アルバム「Battle Starship Alfee」 First Impression | GO AHEAD -僕の描く夢- 第58回
アルバム「Battle Starship Alfee」
1. Battle Starship Neo
2. Rock 憂
3. 東京狂詩曲(ラプソディー)
4. いつかの未来
5. はじまりの詩
6. 私的恋愛論
7. 進化論B
8. 風に消えた恋
9. 今日のつづきが未来になる
10. 人間だから悲しいんだ
11. あなたに贈る愛の歌
+ボーナストラック「愛をとりもどせ!」
はじめに
THE ALFEEのアルバム「Battle Starship Alfee」がついにフラゲ日を迎え、早速我が家にもやってきました。3年6ヶ月ぶりですか……そんなに経っていたんですねえ。ライブ活動も頻繁に行われていますし、シングル・ソロや企画ものもリリースされていたので、全然長くは感じませんでした。
さて、今回のアルバム「Battle Starship Alfee」ですが、その出来栄えは「THE ALFEEの45年がすべて詰め込まれているといってもいい一枚になっている」とメンバーが仰られていたその通りの、初心者にもファンにも楽しめる至極の一枚になっています。
果てはプログレ、果てはアコースティック、ハードロックにバラード、フォークロック、どこにこんな引き出しがあるのだろうと不思議に思えてしまうほどの、多彩な音楽性がフルに発揮された一枚。
初心者も楽しめて、長年のファンはもっと面白い。そんな作品です。
1.Battle Starship Neo
【この曲のここが好き!】
・SF映画や特撮ヒーローものを連想させる壮大な曲調
・男の子の心を刺激する「宇宙への舟出」を高らかに謳うリリック
・なんといってもスイッチボーカル!!
・イントロは2分近くあります◎
真面目な紹介はこのくらいにして、ここからはわたしの感想を。
アルバムの最初は、もう男の子にとってはたまらん!という宇宙を舞台にしたスペーシーロックオペラです。
めちゃくちゃカッコいいし、今こういう曲をリリースしているバンドって他にないから、それだけでも凄い個性なんだな……って改めてこのバンドの面白さを感じています。
2.Rock 憂
【この曲のここが好き!】
・クイーンの影響を受けた、どストレートなポップロック!
・桜井さんのシャウト!!
・何よりも若々しい歌詞!これがいい!!
この曲、アルフィーのルーツが詰まっていますよね。ジョン・ディーコンの影響でベーシストになった桜井さんのクイーンに対する愛情が詰まっています。
間奏はいつもの高見沢さん節なんですけど、ブライアン・メイ調のギターサウンドがそれを感じさせません。
落ち込んでいるとき、元気になりたいとき、背中をばんっ!と押してくれる楽曲です。
カモンカモンロックユー!!!!
(よかったら歌詞カードもみてね)
3.東京狂詩曲(ラプソディー)
【この曲のここが好き!】
・この歌詞でメタルという驚き
・前奏と間奏の展開が面白い!!
・イントロはまたもや1分超え!
たぶん、察しはついてると思うんですけど、わたし、凝った曲がめちゃくちゃ好きなんですよね。一度、本気でプログレ特集をこのエッセイでやろうとしたくらい。
「恋愛gigolo」も『この歌詞でこのメロディー!?』という驚きがあったんですけど、この曲もそんな雰囲気を醸し出しています。
とても大人っぽい歌詞に、まるで感情の高鳴りを表すかのようなサウンドが非常に面白いコントラストになっていると思います。
4.いつかの未来
【この曲のここが好き!】
・坂崎さんの爽やかなボーカル
・アコギとエレキの掛け合い
・リリックの詰め方がちょっと面白い
坂崎さんの爽やかな声を生かした楽曲。マラソンのテーマソングのような、これもみんなの背中を押してくれる歌詞が特徴的です。
「Change」をちょっと思い出したかも。アルバム曲というよりは、シングル曲の雰囲気を感じる曲ですよね。
5.はじまりの詩
【この曲のここが好き!】
・桜井賢ここにあり!って感じの艶やかで清らかなボーカル
・45年目に産み出された約束の歌
・全編泣かせにくる……
このアルバムのリード曲であり、核となっている曲。坂崎さんや高見沢さんのボーカル曲では「約束の歌」はあったけれど、桜井さんのボーカル曲では初めてだから、とても新鮮。
鎌田雅人さんが演奏している(と思われる)ピアノが素敵すぎて……
やばいよ、この曲だけでも聴いてほしい!!
