ニンジャスレイヤーRPG非公式プラグイン「サツガイによる祝福、あるいは呪い」

 そう、まるきりそれは神秘体験と言うにふさわしかった。その者は、否、そのお方は、フードを目深にかぶり、畏れ多きその顔をメイレインに見せる事は無かった。彼はメイレインの前に立ち、その衣の胸元を開いた。するとそこには胸板ではなく深淵があった。              ―――「サンズ・オブ・ケオス」より
(MWAHAHAHAHAHA! MWAHAHAHAHAHA!)フードの下で、  彼は心底おかしそうに笑った。(魂! BWAHAHAHAHAHA! オカシイ! 俺が何故、そんなつまらぬものを欲しがる。何もいらない)
―――サツガイ


概要

サツガイはニンジャスレイヤー第四部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」におけるキーパーソンであり、目的らしき物もなく他のニンジャにジツを与えて回る超自然的な存在である。

この記事ではそんなサツガイによるジツの付与を非公式プラグインとしてまとめてある。
公式プレイガイドでも僅かにサツガイの祝福について触れられているが、それを拡張した形になる。

導入時の注意点

サツガイは上記の通り四部の登場人物であり、通常であれば一部の時系列に当たるニンジャスレイヤーRPGの時期には存在していない。
ただ、サツガイは道理に縛られない存在なので自身が生まれる以前の時期にふらりと現れる可能性も否定できない。
なのであえて時系列の制限は設けないが、四部の時代設定でないセッションやキャンペイングンに導入するときはNMを中心に慎重に検討するといいだろう。
当然の話だが、NMへ確認せずにボクのニンジャはサツガイ接触者なんだ!と勝手にジツを書き加える事はしないように。

また、得られるジツ及びスキルについてはある程度バランス崩壊しないように調整しているが、テストプレイを行った訳では無いので強すぎる/弱すぎる物がある可能性は高い。
導入してみてバランスが悪いと感じたときは適宜強化及びnarfする事を推奨する。

サツガイの祝福を得る方法

 黒いトリイをくぐって進み出たのは、フードを目深に被った正体不明の存在であった。キュン。キュンキュンキュン。その者の身体の付近から、金属が放たれた。それはランダムな刃が八つ飛び出したスリケンである。「アッ」「アバッ」その投擲はほとんど丁寧と言ってもよかった。一人一人を、殺した。
―――「アルター・オブ・マッポーカリプス」より

サツガイが現れる条件は極めて難解であり、作中においても明確な条件が示された訳ではないが、このプラグインでは以下のように定義する。

・一定以上の濃度のエメツが含まれた物品(NM判断)
 を所持している、あるいは存在する空間である事。
・そのエメツが含まれる物品にニンジャの血が掛かる事
 (誰かが所持している場合はそのキャラクターが近接攻撃でニンジャを殺す。部屋に置かれている場合はその隣でニンジャが死亡する事)

上記の条件を満たした時、サツガイは黒いトリイとともに前触れなく現れて対象にジツを授けて去っていく。
なお、サツガイの出現には他にも複雑な条件があるのでNMは条件を満たさなかったとしてサツガイを出さなくてもよい。
逆に偶然条件を満たしたとして上記に該当しない時にサツガイを出現させてもよい

サツガイの行動パターンとジツ付与のルール

サツガイが現れる条件を満たしたときはまず「対象」を決める。優先度は

1.サツガイの出現条件を満たしたニンジャ
2.PCの中で総能力値が一番低いニンジャ
3.NPCのニンジャ
4.ニンジャスレイヤー

の順になる。

その後、サツガイは行動を消費せず「対象」以外の全員にハッポースリケンを投げつける。
(ダメージ2、回避難易度HARD)

そして「対象」の目の前まで移動し、強制的にジツもしくはスキルを授けた後消える。
「対象」は2D6を振って出た目に対応するジツもしくはスキルと【ニンジャソウルの闇】を手に入れる事。


・ジツが付与される時、既に「対象」がジツを所持していれば2種類のジツを持つ事ができ、ジツを持っていなくても基本のジツであれば新たに取得する事が可能。
この時、「ノーカラテ・ノーニンジャ」を宣言しているニンジャであっても強制的にジツが付与される。
・スキルが付与されるとき、そのスキルは全て『自動取得スキル』として
 扱いスキル取得欄を圧迫する事は無い。
・【ジツ】0の状態でジツが付与された場合、ジツの行使は【ニューロン】の数値だけダイスを振って行う。
(付与されるジツの中に【ジツ】の値を参照する物は無いので
 【ジツ】が0でも問題なく運用できる。
 逆に、他にジツを持っていなければ【ジツ】を上げる恩恵も無い。)

