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アルテタアーセナルの通信簿

 皆さん、こんにちは。FA杯王者のTDKです。今回は、以前1度書いた『アルテタアーセナルの通信簿』の最新版をお送りします。記事はこちら。
https://note.com/yuugooner/n/ne70081e98b43
公開日は2月24日、エヴァ―トンに勝利してからELに敗退するまでの間です。はい、1番期待に溢れてハイテンションになっていたタイミングですね…。

◎選手個評

 ここからが本題です。アルテタアーセナルにおける活躍に関して、選手個々に見ていきましょう。前回は5段階で評価しましたが、今回は100点満点でお送りします。それではHere we go !!!

1 ベルント・レノ 90点

今回もトップバッターはこの人。チーム構築に四苦八苦していたアルテタアーセナル黎明期において、幾度となく窮地を救ってくれました。彼の活躍がなければ、冗談抜きに下位でフィニッシュしていた可能性があります。佳境を迎えたタイミングで無念の負傷離脱となりましたが、幸い重大な怪我にはつながりませんでした。来季以降もアーセナルを護ってくださいませ!

26 エミリアーノ・マルティネス 95点

もうアレっすよね。ここに何を書けばいいんすかね?(突然の素)レノの負傷で暗雲に包まれたアルテタアーセナル、その全てを救って見せたのがこの漢でした。安定したセービング、異常なレベルのキャッチング、素晴らしいキック、頼もしいメンテリティ…褒め始めたら止まらないです。来季以降、レノとの関係性がどうなるのかは良い意味で不透明です。例えエミがどんな未来を選ぼうとも、私は一生応援し続けます。本当にありがとう。大好きです。

2 エクトル・ベジェリン 70点

本調子を取り戻すのに苦労していたベジェリンですが、終盤に向けて状態を上げてきた印象です。前回の記事では低い評価になりましたが、挽回しながらシーズンを終えました。特に決勝戦では、かつての姿を彷彿とさせる素晴らしいスプリントを披露。決勝点の大きな立役者となりました。今季は長期離脱明けでしたので、来季は本領発揮が望まれます。

3 キーラン・ティアニー    90点

12月から約3ヶ月、脱臼からのリハビリに費やしたティアニー。中断明け以降、獅子奮迅の大活躍を見せました。本職のSB・WBでの活躍はもちろんのこと、左CBとしても格別の安定感を発揮。『ティアニーが2人欲しい』と何度も思わせるようなパフォーマンスでした。年齢的にもまだまだ若く、今後チームの象徴になれる可能性すら秘めています。攻守において欠かせないマストピースであり、フル稼働が期待されます。

5 ソクラティス・パパスタソプーロス 50点

めっきり出番が無くなってしまったソクラティス。チーム内での序列が低下の一途を辿っています。やはりアルテタが志向するCB像と合致していないためか、来季以降の立場も怪しいと言えます。その一方で本人はアーセナルに不満を抱いていない様子で、これからも戦いたい考えが漏れ伝わってきます。チーム本人双方にとって利がある着地をしてもらいたいですね。

16 ロブ・ホールディング 55点

ベジェリン同様、負傷からのカムバック途上にあるホールディング。復調の兆しを見せながらも、イマイチ浮上しきれないままシーズンが終わってしまったという印象でした。3バックにおいて左CBに左利きを好むアルテタと、左側が得意な右利きのホールディング。微妙な歯痒さが残る関係性です。アルテタが必ずしもそこに左利きだけを使うという訳でもないとは思うので、後は本人のコンディション次第といったところでしょうか。

17 セドリック・ソアレス    65点

冬に加入するも、負傷によってデビューが大幅に遅れたセドリック。ベジェリンという存在がある中、バックアッパーとしては十分な働きを見せたと言えるでしょう。デビュー戦での鮮やかなミドルシュートは、これまでの苦労を知っているグーナー達の胸に大きく響いたことでしょう。特別に秀でた能力があるわけではありませんが、基本に忠実でプレミア慣れした経験値はベンチにとって頼もしく映っているでしょう。チームは11人じゃ成り立ちません。来季もいぶし銀の活躍で底支えしてくれるはずです。

