八色の虹②

1章 僕というものは。

僕は、阿賀野高清(あがのこうき)。
現在、高校2年生だ。
突然だが、過去の話をしよう。
さもなければ、話がわからないだろうから。

さて、私の記憶で一番古いのは、あの寒き日だった。多分12月だったかなあ。のちに聞いた話では、私は捨てられいたという。私は、元の姓は富田。名前は変わってないらしい。私の父と母は、ある日の夜、交通事故で亡くなった。その後、祖父に引き取られたが、家庭事情が厳しく、私をある駅に置いて、そのまま、放置した。いわば捨てたという。その時、私は2歳だった。
 寒い中、泣いていた私を抱いてくれたのは、阿賀野本谷(あがのもとや)である。その時は、今でも忘れない。あの暖かみは本物であり、さらには涙も流していたのだろうか。私は、この人がいなければ、もう生きていないだろう。
 これからというものも、本谷夫婦が大切に育ててくれたため私はすくすくと成長した。幸せだった。一緒に遊んでくれた。料理も学んだ。そもそも、本谷夫婦は、高齢だったのであるから、口癖は「私はもう長くないからね。」
 その幸せもある瞬間で終わった。私が中学2年生のとき、本谷夫婦は、事故で死んだ。散歩中だったらしい。横断歩道で、速度100km毎時の車にはねられた。運転士は、居眠り運転していたらしく、即逮捕された。

八色の虹②は以上です。
続きは八色の虹④で書きます。
次回、八色の虹③ではもう一人の方について書きます。
ではまたです。   
遅れました。    こばゆう




 

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