「勝ちの価値」アーセナル×スポルティング マッチレポート

 皆さんこんにちは、TDKです。
 アーセナルも過密日程ですが、それに伴って私も過密日程になっております。始めたからにはきちんと毎試合レポートしたいのでガンバリマス。

 回を追うごとに前口上が短くなっていますが、あまり気にしないで下さい。まずはスタメンの確認からいってみよう!

 ジャカの存在が皆の心を惑わしたスタメン。予想は4-3-3でした。インサイドハーフのラムジーとエルネニーが上記の予想とは逆でしたね。個人的にはジャカが左SBと左CBの間みたいな仕事をするのかなぁと予想していました。ウェルベックならWB的な役割も可能でしょうし。とにかく、蓋を開けてみないことには読めない布陣でした。
 ちなみに、スポルティングとの対戦は約50年振りだったんですね。相当レアです。そしてアーセナルはUEFAのコンペティションでポルトガルアウェイで勝ちなし、直近3連敗中と決して容易ではない試合でした。

◎試合開始~15分「虚無」

 アーセナルは予想通り4-3-3で試合に入りました。ジャカの振る舞いはまさに左SBのそれでした。普通に上がるし普通に走ります。「ジャカが追い越す」なんて普段では滅多に聞けないワードも聞けたり、新鮮な気持ちで観ていました。そしてそんなジャカのところを狙いにしたいスポルティング、何本かジャカの裏にロングボールを送り込んできます。個人的には非常にハラハラしたので、潔くジャカを低めの位置でキープしてもらいたかったです。そしてそのジャカが抜けた中盤ですが、アンカーの位置でゲンドゥージが孤軍奮闘。インサイドハーフに入ったエルネニーとラムジーは共にフラフラと上がってはスペースを作っていました。攻撃面での貢献も希薄で、中盤のフィルターがほぼ機能不全でした。致命的なピンチこそなかったものの、有効な攻撃を繰り出すことも出来ず、まさに何もない15分でした。寝落ちした方の気持ちも分かります(笑)

◎15分~30分「平和」

 皆さん、平和はお好きでしょうか。多くの場合において平和は尊ぶべき存在です。そんな私も今日の平和を甘受している1人。しかし、特にサッカーにおいてはこうとは限りません。平和とは退屈なのです。忌々しい寝落ち事件の主犯格なのです。血沸き肉躍る屠り合いこそ至高。スポーツの起源はリアルファイトだなんて言われたりしますし・・・。
 要するに何が言いたいのかというと、書くことが全然ないんです!いや、0とは言いませんよ。「ビルドアップ引っ掛けると怖いな」とか「ゲンドゥージ経由しないと成り立たねぇ!」とか「ロブ×パパはマジ推せる」とか。でも本当にそんな感じでした。少しばかしセットプレーを与える機会が多かった気もしますが、別に危ないシーンはなかったです。この辺は他の記事を見て勉強したいのですが、しれーっと割愛されてそう・・・(笑)

◎30分~前半終了「異変」

 のっぺりと過ぎていった前半。この時間帯も例に漏れず。31分にはソクラティスが裏抜けを引き倒しで阻止します。正直カードの色が怖いシーンでした。相手の攻撃における脅威はアクーニャでした。力強いゴリブルから何度もアーセナルの右サイドを脅かします。しかし、その後の中の対応は両CBがしっかりと跳ね返してくれました。非常に頼もしかったですね。
 そして迎えた35分30秒過ぎ。ついにその時を迎えます。そう、オーバメヤン(ウェルベック)爆誕です。恐らくこれが実況を1人で務めた永田実さんの異変の始まりでした。しかもご丁寧に「先ほどゴールライン裏で粘っていたオーバメヤンがもう引いてこの位置でファールを受けました(大嘘)」ですもん。笑いが止まりませんでした。間違いなく前半のハイライト。もしかしたら気に障る方もいたかもしれませんが、私はまぁまぁ楽しんでいました。永田さんは信用出来る実況者さんですし。そういう日もある、くらいで許してあげましょう。
 アーセナルの攻撃はというと、遅攻はもうサッパリ。早めにオーバメヤンかウェルベックを走らせるのが一番有効でした。どうなんだそれは。何もないよりはもちろんマシですが。
 42分30秒過ぎ。2度目のオーバメヤン(ウェルベック)。今度はアップの画でも間違っていました。実況って大変なんだなぁと思いました。きっとお疲れだったんだと思います。永田さんに届け。応援しています。