20 シュコドラン・ムスタフィ 75点

不死鳥ムスタフィ、十分に合格点を与えられるパフォーマンスでした。新生3バックのチームにおいて、絶対的なレギュラーとして君臨。果敢なパスと持ち上がりで、最終ラインからチームを鼓舞していました。現在でも去就に関する話が途絶えることはありませんが、個人的には残留確定です。最終盤には無念の離脱となってしまいましたが、その不在を多くのグーナーが嘆くことに。アルテタ政権前には絶対に見られなった光景です。

22 パブロ・マリ 60点

書いていて思います。リカバリー中の選手も含めて何人が負傷に苦しんでいるのかと。マリの点数に関しては、採点不能というニュアンスが強めです。再開初戦のシティ戦でスタメン起用されるなど、アルテタからの信頼は厚いと思われます。ハイライン及び後方のスペース対処に一抹の不安はありますが、相方次第では最終ラインに安定をもたらすことができる存在だとは思います。来季に期待。

23 ダビド・ルイス 70点

ルイスの評価に関しては、前回の記事と比べて少し低下しました。もちろん主軸としてチームを支え続けてくれた選手なのですが、退場やPK献上による負の印象が残ってしまいました。そういった要素を加味し、この点数としました。恐らく来季が最終シーズンとなるので、華々しく燃え上がってもらいたいところ。出番もまだまだあると思いますし。

31 セアド・コラシナク 45点

正直に言うと、下落し続ける評価を止めることが出来ないシーズンとなってしまいました。チームが3-4-3に舵を切ったことで存在感が高まると思われましたが、低調な出来に終始しました。不慣れなCB起用には情状酌量の余地がありますが、本職とも言えるWBでのパフォーマンスも不満が残る結果に。どちらもティアニーの牙城を崩すには至りませんでした。とは言え、このポジションを補強する余裕がチームにあるわけではないので、来季もバックアッパーとして残留すると思われます。復権を待ちたいところ。

8 ダニ・セバジョス 85点

新境地を完全に自分のものにしたセバジョス、堂々の高評価です。特に中断が空けて以降は、中盤における絶対的な主力として素晴らしいパフォーマンスを披露。来季も残留が望まれる情勢に。獲得時にはおおよそ想像もつかなかったであろうCHとして、完璧に適応してみせました。攻撃の組み立てはもちろんのこと、守備時も必死に身体を張る姿に心を打たれた人も多いのではないでしょうか。絶対に残ってほしい。切実に。

10 メスト・エジル 60点

さぁ、問題の選手その1です。中断前は文句なしのS級評価だったエジルですが、点数が暴落することに。それも仕方ない話で、再開後は出場機会がないままシーズンを終えました。間違いなくアルテタアーセナル黎明期における象徴だった選手が、どうしてこうなってしまったのか。今も憶測が飛び交っています。彼抜きでもチームが成立してしまったことも、また状況を難しくしているでしょう。今後の推移を注視したいですね。

11 ルーカス・トレイラ 55点

中断前には相応に出場機会があり、まずまずの出来を披露していたトレイラ。しかし、それを境にセバジョスに大きく水を開けられてしまうことに。もちろん、彼自身にも注文が付きます。セバジョスと比較すると『守』を得意とするトレイラですが、攻撃面での貢献度にアルテタは不満なのだと思われます。それに加え、前述の通りセバジョスが守備でも『そこそこ』と言えるレベルに適応してしまったこと。これにより、中盤の序列が確定したと言えます。ただ、アルテタの指導でまだまだ伸びる可能性がある選手だとは思います。売却の噂も少なくないですが、是非とも来季もファイトしてほしいですね。