付与されるジツ一覧とその効果

2D6を振った数値と一致したジツを手に入れる、ジツの詳細は後述。

2.酩酊者の世界
3.吸血鬼の肉体
4.ウラナイ・ジツ
5.ブレッシング・ジツ
6.チョクリツ・ケン
7.レッサー・ゼゲン・ジツ
8.キノコ・ヒーリング・ジツ
9:ミエザル・ジツ
10:ムシアナ・ジツ
11:サツキ・ジキツキ
12:コウ・リン・ジツ


2:酩酊者の世界

 酩酊者の世界に移動するジツ、術者の姿は重度酩酊者しか認識できず、重度酩酊者以外に一切干渉される事はなくなるが、
術者自身も重度酩酊者にしか干渉する事ができなくなる。
このジツを得た場合、取得者は即座に酩酊者の世界に消えてキャラロストとなる。

3:吸血鬼の肉体

伝説の吸血鬼のごとき力を得るが、代償として致命的に太陽光に弱くなる
ブラド・ニンジャクランのジツ
取得者は『吸血』『致命的太陽光アレルギー』を得る。
  

『吸血』 

近接攻撃でサツバツ!が発生したとき、
D6を振る代わりにこのジツを使用する事ができる。

使用すると相手に2点ダメージを与え、自分の体力を2点回復する。
さらに、シナリオ中相手の【カラテ】が-1、自分の【カラテ】が+1される(最大で+3まで重複する)

なお、同意を得られた相手か無抵抗の相手(死体含む)に対しては直接『吸血』を行う事もできる

また、このスキルを得ているニンジャは吸血を行う事でサツバツ!等で失った肉体を復元する事ができ、サツバツ!の出目6のような即死効果を受けた場合は代わりにD6ダメージを受ける。
  『致命的太陽光アレルギー』 
  
このルールを持つキャラクターは、直射日光が当たる場所にいる限り1ラウンドに「2点」のダメージを受ける。
さらにあらゆるの判定の難易度が+1される(目標が7以上になる場合は判定そのものが不可能となる)
非戦闘時においては深いフードを被るなどで影響を受けないとしても良いが、戦闘時にはどのような対策をしても直射日光を浴びてしまう物とする。(なお、昼の屋外でも重金属酸性雨が降っている場合はこのルールを適用しない) 

4:ウラナイ・ジツ

花札タロットを使った占術、その的中率は驚異的だが実態はコトダマ空間にアクセスするジツを応用した一種のハッキングであり、真実に近づきすぎた事による発狂の危険性が常に付きまとう。

・非戦闘時のみ使用可能、難易度HARD
ジツの行使に成功した時、NMにシナリオに関係する質問を一つ行うことができる。
(例:このUNIXをハッキングすると得られるデータは何か?、この先の部屋に罠はあるか?など)

・NMはその質問に嘘をつかず答えなければいけないが、不都合がある場合は回答を拒否する事ができる。
回答を拒否した場合は使用した【精神力】を元に戻し、後述の発狂判定も起こらない。

・ジツの効果で回答を得た場合、発狂判定としてD3を振り、D3+(ジツで回答を得た回数)が「4」を超えた場合は真実に近づき過ぎた事によりシナリオ中【ニューロン】と【精神力】の最大値が「2」減少し、
さらに一切のジツが使用できなくなる。

5:ブレッシング・ジツ

自身のに浄化の力を持つ白い光を纏わせるジツ(発動難易度:NORMAL) 
発動に成功すると使用者はマップにいる間『★★毒物無効』を得る。
さらにこのジツを所持している場合、以下の装備を購入できる。

  *アクティブ・カタナ*【万札30】
   近接武器 ダメージ1 
   その他の行動で内部機構を起動させると装備者を中心とした3×3マスに「青い光」が充満する。
   「青い光」はその光自体が猛毒となる物であり、装備者の手番開始時及び終了時に
   「青い光」のマスに存在するキャラクターは全て毒による「1」ダメージを受ける
   つまり手番中ずっと「青い光」の範囲内にいたキャラは2回「1」ダメージを受ける。
   (回避不可、機械のキャラクターにも有効、敵味方識別不可、装備者自身も対象に含む)
   この効果はその他の行動で内部機構を停止させるか何らかの理由で武器を手放すまで有効。

