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エアビー体験ホストになった話(そしてメン募)

 この夏ウラジオストクを旅した際に初めて「エアビー体験」なるサービスを利用しました。そして秋から自分でもエアビー体験ホストに!記事の前半はエアビー体験初参加体験記、後半は、エアビー体験ホストになった感想です!率直に言って、かなりの充実と、驚きを得ています!

「エアビー体験」とは

 民泊としてのエアビー(Airbnb)の認知度は私の周囲で言えばもはや100%です。私は宿泊のために実際にエアビーを利用したことはまだ無いのですが、素敵な部屋を予約をしたり(諸事情によりキャンセル)、はたまた自分の空き部屋をエアビーに載せるべくページを作成したりなど、かねてからウエブサイト自体には頻繁に足を運んでいました。
 今回ウラジオストクの旅にあたって、いつものようにエアビーのサイトを見ていたら、「体験」というページを発見。開いてみると、魅力的な「ワークショップ」や「ツアー」がずらり。すべて一般のローカルの人々が主催しているものでした。「モノ」としての「部屋」だけでなく、「コト」としての「体験」をマッチングしてくれるようです。

さっそく参加

 私は、ウラジオストクのクッキングクラスを予約し、初参加しました。体験はほかにも、街歩きやサイクリングもありましたが、怪我をしたら悲しいので、一番安全そうなものを選びました。
 開催場所の近くの公園で待ち合わせ。参加者は私、母、韓国人カップルの4人、ホストは現地の大学生男女2人組でした。そこから徒歩で古き良きアパートメントの1室へ。そこがまた、美しくリノベーションされた芸術的な邸宅で(詳細は漫画で描きます)、思わず感嘆のため息をつくゲスト4人…。この時点で、旅行会社を介したツアーや本屋で売られたガイドブックではたどり着けない貴重な体験であると確信できました。

クッキング開始

  皆さんとてもフレンドリーで、私のたどたどしい英語でもきちんと耳を傾けてくれて安心できました。母は緊張や天候のため体調を崩していたのですが、やさしく気遣っていただきました。今回は伝統的なロシア料理である「ペリメニ」を作って食べるという企画です。ペリメニは一言で表すと「餃子」。包み方にロシアらしさを感じました。
 すべての具を皮で包み終えると、ホストがペリメニを熱し始めました。そしてテーブルの上にはつぎつぎと出来上がった食事が運ばれ、あっというまに夕食の準備が整いました。正直「え、もうクッキングクラスは終わったの!?」と拍子抜けでしたが、どうやらホストが予定していたワークショップは完了したようでした。

和やかな食事

 食事はロシアの家庭料理と、ウォッカ(少々)をいただきました(詳細は漫画で描きます)。会話はお互いの国の料理のことや、現地のおすすめ観光情報の交換などで、実に和やかなムードでした。こんなに温かくて、優しくて、芸術的で、おいしい夕食を、私はいまだかつてしたことがあったでしょうか。まさかここは天国か?本当はもう死んでいる?と不安になっては、いや、生きている!と実感する、という謎の問答を繰り返し、気が付くとしっかり満腹になっていました。

帰国してもなお

 私は帰国後もこの体験をなんども反芻し、ローカルの体験が、旅にとっていかに大切かを考えていました。純粋な作業の内容自体は正直そこまで新鮮ではない(餃子を包むだけなので)にもかかわらず、現地住民と安心安全に、楽しく直接触れ合えたことがこれほど素敵な思い出になるとは…。
 ふと思い出したのはインド・ムンバイのスラム街を散歩したこと。当時はスラムの研究をしている友人と一緒の旅だったため、彼女の案内によって安全に地元住民の家にお邪魔してお茶をしたり、きままに散歩したりが実現されました。しかしそれは友人の綿密な下調べと、これまで培ったコネクションに支えられたもので、私が一人でふらりと訪れてもかなうものではありません。その体験と同じくらい心に鮮やかに刻み込まれる体験を、エアビーが実現してくれたということなのでしょう。
 そこでひとつ、私もエアビーのウェブサイトのガイドに従って体験を登録すれば、東京を訪れたゲストに対して同じように鮮やかな思い出を提供できるのかもしれない…。そんな夢を抱きました。


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旅行記漫画作成中(2020.2完成予定)

