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狂気の母親をやってました。

いつのまにか息子達も大人になって
「毎日起きて仕事に行く」
というあたりまえのことを普通にできるようなった。
あたりまえがとても難しかったあの頃

いろんなことがあったなぁ

アルバイトは行くけど高校にはちゃんといかない長男
どうしてだと聞いたら
「お母さんわからないの?高校を休んでもオレが困るだけだけど
バイト休んだらたくさんのひとに迷惑がかかるんだよ」
と、諭されてしまったことがあった。
返す言葉がみつからないうちにと、バイトに向かう息子。
夕暮れの街を、シャツをマントのようになびかせてひゅんひゅんと立ちこぎする息子は、まるでETを載せて逃げるエリオットのようだった。

そんなエリオット(長男)ももうアラサーとなり
店長としての苦労話などをLINEでやりとりしたりする。
先日、面白いからぜひ観てほしいとおすすめしてきたのが
「ストレンジャーシングス」
という海外ドラマだった。
一番観てほしいのはウィノナ・ライダーが演じる母親役で
「まるで昔のお母さんだから」
ということだった。

冒頭から、息子を助けるために取り乱しているウィノナ・ライダー
未知のものに取り巻かれ、行方不明になってしまう息子
「ママがついてるからね」
「ママがすぐに助けるからね」
と、危険を顧みず立ち向かうママ
これがエリオット時代の長男からみた私なのか
確かに思い当たる節はなくもない
ママにすっかり感情移入して、いっきにシーズン4まで観てしまった。

過保護といわれようが、親ばかといわれようが、
息子たちの命や心の成長をおびやかすものには勇敢に立ち向かった私。
そもそも、自分が過保護かなんてその時はわかりゃしない。
ただ、息子達を護るという使命に燃えていた。

ある日、とんでもないカーブのところに停車していた車と軽い接触事故をおこしてしまったことがあった。
息子のどちらかが熱を出して病院に連れて行くところだったと思う。
急いでいたのだ。
こんなところになんで停めてるの?と苛立つ私。
その時、相手の車から、なんと、みるからに酔っているおじさんがでてきて
「どうしてくれるんだよ」
みたいなことを怒鳴ってきた。
怯える息子達。

私は冷静にウィンドウをおろし、おじさんに向かって「うちの子熱があるのよ。一刻も早く病院に連れていかなきゃならないのに、どうしてくれるはこっちだわ!さぁ!警察呼びましょーか!さぁ!」
と啖呵をきったのを覚えてるのと、その時の息子達の、私の気迫のほうに怯えてる感じ。
ついでにそのおじさんもクレイジーな私にひるんで、踵を返す。

ストレンジャーシングスのママを観ながら、子育てに全力投球していた頃を思い出した。
あれは、子育てホルモンかなんかのしわざだったのか。
母親像がこれっていうのは、いいのか悪いのか。
息子と笑いあえているので、良いということにしておこう。


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