15 アインズリー・メイトランド=ナイルズ 70点

色々あったシーズンだったと思います。偽SBとして重用されたと思いきや、コミットメントの問題でベンチ外期間も経験。しかし、最後には貴重なサイドプレーヤーとしてチームの戴冠に貢献しました。出来不出来にムラがあるものの、並み居る屈強なWGに負けない強さはユニークなキャラクターです。両サイドを難なくこなす点も高評価。彼もまた去就が不透明ですが、退団することになっても少なくない移籍金を残してくれる活躍だったと評していいでしょう。

28 ジョー・ウィロック 65点

イマイチ立ち位置が不明瞭なままシーズンを完走したウィロック。まるで熟年の選手のような起用法で、途中からチームの穴を埋める役割を果たしました。一定の評価を付与するに値する活躍だったとは思いますが、このままではまだまだ力不足というのもまた事実でしょう。起用貧乏の殻を破って、更なる飛躍を遂げてもらいたい選手です。全てがあと一歩足りないという印象である一方、それは高いレベルの万能屋になれる可能性を秘めているという裏返しでもあります。今後が楽しみです。

29 マッテオ・ゲンドゥージ 40点

問題の選手その2です。ただでさえ政権交代以降はプレゼンスが低下気味でしたのに、チームと正面衝突して完全な構想外となってしまいました。件のブライトン戦以降、完全にチームから姿を消してそのままシーズンが終了。移籍は不可避な情勢となっています。若く才能に溢れる選手だけに、この結末は率直に言って残念です。

34 グラニト・ジャカ 95点

アルテタ政権下で高まった評価、それを下落させることなくシーズンを完走しました。彼の不在時に落とした勝ち点の数を思うと、今最も必要不可欠な選手とすら言えそうです。以前の彼とは別人と言っても過言ではなく、しなやかな身のこなしと落ち着いたボール保持を新たに体得しています。以前の重鈍な雰囲気はもうそこにはなく、中盤の帝王として圧倒的な存在感を放ちます。本当に紆余曲折のあったシーズンですが、最後は満面の笑みを見せてくれました。本当に良かった。残ってくれてありがとうね。

9 アレクサンドル・ラカゼット 80点

今季は長いスランプも経験したラカゼット。終盤は調子を取り戻してレギュラーに返り咲きました。その献身的なプレースタイルは、前線からの守備を標榜するチームを牽引するものでした。ビッグマッチに強いのも非常に頼もしく、今季もここぞでの勝負強さは健在でした。来季以降の去就に関しては色々と言われている1人ですが、個人的にはもちろん残留を望みます。若手たちが育っていく間にチームを支えてもらいたい存在です。

14 ピエール・エメリク・オーバメヤン 100点

文句無しの満点。今季の最優秀選手は彼で間違いないでしょう。病める時も健やかなる時も、その得点力と明るさでチームに貢献し続けてきました。最終盤のビッグマッチでも大爆発、FA杯優勝は彼の存在なくして成し得なかったでしょう。政権交代後は、守備局面でも目立つように。日に日に欠点が少なくなってきたという印象です。アルテタとの関係性も良好そのもので、契約延長が期待されています。残ってくれ。頼む。

19 二コラ・ペペ 80点

強力3トップの一角として、その役割に恥じない活躍を披露してくれました。試合を経る毎に脅威を増すその姿に、来季への期待を大きくせざるを得ません。特に逆サイドに陣取るオーバメヤンへのホットラインは絶品で、何度もピンポイントなクロスから好機を演出しました。課題だった献身性にも、改善の兆候が見られます。開幕からしばらくの間は数多くの疑問符が投げ掛けられていたペペですが、それも今や昔。怪物としての本領、来季は存分に発揮してくれるでしょう。

24 リース・ネルソン 60点

分厚い前線の選手層にあって、日々奮闘中のネルソン。果敢なプレッシングで、ペペとはまた違う持ち味を見せてくれました。特にラカゼットと組んだリヴァプール戦では、相手最終ラインへのプレスで2得点を演出。印象的な活躍を見せました。チーム事情から中々出場機会には恵まれませんが、攻守においてアグレッシブなそのスタイルは貴重なカードになります。もう少しゴールが決まってくると、もう1段階成長出来そうです。