そしてホストに

 さっそく自分の「体験」を作ることにしました。私はすでに自宅の空き部屋をエアビーに登録した経験があったため、同じ要領で必要事項を記入していけばいいのだろう、と、大方の予想がついていたことで、すぐに取り掛かれたのかもしれません。
 ではどんな体験にするか…私は、料理は苦手だし、食べ歩きのガイドもなんかしっくりこない、サイクリングや登山のインストラクターなんてもっと向いてないだろうしなあ。建築の知識はあるので建築ツアーも考えましたが、そこまで英語が流暢とはいえないですし、すでに類似の体験が複数登録されていたことから却下。ほかに私が得意で、負担の無いものをと考え、アナログ漫画の道具を使って漫画家体験を提供することにしました。幸い、連載経験あり、講師経験あり、旅行大好きの3拍子がそろって(かはわかりませんが)、無事に私のワークショップは審査を通りました。
 …実は、審査があること自体合格後に知ったのですが…結果オーライです。

コミック

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体験ホスト最高

 晴れて体験ホストデビューを果たし、有りがたいことに、コンスタントにゲストを迎えています。スイス、アメリカ、イギリス、イスラエル、シンガポール、ロシア、サウジアラビア、デンマーク、ドイツ、アイルランドetc…みんな視点は違えど、とっても漫画が大好きです。約15組を迎えた今、ゲストにいくつかのタイプがあることがわかってきたので、少し具体的なエピソードとともにご紹介します。

1.道場破りタイプ
普段から良くデッサンや水彩画を描いていて、すでにとても上手。さらなる高みを目指して「日本の漫画文化」に挑戦。デフォルメのコツを学びたい、手の描き方が苦手だ、など目的や質問も具体的。自分のスケッチブックを持参し、作品を見せてくれます。体験公開当初はこのタイプのゲストが多かったです。皆さんお上手で自信があると思われる一方で、私は自信を無くしました。(笑)

2.漫画家タイプ
日本の漫画やアニメ作品に詳しい。日ごろから好きなキャラをノートの隅に模写したり、空想でストーリーを膨らませているようです。Gペンやトーンを使って原稿を完成させると、「漫画家になれた!」といって喜んでくれます。マニアックな作品も知ってるので会話が盛り上がります。ストーリーは皆さん個性的で、私の方が楽しませてもらっています。お住まいの地域によっては漫画の情報が得にくいようで、ここぞとばかりに吸収していかれます。

3.ファンタイプ
漫画よりもアニメが好き。描くのより見るのが好き。完成しなくてもいいから楽しくアニメの話をしたい。雰囲気だけで満足。このタイプの方は一緒にユーチューブなど見ておすすめのシーンで盛り上がったり、本物の少年ジャンプをみせてあげたりして楽しい時間を過ごします。漫画を描くのは時として修行のように忍耐が必要な工程があるので、あまり無理せずに楽しんでもらえるようにしています。

4.親御さんタイプ
「子供が漫画が好きだけど、親は教えられないので描かせてあげてほしい」という依頼や問い合わせが後を絶えません。親御さんのアカウントで予約後、ティーンの若者が参加します。近頃はネット(ネットフリックスが多いかな)で日本のアニメに触れる機会も多いため、若い人ほど情報を得やすいのかもしれません。あまり難しい作業はせずに、簡単に仕上がるイラストなどを一緒に描きます。ゲストは絵や工作が得意なだけあって、集中力は目を見張るものがあります。

5.みんなで来る
家族みんなで行きます、学校の生徒みんなで行きます、という予約もあります。道具や場所には限りがあるので調整が必要なこともあります。体験をしなくても座って見てられるように場所を作ったりします。

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ゲストの作品

ゲストさんは旅行中という状況もあってか、みなさんとても前向きでオープンマインドでお話ししやすいかたばかりです。エアビーに登録する際に、本人確認などの工程をきちんと経ている分、接しづらい人はいないのではないかと思います。

あれ、赤字!