6:チョクリツ・ケン

飛び上がって相手の両肩に乗り、驚異的なニンジャ平行感覚によって相手を土中に埋めるヒサツ・ワザ。
スキル:『チョクリツ・ケン』を取得する


『チョクリツ・ケン』
  
近接攻撃時にサツバツ!が発生した時、D6を振る代わりにこのスキルの使用を宣言してよい。
相手の回避が失敗した場合、術者は対象と同じマスに重なるように移動する。
その後、相手は『振り払う』(【カラテ】判定:U-HARD)以外の能動的行動と回避判定を取る事が出来なくなり、その状態で3ラウンド経過すると地面に埋まって死亡する。
ただし、地面に埋めるまでの効果中は術者も『ワザの解除』を除く能動的行動と回避判定を取る事ができなくなる。
振り払う判定に成功、あるいは術者が解除した場合は対象の周囲8マスのいずれか(術者が指定可能)に移動する。
『ボス級の敵』はこのスキルを難易度HARDで回避を試みる事ができる。 また、このスキルが回避され、さらにカウンターカラテを食らった場合使用者は『ウカツ!』状態になる

7:レッサー・ゼゲン・ジツ

 モータルに幻覚を見せて思い通りに操る一種の催眠術。
 カナシバリ・ジツのようにニンジャに使う事は出来ないが、モータルに対してはほぼ消耗せずに発動できる。

非戦闘時かつ『ボス級の敵』でないモータルにのみ発動可能、このジツは精神力を消費せずに発動できる(発動難易度EASY)
ジツに成功した場合、そのモータルは質問に抵抗なく答える他、頼めば持っているトレジャーを差し出してくれる。
対象が操作する権限を持っていればUNIXへのアクセスやドアの解錠も行ってくれるが、破壊やハッキングを伴う判定及び戦闘行為をさせる事はできない。
同時に操れる相手は1体までであり、2体以上操ろうとすると1体目の操作が解けて正気に戻る。

8:キノコ・ヒーリング・ジツ
  
特定のキノコを食べる事で負傷を回復し、さらに強力なドーピング効果を得るドトン・ジツの一種

 *オーガニック・マツタケ*【万札:5】を食べる事で【体力】が全快し、
さらにサツバツ!等で欠損した部位も再生する事ができる。
また、【精神力】を1点消費する事でダメージを受けた直後に使用する事も可能。
なお、*オーガニック・マツタケ*は貴重な上に愛好者が限られるため一度に一つしか所持することはできない

9:ミエザル・ジツ  

体を永続的に透明化させるジツ、解除は不可能。
透明化するのは自身の肉体のみなのでアイテムや装備はそのまま見えてしまうが、それでもニンジャ野伏力と組み合わせる事で完全なアンブッシュを仕掛ける事が可能。

・このジツで透明化しているニンジャは意図的に存在を誇示しない限り攻撃対象として選ばれず、位置を把握される事も無い
(ボス級の敵はその他の行動で【ニューロン】:HARDの判定に成功する事で位置を把握できる。術者が万札などのアイテムを所持している時は判定難易度-1、何かの装備を付けている時は判定難易度-2、)

・また、近接攻撃を行うとき、攻撃対象になった相手は【ニューロン】
:U-HARDの判定に成功しない限り回避ダイスを振る事ができない。
同じ対象に連続して攻撃する場合はこの効果は適用されず、攻撃を食らった相手は術者が移動するまで判定無しで位置を把握できる。
(本人が万札などのアイテムを所持している時は判定難易度-1、何かの装備を付けている時は判定難易度-2、)

10:ムシアナ・ジツ

触れるもの全てを消し飛ばすアンタイ・ウエポンを生成するマイニュ・ニンジャのジツ。
本来はもっと多彩で恐るべき力を秘めたジツなのだが、サツガイに付与された時点ではその力の1割も発揮できていない。

自分の手番開始時に【精神力】を2消費して発動できる、難易度HARD 
(この場合ジツ→移動→攻撃と行動可能)
発動に成功すると**アンタイ・ウエポン**を生成して装備する。
この武器は近接攻撃の他、射撃攻撃にも使用可能。
  **アンタイ・ウエポン**
  特殊近接武器 ダメージD3、基本難易度NORMAL/射撃武器、ダメージD3、基本難易度HARD
  この武器を使った攻撃が命中した時は出目に関わらず『サツバツ!』が発生した物として処理を行う。
  (射撃武器として使用した時にも『サツバツ!』が発生する。)
  さらにD6で内容を判定する時の出目を+1する(6が出た時はそのまま6の内容を適用する。)
  この武器は一度命中すると消滅する。