30 エディ・エンケティア 65点

ラカセットの不調期に、その重責を担ったエンケティア。まだまだ粗削りながらも、一定の結果を出すことに成功しました。相変わらず得点感覚には優れており、機先を制して相手DFの前に位置取る動きは絶品です。終盤もコンスタントに出場機会を得ており、飛躍の足掛かりとなるシーズンだったのではないでしょうか。勇み足から退場してしまうなど、苦い経験もしました。ポテンシャルが特大なのは周知の事実、来たる世代交代に向けて牙を研いでもらいたいですね。

35 ガブリエル・マルティネッリ 70点

謎の若手として始まったシーズン、大きなインパクトを残しました。ただ、アルテタ監督の下では以前ほどの存在感は無く、中断前後に大怪我を負ってしまうなどジェットコースターのような年でもありました。復帰は恐らく年明け頃と、非常に辛い離脱となってしまいました。類まれなるスピードと得点感覚は稀有なものがありますが、攻守に渡る安定感が今後の課題でしょうか。献身性は持ち合わせているので、後はエネルギーの使いどころ。そういった部分は、アルテタの指導に期待しましょう。

77 ブカヨ・サカ 90点

今季1番のセンセーション。来季から7番を背負うサカ、この点数に異論はないでしょう。どの位置で起用しても、高水準のパフォーマンス。チームにとって、これほどありがたい選手はそういないでしょう。チーム最高のアシスト数を記録するなど、サイドにおけるチャンスメイカーとして破格の活躍を披露しました。課題と言われたクロス精度を瞬時に改善するなど、驚異的な才能を持ち合わせています。次は決定力でも上げてもらいましょうかね。うへへ。おっと、思わずヨダレが。

◎総括

 長かった本記事もこれで最後。サクッと総評して終わろうかと思います。予期せぬ監督就任、予期せぬ中断期間、予期せぬ反乱。アルテタアーセナルは、様々なトラブルに見舞われながらもここまで船を進めてきました。その船出は決して順風満帆とは言えないものの、最後の最後にタイトルを持ってきました。なんというか、もうこれが全てでしょうね。最低限のラインであるELの出場権も確保し、就任8ヶ月でチームに成功体験を植え付けました。昨季とは異なり、翌シーズンに向けて右肩上がりの軌道を描いて着水したと言えます。対強豪クラブの戦績を大きく改善させた一方、遅攻のクオリティはまだまだ発展途上でしょう。今は1つ1つ出来ることを増やしている段階にあり、それは着実に進捗しています。
 長かったシーズンが終わり、様々な噂が飛び交うオフシーズンになりました。使えるお金は限られています。適所にアルテタが望む人材を配することが出来れば、来季こそトップ4に返り咲けると考えます。年明け以降のアーセナルは取りこぼしこそあれど、一定の強さを誇りました。決して届かないと思われた2強の牙城も崩しました。勝負弱さが目立っていた中、決勝戦も勝ち切りました。リーグでの順位以上に、来季以降活きてくる経験を積めたシーズンだったと思います。
 早くも今月末にはコミュニティシールドが開催され、20-21シーズンの幕が空けます。チームにとっても我々にとっても、束の間の休息となるでしょう。プラスに考えると、今季の良いイメージを来季に持ち越しやすい状況とも言えます。いくつかの出会いと別れが訪れるでしょうけど、とにかく未来への希望は常に忘れないでいよう。それは決して強がりなどではない。胸を張ってそう言えるのは、この短い期間の中でチームが見せてくれた景色のおかげです。捲土重来の新シーズンへ向けて、我々も士気を高めていこうではありませんか!

 といったところで本記事の結びとさせていただきます。相変わらず長文となってしまい大変恐縮ですが、余暇の手遊びにでも使っていただければと思います。それではまた!

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