6.私的恋愛論
【この曲のここが好き!】
・マーチンD45のスリーフィンガーの透明感
・高見沢さんの現在の恋愛論が詰め込まれている
・70年代フォークの雰囲気バリバリの懐かしさ
フォーク好きな人にはたまらないんじゃないかなあ。スリーフィンガーもそうなんですけど、萩森英明さんのストリングスアレンジがすごく素敵。クラシカルだけど、フォークソングの特徴を的確につかんでいて、プロってすごいなあ……って。
萩森さんのストリングスアレンジ、とても好きです。
高見沢さんの甘い声もいい。
7.進化論B
【この曲のここが好き!】
・プログレ!……だけど5分半で纏められていて聴きやすい
・現代を冷笑的に捉えたメッセージ性強めの歌詞
・怒涛の間奏の展開
一番最初に解禁された曲でしたよね、確か。こんな曲が来るんだ、と思って、胸が高鳴ったのを覚えています。
プログレだし、パンクっぽい要素も入っているんですけど、あくまでもポップなんです。間奏のアコースティックとシンセサイザーの掛け合いがとっても面白い。
ボーカルが全部三声なので、どこをメインに取るかが人にとって分かれてきそうですな曲ですね。
8.風に消えた恋
【この曲のここが好き!】
・「悲しみが消える時」を彷彿とさせるフォークソング
・坂崎さんの声がとてもやさしくてよき!
・とてもとても70年代風
今回初収録のオリジナル曲としては、これが最後になりますね。
坂崎さんのとても優しくて爽やかなボーカルが耳に残ります。スリーフィンガーを基調とした「私的恋愛論」とは異なり、この曲では十二弦ギターの音色が光っています。
確か、テリーズテリーかTSKでしたよね。(ラジオでちゃんと言ってたのに忘れてしまった)
昔を懐かしむような楽曲が今回は多いなあ……
9.今日のつづきが未来になる
【この曲のここが好き!】
・やさしいメロディーに、艶やかな桜井さんのボーカル
・「毎日頑張らなくてもいい」と背中を押してくれる歌詞
・1954年製のストラトキャスターの特色が活かされたソロ
「今日のつづきが未来になる」を最初に聴いたとき、音作りが大きく変わったなあ……という印象を受けたのを覚えています。
エレキも最小限で、生ギターとコーラスを活かした編成。とても聴きやすくて、びっくりしました。
カップリングの「風の翼」も素敵だったなあ……
10.人間だから悲しいんだ
【この曲のここが好き!】
・アコースティックハードという新境地を開拓
・坂崎さんの張り切ったボーカル
・時折挿入されるシンセの音がGood!!
坂崎さん、「Juliet」以来の表題曲担当です。ボーカルオーディションをしたとおっしゃられていましたが、やっぱり最初から坂崎さんで決め打ちしていたような気がしてならないくらい、坂崎さんにぴったりの曲なんですよね。
かき鳴らす情熱的なアコギの音に、人生を語る坂崎さんのボーカル。
吉田拓郎さんリスペクトが随所に現れているような気がします。本人たちは確か否定していたような気がしますが……
11.あなたに贈る愛の歌
【この曲のここが好き!】
・至極のラブバラード
・クラシカルで甘いストリングスアレンジ
・Aメロに挿入されるハープと、二番Aメロのストリングス
めちゃくちゃ久々のノンタイアップだったことにびっくりしたシングルでした。
高見沢さんのボーカルに対するこだわりがとても良い形に繋がっていますよね。萩森英明さんが新たにアレンジャーとして参加し、クラシック畑という経歴を活かしたストリングスアレンジが光っています。
また、高見沢さんのギターソロもかなりメロディアスなものになっていて、こんなに控えめなのは久々でちょっと驚いた記憶があります。
最後に
というわけで、いかがでしたでしょうか。
今年でデビュー45周年を迎えた彼らですが、さらに進化を遂げて、終わらない夢を叶えようと奮闘を続けています。
春のツアー中にレコーディングをして、アルバム発売までたどり着くというのは本当に凄いことです。
やっぱり、このバンドは強いなあ。
早速オリコンデイリーチャートで第3位を記録したという嬉しいニュースが入ってきましたが、この勢いを持続させてほしいものですね。
皆さんも、機会があれば是非手にとってみてください。
絶対に裏切りません。
2019.06.26
Yuu
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!