◎後半開始~60分「兆候」

 さて、後半開始。選手交代こそなかったものの、エルネニーの位置を下げた印象。4-2-3-1でしょうか。46分過ぎにナニのフリーキックからモンテーロの怖いヘディングシュートがありましたが、概ねアーセナルが支配を強める時間帯になりました。48分と49分に立て続けてオーバメヤンに決定機が訪れるなど、繋ぎの拙さは幾分か解消されたようでした。そして、この辺りで気が付きました。

 「4-2-2-2っぽい!」
 ここまで単純ではなかったですが、ザックリと図示。ムヒタリアンが相当中に絞ってくるため、中盤が4枚と言えるようなシーンが多かったです。意図としては恐らく相手の中盤を圧倒し、完全に試合のペースを握ることにあったのではないでしょうか。ジャカとリヒトが相手WGと対峙し、中では完全な数的優位状態です。この四角形が頂点を入れ替えながらパスを回し、ぐっと押し込めていました。
 そうこうしているうちに57分、ここまで低調だったエルネニーに代えてトレイラを投入。勝利への確定演出が入りました。先に書いた4-2-2-2がトレイラ投入でどうなったのかにも注目しつつ進みましょう。

◎60分~75分「威風」

 この時間帯も支配が続いたアーセナル。シュートを浴びる機会こそ一定数ありましたが、単発のミドルが中心でレノを脅かすシーンは皆無でした。そして依然として4-2-2-2による中盤制圧を継続、たまらずスポルティングのCFモンテーロが中盤の牽制に降りてきます。その結果、さらに攻め手が薄くなったスポルティングをじわじわ絞めていきます。
 迎えた67分、この試合3度目のオーバメヤン(ウェルベック)。ウェルベックが見事にヘッドを叩き込むも、謎ファールによりノーゴール判定となります。この辺りからスポルティングの挙動が怪しくなり、やたらと転がるように。72分にはなぜかキーパーのリベイロが足を攣り、74分にはアクーニャがコロコロ。恐らくこれはスポルティング側の覚悟であり、こうでもしないとアーセナルから勝ち点を取るのは不可能だと察したのでしょう。そのくらい押し込めていましたし、私は勝利を確信していました。
 また、この試合のトレイラはいつにも増してパスが攻撃的でした。ガンガン狭いところを通し、円滑なボール回しに大きく寄与していました。球離れも良く、見ていて非常に気持ちが良い選手ですね。改めて。

◎75分~試合終了「鉄槌」

 ポルトガルは中東諸国だったのかと錯覚しそうになった77分、ついにその時が訪れます。ゲンドゥージと共に中盤を支配していたトレイラが敵陣を切り裂く楔のパズをオーバメヤンに入れます。それをオーバメヤンがフリック、足元の処理を誤ったCBコアテスを出し抜いたウェルベック(本物)がキーパーの股下を撃ち抜いてフィニッシュ。見事に先制に成功します。ちなみに、このシーンではきちんとその名を呼んでもらえたウェルベック。「呼んでもらえてよかった」派と「ネタとしてオーバメヤンで完結してほしかった」派による抗争が現在でも続いているそうな(適当)。その後はラカゼットとイウォビが重役出勤し、特に波風立たずに試合を終えたアーセナル。終盤小競り合いなどがありましたが、難しいポルトガル遠征で何よりも「価値」ある「勝ち」を手にしました。前半は本当に「内容がないよう」状態でしたし、何なら「書くこともないよう」だったんですが、後半の修正力はこの試合でも健在。まず負けることはなかったと言ってもいい後半でした。そんな中であのシュートを決めきってくれたウェルベックには本当に感謝です。なんだかんだ今季5点目。今後もよろしく頼みます。

私的Man Of The Matchにはゲンドゥージを選出。前半は機能不全だった中盤を1人で支えていたと言っても過言ではありませんでした。ある程度整備された後半には最終ラインと中盤を献身的に出入りし、2人分とも言える働きっぷりでした。ボールを離した後に動きを止めない姿勢が好感度抜群でした。

 そして、この勝利でグループステージ突破を大きく引き寄せたアーセナル。1位通過も濃厚でしょう。そういった意味でも本当に価値のある勝利でした。

 今回の記事は以上になります。ありがとうございました!

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