【研究】序盤構想で勝つ時代【part2】

2.序盤に目指すべきもの

麻雀は聴牌を目指すゲームではなく、和了を目指すゲームだ。

という論が市民権を得ている。

確かにその通りだが目標が遠いとイメージしづらいこともあるので、あえて序盤に限って言うと

麻雀はより良いイーシャンテンを目指すゲームだ。

基本的に聴牌や一向聴は選択肢が狭く、和了や聴牌の抽選を受けるという意味合いが強くなる。

良形率や打点を高くしようといった贅沢は受け入れが広く自由度が高い2シャンテンまでの話、となりやすい。

...ということで、項目1での内容を踏まえ、1〜5巡目で目指すべきものは、

①価値の高い完全シャンテン

②シャンテン+安牌

③(2シャンテン以下+)安牌+他家へ対応するための情報

この3つだ。

この中の何かしらを満たした状態で中盤を迎えることが手組み段階での目標になる。

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例えば東1西家3巡目ドラ中で上の牌姿。

手なり進行で東か発でも切っておくのがセオリーとされているが、どうだろうか。良いシャンテンを目指す上で、ドラが中であることを考えると実は9pの価値がかなり低い。

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9pにくっつき、愚形にフォローが入るという上々の進行で6巡目にこのような牌姿になったとして、ここから白を切り安牌の無い2シャンテンに受けてしまうと先に挙げた①〜③の何も満たさない状態で中盤を迎えることになりそうだ。

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それならば、多少確率は低くともこのような2シャンテンから安定したシャンテンを目指す方が良いのではないか。

今回の牌姿だと9p以外の数牌がタンヤオ形なので、中張牌浮牌引きからくっ付きのルートが打点も追えて価値が高く、ドラも出ていきそうで打点があまり見込めない9pくっ付きは捨ててしまっても然程マイナスにはならない。

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9pを切ってもこのような2シャンテンは拾えるのだ。なんなら9pを切って多少裏目ったからこそより価値の高いシャンテンを拾えることもある。これは「三色があるので134から4を切ってカンチャンに受ける」といったような高打点再抽選の考えの延長だ。

こういった感じで①〜③を目指す中で自然と手牌価値が高くなりやすい順を選ぶことができるのだ。当然、裏目を引くことも増えるが、安定感のある進行は早い巡目で後手を踏んだ際にも対応しやすいメリットがあるため裏目リスクを負う価値は十分にあるだろう。

遠い手牌から手なりでブクブクを目指す場合、テンパイする巡目よりもブクブクになりそうな巡目をイメージすることが重要だ。安牌の価値が高くなる中盤にやっとブクブクになるような構想は必要以上のリスクを負ってしまっている可能性が高い。


3.役牌ポンvs安牌2枚

オールドセオリーっぽい話。

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役牌はとりあえず鳴いて役を確定させるという宗派が存在するが、上の牌姿から発をポンするのはどうだろうか。

仮に2巡目に発ポン打白とブクブクにしても、中盤に主張点のあるシャンテン以上の手になっている可能性は低そう。

ドラが沢山あれば話も変わるが、基本的には2枚目もスルーしてヘッド候補にするのが良さそうだ。

ヘッド候補が安牌というのは序盤の手組みがかなり楽になるので、そういった意味でもわざわざ安手で修羅の道を行くメリットは少ない。

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ごく稀にではあるがこういった本手になることもある上に、当たり前だがポンした場合と比較して手牌の進行上、放銃率はかなり低い。

ではもう少し牌姿を良くして、

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ドラは絡んでないとして、これはどうだろうか。

リャンメンもあり良形変化も多い。

これは和了が偉い局面なら鳴いても良さそうだが、そうでないのならやはりスルー寄りに考えている。

躱し手では躱しにいくべき、という意見もありそうだが、躱し手とは「張っていない状態でリスクを負わされることが少ない手牌」のことであって、安牌を消して「愚形含みの安手でリスクを負わされそうな手牌」にするのでは少し話が違ってくる。

鳴きは和了率が上がる反面、鳴いた時点で低打点がほぼ確定してしまうことも多い。残る形や巡目、相手の速度感などをしっかり考慮して判断しなければじわじわ損をすることになる。

鳴いた後の局面を切り取って「テンパイだからこの放銃は仕方ない」と流す人もいるが、役牌をスルーすればヘッドとしても使える安牌が2枚確保できるのだ。それを消費してあがりに向かうほど和了率の上昇や和了自体の価値があったのか検討しなければ鳴きの精度は上がらないだろう。

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