カープ3連覇!

昨日、広島東洋カープが球団史上初となるセントラルリーグ3連覇を達成した。

優勝マジックを1としてから足踏みが2日続いたため、やきもきしたファンも多かっただろう。

私は小6のときからカープファンであるが、贔屓目無しに見ても、今年のカープは強かったと思う。

そう考える要因は2つある。

1つ目は逆転勝ちの多さだ。
今シーズン、ここまでの78勝のうち、逆転勝ちは38回。実に半数近くが逆転勝利である。これが何を指すのかというと、救援陣の頑張りだ。

今シーズン、カープ投手陣は苦しんだ。昨日までのチーム防御率は4.12。昨年が3.39だったことを考えると、今年の投手陣がいかに打たれているかがよく分かる。1試合あたり約0.7点失点が多いということなので、単純計算で0.7×143=100.1となり、昨年より失点が100も増えるペースということだ。

その原因は先発投手の不安定さによるところが大きい。昨年活躍した薮田は結果を残せず、岡田も本来の出来とはほど遠い投球が多かった。救援陣も、今村や中田ら、昨年の連覇を支えた投手陣が軒並み打たれた。

その投手陣を救ったのが、2年目のアドゥワ誠や、今年5月に支配下登録されたフランスワらの救援陣だ。特にフランスワはここまで46試合、64イニングを投げて防御率は1.69と抜群の安定感を見せている。カープの長年のウィークポイントだった「左の中継ぎ」を一人で埋めてしまった。

このアドゥワとフランスワは回跨ぎもでき、序盤で崩れることが多かった投手陣を支えた。そして、彼らが失点を最小限に防ぎ、試合終盤の逆転に繋げた。この2人が居なかったら、今シーズンは違った結果になっていたかもしれない。

2つ目の要因は、選手層の厚さだ。
昨年足首を骨折した鈴木誠也の足の状態が上がらなかったり、丸佳浩の怪我による離脱、田中広輔・菊池涼介・安部友裕らの打撃不調もあった。

鈴木と丸の不在は野間峻祥がカバーした。それどころか、現在は左翼のレギュラーに定着し.297の打率を残している。菊池や田中の不調時には1,2番に座り、打線を引っ張った。残り全試合に出場すれば規定打席にも到達する見込み。かつて「隙あらば野間」「緒方の愛人」なんて呼ばれた面影はもう無い。

入団当初から三遊間に転がそうという打撃が目立っていたが、今シーズンはバットがよく振れている。打席での迷いも今までよりは感じられない。元々能力の高い選手であるだけに、今後も楽しみだ。

松山竜平はシーズン当初は左翼で出場していたが、野間が定着すると一塁での出場が増えた。勝負強い打撃は健在で、今季もここまで.303の打率を残し、丸、鈴木に次ぐチーム3位の72打点をマーク。規定打席到達も目前だ。

25本塁打を放っているバティスタや、下水流も控えており、誰が出ても活躍できる外野陣は12球団屈指と言っても過言ではない。

昨年ブレイクした安部友裕も打撃の調子が上がらなかった。その安部に替わり、5月末から三塁のレギュラーに定着したのが西川龍馬である。巧みなバットコントロールから「天才」と称されている男だが、その二つ名に恥じない活躍を見せている。打率は規定打席未到ながら.311、OPS(出塁率+長打率)も.818をマーク。送球が不安定で、失策こそ17を記録しているが、そのバットでチームを何度も救った。

そして、この最終盤に安部が怪我から復帰した。安定感のある三塁の守備はもちろん、打撃でも調子を取り戻しつつあることをアピールしている。今後の短期決戦に向けては好材料だ。代打では今季限りでの引退を表明している新井貴浩も控えている。

昨年はCSでDeNAに敗れ、日本シリーズには進めなかった。短期決戦においては、やはり投手陣が鍵を握ると思う。打線が好調な分、出来る限り失点を少なくしたい。まずはCSを勝ち抜くことを目標に、調整を進めていって欲しい。

新井に日本一を。

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