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パパを忘れないで | GO AHEAD -僕の描く夢- 第68回

わたしには忘れられないドライバーがいる。それは、カルロス・サインツだ。サインツは非常にクレバーで、強くて、かつての「野生的で、才能と腕を信じて突き進む」というドライバー像を一変させるほどの衝撃をラリー界に与えた。

ラテン系でも、勝てるんだ。フライングフィンがずーっと席巻していたラリー界に、ひとつの勇気を与えた。

(もちろん、日本人で初めてWRCとパリダカール・ラリーを制覇した篠塚建次郎さんのことを忘れてはいけない)

最初にカルロスのドライビングを目撃したのは引退後のパリダカール・ラリーだったが、その数年前まではWRCで一線級のワークスドライバーとしてキャリアの最後を飾っていた。シトロエンにオールスターチーム(セバスチャン・ローブ+コリン・マクレー)の一員として移籍したり、引退したのにも拘らずフランソワ・デュバルの代役として移籍したり。

カルロス・サインツのドライビングや現役にこだわり続ける生き方が、わたしの「ベテラン好き」という一面に大きな影響を与えたのは間違いないだろう。

そういえば、今もパリダカール・ラリーで活躍していると聞いたときは驚いた。かつては「アロウズの直線番長」として日本のモータースポーツファンを沸かせたヨス・フェルスタッペンも息子のマックスがF1にデビューするときは引退したのに、息子がF1ドライバーとして活躍している今も現役のドライバーとして活躍している。

何が彼をここまで動かしているんだろう……って思うこともあるんだけど、去年亡くなったホセ・カスティーヨ選手を始めとする各国独立リーグを転々としている野球選手を見ていると、なんとなくその理由が見えてくる気がする。

ジェンソン・バトンやロベルト・モレノのように、F1ドライバーとしては一線を退いてからも現役で活躍するドライバーは増えてくるんじゃないのかなって、最近のF1を見ていて思う。これから先、フォーミュラEやその他のカテゴリーとの入れ替わりも激しくなってくるんじゃないかな。

個人的には、ウィル・パワーをF1で観てみたい。アレクサンダー・ロッシも。

2019.07.09
Yuu

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