ボカロオタクが『Vサマ』1日目昼公演を観た結果

こんにちは、悠雨です。

Vサマというのは、2019.8.24〜25に開催されたVtuberによる音楽フェスのことです。

フェスと言ってもどこかの会場に集まるタイプの所謂リアルイベントではなく、OculusによるVR視聴かニコニコ生放送での視聴によるものです。とはいえリアルタイムで開催されているライブであったことは確かなようです。
2日間×昼夜の計4公演のうち、私は1日目昼公演を購入してニコニコで鑑賞しました。

とはいえ、初音ミクさん目当てだったわけではなく。。。
実は私、ここ数ヶ月Vtuberにどっぷりハマっていて、その中でも特に推しである天神子兎音さん目当てでチケット購入・視聴を決意したものです。
もちろんゲストとして初音ミクさんも出るというのは目に入ったので、VtuberとVOCALOIDがどのように交わるのかという興味は持っていました。
(キズナアイさんとの共演は何度かありましたが私は見ていませんし、その時とはちょっと趣旨も違うなーと思ったので、余計に)

以前から、VOCALOIDとVtuberの距離感・関係性ってどうなっていくんだろうと考えてたんですが、Vサマに先駆けて予習を兼ねてこのイベントの主催であるActEolve社の社長さんのインタビューや共演するVtuberさんのTwitter等を読み、そして当日のライブでのMCを聞いていて見えてきたのは、初音ミクさんを「バーチャルの大先輩」と捉えているということでした。
これは私にとってとても大きかったし、嬉しかった。

VOCALOIDとVtuberは、技術的に全くの別物です。
ただ、この「技術的に」というのがミソで、詳しくない人から見ればどちらも「バーチャルな存在」という「なんか似たようなもの」なのです。その違いがわからない(あるいははっきりと説明出来ない)人の方が多数派です。もっと言ってしまえば、どちらもちゃんと見たこと・聞いたことがないという人が世間的には多数派でしょう。
そういう人たちにVOCALOIDやVtuberに対して興味を持ってもらう、つまり裾野を広げて一般化していくための入口に、技術的な違いという議論はあるべきではないと私は思っています。そのような門戸の狭め方をするメリットなんてどこにもないからです。

今回のVサマは素晴らしいライブでした。今後に備えてOculus Quest絶対買おうと決意したくらいには最高でした。
そして一番感じたのは、バーチャルというのはファンタジーなんだということです。
科学技術による魔法。日常に対する非日常。

結果、VOCALOIDもVtuberも、夢の国のネズミさんと同じなんだと私は思いました。

初音ミクは歌手なのか、楽器なのか、アーティストなのか。
Vtuberの本質は魂なのか器なのか。「中の人」は誰なのか。
VOCALOID、Vtuber、人間の違いとはなんなのか。
ミッ○ーは着ぐるみなのか。何人もおるやんけ。

どれもこれも「無粋
この一言に尽きます。

やるなとは言わない。
ボカロPさんをはじめ、そこに向き合わなきゃいけない人はいるのかもしれないけど、そこがVOCALOIDを語るうえでの最も重要な本質のように表立って振る舞うのだけはやめてくれって言いたい。それをやってしまうとエンターテイメントではなく哲学や学術になってしまう。
見る側が求めて楽しんでいるのは裏側の葛藤や苦労の過程ではなく、最終的に表現されたもの(歌や動画やライブ等)=エンターテイメントなのだから。
ぶっちゃけ、ミッ○ーの中に人がいるなんて誰だってわかってる。それと同様に、バーチャルやファンタジーの裏側には物凄い労力やお金や苦労があること、血の通った人間がそれを生み出してることなんて言われなくても(常識的な人間ならば)わかります。わかってる上でそれを口にせず、エンターテイメントとして受け取り拍手を送ってるんです。何故同じことをVOCALOIDやVtuberに出来ないのか。絶対に出来るはずです。
それが出来るようにならない限り、一部のオタクによる内輪向けカルチャーの域を抜け出せないのではないか。VOCALOIDやVtuberがいま一歩その輪を広げきれないのだとしたら、その足を引っ張っているのは一番近くにいるオタクたちなのではなかろうか、と私は感じています。

そのため、今回Vtuber周辺の人たちが「バーチャルの大先輩」という、言葉は悪いですが雑な括りで初音ミクを表現してくれたことはとてつもなく大きいと感じました。
ボカロ厨側の視点で言えば、「どっちもバーチャル」という最大公約数に落とし込むという、今後どんどん外側に向かっていく上で一般層にも大変訴求しやすい、この上ない理想的な形に向こうが寄せてくれたと思いました。
これはボカロ厨目線からすれば、Vtuber側に借りが出来たとまで言えるんじゃないかと思ってますよ。

来たる9/22,23には『DIVE XR FESTIVAL』という、VtuberとVOCALOIDと2次元キャラクター、更にはAI DJなるものまでが大集結するリアルイベントも開催されます。

先日はLia×IAライブもありましたし、キズナアイさんがサマソニに出演しましたし、2次元~3次元がどんどんシームレスになっていきますね。
更なる可能性の広がりを、是非みんなで楽しみたいですし、その時にVOCALOIDが取り残されないよう、願うばかりです。

最後に。
私はVOCALOIDにおいてもVtuberにおいても何一つ創作側に立つことの出来ない、ただの「消費者」です。要するに「ド素人」です。これは謙遜でもなんでもなく、ただ継続して追い続けている年数や濃度が深いだけの人間なんです。それを自覚した上で、その立場で、語っています。
VOCALOIDもVtuberも、個人ベースから創り上げていくという側面があるため、アニメや2次元アイドルのようなコンテンツと同列の構造でないことは理解しています。
しかし、より多くの人の目に触れる機会となるよう大規模な商業イベントやメジャー流通、テレビ出演等の段階までいってしまったものについては、もうそういった個々人の創作活動の積み重ね的な話からは飛躍するため、供給側と消費側という簡略な二極構造に落とし込んで考えるべきだと私は思っているので、このような表現・思考になっています。
そのため、創作側の方がこれを読んで不快に思われる部分等もあるかもしれませんが、一貫して「素人目線」でまとめさせていただきました。

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