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もう『ボカロ曲』をジャンルって言うのやめない?(ごめん嘘。) #vocanote

だって曲に合成音声を使ってるだけでしょ?合成音声を使われているだけで『ボカロ曲』とジャンル分けされるから色んな齟齬が生まれているのでは?というお話です。こんにちは、夕立Pです。

「別にボカロ曲って言い方でいいじゃん」とあまりこだわりや思想がない方、ボカロ曲という言い方で困ったことがない方にはnot for meな記事なのでスルーしてください。ぼくはちょいちょい思うところがあります。

とあるイベントでの『ボカロ曲』の扱い

たとえば、同人音楽即売会として最も規模が大きいイベントである『M3』。ボカロリスナーとしてはニコニコ超会議のイベントと時期がダダかぶりし、ボカロPとしては「どっちのイベントに参加するのがいいんだ……?」となる、あのイベントです。

M3ではボカロ曲が「ひとつのジャンル」として扱われています。これはちゃんとボカロ曲が認知されているという意味では良いことだと思います。しかし、ここボカロ曲島で何が起こっているかと言いますと「あらゆる音楽ジャンルが区別されずにボカロ曲という理由だけでまとめられている」カオスな状況となっています。

M3での他の音楽ジャンルはあまりこうなっていません。(後述するとあるジャンルは少し似たような状況かもしれませんが)音楽の主体が「合成音声」であり、本来は主体となる「音楽ジャンル」がここではもはや従となっているのです。

まぁ実際、ニコニコ動画でもVOCAROCKだのVocaR&Bだのミックホップだの、ジャンルとして機能しているタグはどれもこれも「合成音声が主」という事情を反映しているようにも見えます。ある意味、合理的かもしれませんね。

「合成音声を『ボカロ』って言うのやめようぜ」ムーブ

ところで、「ボカロに替わるキャッチーな合成音声の呼称を考えよう」という話が不定期的にSNSで噴き上がることはご存知でしょうか?いつものお祭り騒ぎみたいなやつです。
これ、せっかく新しい呼称が決まったとしても、これまで使われてきた「ボカロ曲」「ボカロリスナー」の呼称の方が結局足を引っ張ってきそうだなと思うんですよね。あまりこっちの方には言及されていないのが不思議なくらいで。なんででしょうね?
ニコ動の音楽アプリも最早『ボカコレ』となっていますし、特段ボカロの商標を抱えているYAMAHAも動きはないですし。気にするだけ杞憂な気もしています。

カテゴライズの点において『ボカロ曲』と似ている(気がする)ジャンル

そういえば「○○を使っているというだけの理由で××にカテゴライズされる」というものに、ボカロ曲と似たようなジャンルが存在します。
8bitのピコピコ音源を使った、『チップチューン』です。

あの特徴的な矩形波サウンドを用いられた場合、そしてそれが主体となる場合には「実際の曲のジャンルはどうあれ」チップチューンというジャンルに分けられることが多いです。ロックだろうがケルトだろうがEDMだろうが、ピコピコが主体だったら大体チップチューンです。

もしかしたらジャンルわけ・カテゴライズをすることについては相互に学ぶことがあるかもしれませんね。

音楽をカテゴライズすることの意義

そもそもジャンル分け・カテゴライズをするのって、レコードショップが音源を売り捌くのに都合が良いから始まったやつという節もあるんですよね。
個人的にはSoundCloudやニコ動のタグでカテゴライズするぐらいがいいんじゃないかとは思っています。(というかニコ動はこれだけ音楽ジャンルに力を入れているんだったらサブジャンルの設定にももう少し力を入れてもいいんじゃないかとは思っています)

ただ、ボカロ曲って言うだけで未だに色眼鏡で見られることがあるとは思います。これがマイナス補正の「だってボカロでしょ?」だと皆さん怒りが噴き上がるんでしょうけど、ここではプラス補正の「ボカロだから聴く!」も含まれています。

むすび

結局、供給側としても受け手側としてもこういうカテゴライズがなされているから都合が良いんだろうな、というところに落ち着きました。あれ?「『ボカロ曲』をジャンルって言うのやめない?」って言ってたのはどうしたの?

ごめん嘘。

そういえば前もこんなコト言ってましたっけ


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