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【編集部取材】「世界一のマンガ美術館」としてリニューアルオープンする横手市増田まんが美術館。来訪者の受け入れ体制は万全か? 秋田県横手市

2019.03.25

5月1日にリニューアルオープンする横手市増田まんが美術館(秋田県横手市)は3月22日、リニューアル記念イベント「MANGA IS AKITA」を「hotel koé tokyo」(東京都渋谷区)で開催した。

同美術館は1995年、公民館・図書館・郷土資料館などで構成する複合施設「増田ふれあいプラザ」内にオープン。

オープン以来、矢口氏をはじめ、日本を代表する180人以上のマンガ作家による直筆原画を鑑賞できる美術館として多くのファンから愛されてきた。

リニューアルオープン後は、横手市出身で「釣りキチ三平」の作者・矢口高雄氏が名誉館長を務める。

マンガは今や日本を代表する文化のひとつ。

一方、マンガ文化の「文化財」とも言える原画は、かつての浮世絵のように「散逸の危機」に瀕しているという。

海外では、「鉄腕アトム」の原画が約3,500万円で落札され、話題となった。

こうした状況の中、同美術館は、今回のリニューアルオープンにより、日本で唯一のマンガ原画の収蔵をテーマとした美術館として、「原画を守る役割=アーカイブス機能」を強化する。

館内には、新たにマンガ原画専用の収蔵庫を設置。
少しでも長く保存できるよう、1枚1枚中性紙をはさみ、恒温湿管理された収蔵庫に大切に保管する。
また、原画を電子データで恒久的に保存、デジタルアーカイブの様子も見学できるという。

3月22日に開催されたリニューアル記念イベント「MANGA IS AKITA」のプレス発表会では、髙橋大(たかはしだい)横手市長が挨拶、同市によるリニューアルオープンの概要説明が行われた。

その後、同美術館のリニューアルに携わった丹青社CMIセンター空間メディアプランニング室長の澤畠寿成氏、京都華大副学長の吉村和真氏、VCS代表取締役・地域ブランディング協会理事の佐藤真一氏によるクロストークを実施。

クロストークでは、世界一のマンガ美術館として「散逸の危機」に瀕するマンガ原画を収蔵する意義や、横手市増田町の地域資源となっている「蔵のある街並み」と連動した観光振興などについて、登壇した3氏がそれぞれ説明した。

最後に名誉館長の矢口高雄氏が挨拶。

自身のエピソードなどを交え、同美術館への想いを語り、会を締めくくった。

<目次>

横手市であって横手市ではない?旧増田町。

「3つのまち」がゲートウェイに。

「新幹線の谷間」にあって、難易度の高い道のり。

「マンガ」と「蔵のまち」の余韻を楽しめない現状。

今後、巻き込むべき「プレイヤー」は多い。


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