 参加料はもちろんいただいていますが、「レビュー数が命」という特性上、はじめは2700円/2hという格安価格で提供していました。狙い通り、素敵なレビューが増えてきたため、徐々に値上げを画策していますが、このままでは私の労働対価が都の最低時給額を下回っているので、継続の危機…。続かなくなるまえに真面目に考えていかなければいけないですね。ゲストさんにも「安すぎるから値上げしたほうが良い」と何度か言っていただきました。チップをくれる方もいらっしゃいました。安すぎることは十分わかっているのですが、意図していたことではありました。
 更に、素敵な思い出を持ち帰ってもらいたいという気持ちが強すぎて、お茶、お菓子、お土産などに凝りすぎており、本当に赤字!でも楽しいのでやめられないんですよね…。というわけで今後は、参加料を少しずつ値上げして、そのかわり、指導内容の質も高めて、絶対に満足してもらえるように工夫していきたいと思います。試験的に一部の日付で5000円/2hまで値上げしましたが予約の頻度は下がっていません。(むしろ微増の感触。)

ところで英語は…

 エアビー体験ホストを検討中の方で、英語力を気にして足踏みされているいるかたもいらっしゃるかもしれません。私もそこまで流暢では無いです(TOEIC800も全然行かないです)。でも、伝えようとする度胸と熱意には自信があります。ワークショップは専門的な内容なので、使う単語や言い回しも限られており、ポイントを押さえればなんとかなると実感しています。そもそも英語が苦手なゲストもいらっしゃいます。でもグーグル翻訳を使ったり、それこそ絵で説明すれば何の問題もありません。工夫でカバーしていけることだと思います。
 とはいえ上手に越したことはないので日々勉強はしています!…汗

メンバー募集

 世界には、日本の漫画カルチャーが好きで、かつ、その情熱を満足に昇華する環境にいない人たちがたくさんいます。海外でも大都市在住など、環境に恵まれていれば簡単に道具も情報も手に入ってどんどん技術を高めることは可能です。でもその限られた範囲外の人たちが、東京を訪れたときに、少しでも漫画を描けたらどれほど嬉しいか、今回エアビー体験ホストになってそのニーズを実感しました。この調子でレビューがさらに増えれば、もっとたくさんのゲストの目に留まり、予約も増えていくと思います。そのために私はもっと体験をパワーアップさせたいとも考えています。
 具体的には仲間としてのインストラクター(作家さん)を増やしたいです。いま、一回の受け入れ最大人数が3人ですが、10人くらいまで増やせたら、より可能性は広がると思います。あるいは、たとえ少人数でも、インストラクターのバリエーションがあると、ゲストにより深い世界が見せられるかな、と思っています。
 そこで、アナログ作画ができて、かつ、海外ゲスト対応に抵抗のない方を新たに仲間にしたく、探し始めています。英語は度胸で何とかなると思いますので、すこしでもご興味持たれました方は、ご連絡いただき、見学などお越しいただけたら大変嬉しいです。

メンバー募集要項

 さいごに、メン募の要綱を記載します。同じ方向を向いて歩いていただける方を大募集です。
 ビジネスとして見ると、まだ走り始めたばかりなので、お会いしてすぐに「一回につき○○円お支払いします。」とお約束できないのが現状ですが、お会いした際に収支の数字を共有させていただき、今後のマネタイズもふくめて一緒に相談、計画させていただけると嬉しいです。

・アナログ作画できる方
ワークショップでは簡単なキャラクターのペン入れを行っています。背景、効果などは時間内に指導しきれないので、すべての作業を完ぺきにこなせる技術は必要ありません。(そもそもわたしもそこまで達者な画風では無いです笑)
・ゲストのイメージをすぐ具体的に描ける方
ゲストが「こういう絵を描きたい」というので、それをその場で漫画の絵にしていただける方だと嬉しいです。
・英語、非言語コミュニケーションにガッツがある方
いますぐに話せなくても抵抗がなければ問題無いです。必要な言い回しなどはあらかじめお伝えします。

ご連絡はこちらからお願いいたします。
Instagram : @yutaubu
Twitter : @textTSUBU

見学、取材等随時歓迎

 作家さんでなくても、この場を実際に見に来たい方がいらっしゃいましたらご連絡ください。(※参加はもちろん随時募集です!エアビーのページからお申し込みください。)SNSなどで宣伝していただける方も歓迎です。また、海外のゲストをお迎えする方や、国内外様々な用途で、当ワークショップの需要がございましたらお声がけください。


以上です。ご連絡はSNSやコメントからお願いいたします。よろしくお願いします!

Instagram : @yutaubu
Twitter : @textTSUBU


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