11:サツキ・ジキツキ

ドラゴン・ニンジャクランに伝わるチャドー暗殺拳の失われた奥義
本来は厳しい取得前提を持つがサツガイは無視してこのスキルを与える。
スキル:『ジキ・ツキ』と『ヒサツ・ワザ:サツキ』を得る。
(取得前提を満たしていなくても例外的に使用可能)


『ジキ・ツキ』(取得前提:『チャドー呼吸』、【カラテ】10以上)
渾身の力を込めて相手を貫く処刑用打撃、その威力は常軌を逸するが非常に隙が大きいため動けない相手にしか当てられない。
・移動後後使用不可
(サツキから連携して発動する場合はこの制限を無視して良い)
・【精神力】を1消費して【カラテ】で難易度:HARDの判定を行う。
  成功するとダメージ3D6、「回避難易度:KIDS」の近接攻撃を繰り出す
・このスキルが回避された場合使用者は『ウカツ!』状態になる。
・ムテキ・アティチュード状態の相手に使用した場合はD6ダメージを与える。
『ヒサツ・ワザ:サツキ』
(取得前提:『ジキ・ツキ』、【ワザマエ】13以上)
    
片手に極限まで強く繊細なカラテを集中させて攻撃を弾き、一瞬相手を硬直させる奥義、 ムテキ・アティチュードとの最大の違いは攻撃態勢を維持したまま使用できる事であり、
ジキ・ツキと組み合わせる事で真のヒサツ・ワザとして完成する。

・敵からの『近接攻撃』への『回避判定』で『カウンターカラテ』に
 成功し、なおかつその『回避判定』に出目6が4個以上含まれていた
 場合、通常の『カウンターカラテ』の代わりにこの『ヒサツ・ワザ』
 の使用を選択してもよい。
 この『ヒサツ・ワザ』を使う場合、【精神力】を1消費し
 【ワザマエ】判定:U-HARDを行う。
 【ワザマエ】判定に失敗した場合は回避判定そのものに失敗したとして
 攻撃のダメージを受ける。
 【ワザマエ】判定に成功した場合、『カウンターカラテ』のダメージが
 発生しない代わりに相手は次に受ける攻撃の回避判定が不可能になる。
(この効果は回避不可、『連続攻撃』、『連射』等は全てまとめて1回の攻撃として扱う)

・また、【精神力】を更に1消費する事でその場で『ジキ・ツキ』を使用する事ができる。
(サツキの消費、ジキ・ツキの使用権を得る消費、ジキ・ツキ自体の消費を行うので『サツキ・ジキツキ』の連携には合計で【精神力】を3消費する)

12:コウ・リン・ジツ

ヒカリ・ニンジャのみが会得したと言う禁断のジツ、一度開放されたならネオサイタマの全てを飲み込むまで止まらない。


・会得した瞬間自動的に発動、「対象」の【ジツ+ニューロン】本の光の翼
 が発生し、同じマップにいるキャラに自動で襲い掛かる、この時壁や
 障害物は無視する。
 (誰を狙うかは選べるが、誰も選ばないことはできない。)
・光の翼に襲われたキャラは自身の手番が来る毎に「3」ダメージを受ける(回避不可)
・このジツでHPが0になると光球となって消滅し、その光球からも「対象」の【ジツ+ニューロン】本の光の翼が発生する。
このジツによって発生した光の翼がマップ内のキャラクター総数より多くなった時、爆発的に増加した光の翼によってネオサイタマは消滅する。
なお、ジツの発動時にセプク、あるいはカイシャクを頼むことは可能。


元ネタ

それぞれのジツの元ネタは以下の通り、見た目が面白いジツ、ゲームに落とし込んだ時に【ジツ】の値が関係しなさそうなジツを意識して選びました。
なお、酩酊者の世界とコウ・リン・ジツがキャラロスト枠として真っ先に埋まってたり。

2.酩酊者の世界:デュオソニス、あるいはバッカス
3.吸血鬼の肉体:レッドドラゴン、カシウスなど
4.ウラナイ・ジツ:アラクニッド
5.ブレッシング・ジツ:ナハトローニン
6.チョクリツ・ケン:ブラックバンタム
7.レッサー・ゼゲン・ジツ:ツインテイルズなど
8.キノコ・ヒーリング・ジツ:スカベンジャー
9:ミエザル・ジツ:ミエザル
10:ムシアナ・ジツ:メイレイン、ダークドメイン
11:サツキ・ジキツキ:フジキド
12:コウ・リン・ジツ:カノープス


もし良ければ自由に改変してあなただけのサツガイガチャを作ってみてください、考えてみるだけでもとてもタノシイですよ!
それでは、この記事が楽しいニンジャライフの一助になる事を願っています。

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