければ打点が跳ね上がる可能性が大きく、門前進行でも守備力が保てないことが多いため攻撃的な意味合いが強い。スルーしたあとの手牌変化で改めて仕掛けやすいという柔軟性もあるため最序盤はスルーに寄りがちで、基本的には門前でも先制が見込めるか否かで判断する。(手格好に依存しやすい)

例えば先ほどの牌姿で7巡目に4mが切られた場合は、既に門前では苦しい上に安牌も十分ではないためポン打4pといった具合に判断が変わっていく。

愚形だからと鳴きすぎると勿体無いこともある

ということを頭の片隅に置いておくと良いだろう。

②良形なし

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これは補足的な感じだが、こういったしょうもない手は当然喰いタン見送り。攻撃的な意味合いではないが、無理に仕掛けて項目2で挙げた①〜③の条件を何も満たさない中盤戦にしないよう意識する。

※項目2の条件

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因みに、今回の牌姿なら早い段階で1sと安牌候補を入れ替えてしまうのも有力。

③5ブロック

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スルーのパターンばかりやっていると、なんだただの門前派か...と思われそうなので最序盤でも積極的に鳴いていくパターンを。

基本的に5ブロックの愚形部分は最序盤から鳴き寄りになりやすい。

これはスルーした場合、愚形が解消しにくくなるため。逆に変化の見込める愚形ならスルーで問題ない。

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愚形がもう一つ増えるとどうか。

これは鳴く場合、チー打6p、チー打字牌どちらもありそうだ。

愚形フォローないしダイレクト有効牌と安牌がトレードオフになる形なので、どうしてもブクブクになってしまうのは

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こんな感じの愚形フォローが入ったシャンテンくらい。

門前でバランスを保つのも難しい手牌なのでギリギリ鳴いて悪くなさそうだが、スルーして6p切りから受け気味に構えるのも有力なのでこの辺りが分岐点と考えて良いだろう。

因みに、何故シャンテンの形を考えるのかというと、麻雀は「イーシャンテン地獄」という言葉にあらわされるようにシャンテン時に手牌が膠着しやすいためである。

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確認のため愚形をもう一つ増やすとどうか。

これは8sがドラや、4mがドラで3mが鳴けるなどの打点保証が多少あるか、点棒状況などで和了が偉い局面以外では愚形でもスルーして悪くはならない。

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道中愚形にフォローが入っても、良形が残らないとこのようなしょうもないシャンテンになってしまい、先制を受けるとかなり分が悪い。

鳴いて和了率を上げてもなお平均より低いため、実戦的にもミスしやすい局面になりやすく厳しい。

5ブロックの愚形部分は鳴き寄りだが、良形率が低い場合は手牌の安全度なども考慮する。

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